2011年度
葛飾総合高等学校の福祉総合基礎講座に出席
レポート OKIネットワーカーズ 下山利博
「OKIネットワーカーズ(注1)」の下山利博は、社会福祉法人葛飾区社会福祉協議会かつしかボランティアセンターより依頼を受け、2011年10月25日(火)に東京都立葛飾総合高等学校で開催された「福祉総合基礎講座」に参加し、2年生2クラス48名の生徒に対し、車イス体験講座を行いました。葛飾総合高等学校では、視覚障害者、聴覚障害者に関する講座など、総合的な福祉に対する取り組みを行っています。
下山の講座の様子
下山は1階の福祉実習室にて、用意した資料を元に「身体障害者への理解」と題してプレゼンテーションを行いました。自己紹介の中で、交通事故により障害者としての生活が始まったことを話しました。日常生活については、障害者が外出したときに起こるさまざまなバリアについてイメージをしてもらいました。そして、バリアは身近にあるということを説明しました。改善されてきてはいるものの、ハード面のバリアが多くて困ることがあるので、いざというときは助けてほしいとお願いしました。そして、些細な行動から作り出されるソフト面のバリアがあることを実体験を通して紹介することで、ポイ捨てをしないことをお願いしました。コミュニケーションの大切さと車イス介助時に思いやりの気持ちを忘れないでほしいと訴え、最後に「勇気あるやさしい人になってほしい」と強調して話を終えました。
段差介助の様子
グレーチング上の通行体験の様子
その後は、「車イス体験」です。車イスおよび介助時の注意点を説明した後に、ボランティアの酒村さんと下山で講師を担当し、2グループに分かれました。生徒の皆さんで2人ずつのグループを作り、車イスの介助する側とされる側の介助体験と自走体験を行いました。学校周辺の歩道と車道を通行するコースでは、自動車や自転車、歩行者の通行もあることから、危険回避の対応も体験しました。グレーチング(注2)上を通行する体験も行い、前輪のキャスターがはまってしまい動けなくなることを理解しました。体験から戻る途中、校門のところでは数センチ程度の微妙な段差があることで、乗り越えられない生徒もいました。普段であれば気にならない少しの段差や傾斜部分で車イスが思うように動かせなくなるなど、全員が苦労されていました。介助する側、介助される側とも怖い思いをしたようでしたが、真剣に取り組む姿はとても印象的でした。3年生数人が車交通整理などの手伝いで参加してくれたおかげで、事故なく体験ができました。生徒の代表がチェアキャブ(リフト付き車イス仕様車)に乗り込む体験も行いました。
校外の道路で車イス体験
チェアキャブ乗り込みの様子
体験の終了後には、障害者で不自由でもさまざまなことに挑戦していることを伝えて、「何事にもあきらめずに挑戦してほしい。生徒の皆さんには更なる成長をしてほしい」とメッセージを伝えて終了しました。
生徒の皆さんの感想から(抜粋)
- 街中で見かける放置自転車は、人と違って声を出してもよけてはくれないので困るだろうと思いました。今後放置自転車が、少なくなればいいなと思います。
- 車イスを自走してみて、まっすぐ進むことも大変なのに道にゴミが落ちているのを避けて通るのは大変だと気が付いた。私たちが、もっと気をつけなくてはいけないと思った。
- 車イス体験では、ほんのちょっとの段差でつまずいてしまったので、段差が怖いと感じた。段差が無い方がいいと実感した。
- 注1:OKIネットワーカーズ
OKIグループの重度肢体障害者在宅勤務チームのニックネームです。
OKIグループの障害者雇用を行う特例子会社、株式会社沖ワークウェルに全員が所属しています。 - 注2:グレーチング
道路脇の排水路にかける格子状になっているふたの事。雨天時などは、水でぬれるため滑りやすくなることもあります。