2008年度
葛飾総合高等学校の福祉総合基礎講座に参加しました
レポート OKIネットワーカーズ 下山利博
下山の講演の様子
雨の中でしたが学校周辺を車イス体験しました
社会福祉法人葛飾区社会福祉協議会かつしかボランティアセンター(以下ボランティアセンター)より依頼を受け、2008年9月29日(月)午前10時45分より都立葛飾総合高校の福祉実習室で開催された、「福祉総合基礎講座」に「OKIネットワーカーズ(注1)」(OKIグループの重度障害者在宅勤務チーム)の下山利博が参加し、2年生2クラスの生徒35名の皆さんに対して2時限ずつ講演を行いました。葛飾総合高校では、視覚障害者、聴覚障害者に関する講座など総合的な福祉に対する取り組みを行っています。
3時限目より開始です。1階の福祉実習室にて14名の生徒に対して、用意した資料を元に、プレゼンテーションを行いました。自己紹介の中で、交通事故により障害者としての生活が始まったことを話しました。日常生活については、障害者が外出したときに起こるさまざまなバリアについてイメージをしてもらいました。そして、バリアは身近にあるということを説明しました。現在でもバリアフリーではないところが多くて困ることがあるので、いざというときは助けてほしいとお願いしました。そして、車イスの構造と車イス体験時の注意点の説明を行いました。
休憩の後、4時限目は、「車イス体験」の開始です。車イスの説明と介助時の注意点の説明後に、生徒の皆さんで3人のグループを3組作り、介助する側とされる側の体験を行いました。雨の降る天気でしたが、3台の車イスに別れて学校周辺の歩道と車道を通行するコースを体験しました。車道の通行時には自動車の通行もあり、危険回避の対応も体験しました。普段であれば気にならない傾斜部分で車イスが思うように動かせないなど、苦労する生徒さんがいましたが、真剣に取り組む姿が印象的でした。その後、階段部分を4~5人で車イスを担いでの段差介助も体験してもらいました。この体験で雨の日の車イスでの外出が、とても大変であることを理解していただきました。大変な中での体験でしたが、生徒の皆さんが笑顔で取り組んでいただけたことが印象的でした。
5時限目は、21名の生徒に対して、3時限目と同様に講座を行いました。6時限目は、雨に濡れて風邪をひいてはいけなので、3階の視聴覚室にて車イス体験を行うことになりました。下山はエレベータで3階に行きましたが、生徒さんは階段介助を行い3階までの車イス介助を行い移動しました。視聴覚室では演台とパイプイスでコースを作り、段差介助や自走などを行いました。
生徒の皆さんは、体験をとおして車イス操作のコツを理解していただけたと思います。「勇気あるやさしい心を持ってほしい」と強く訴えました。車イスを利用する障害者を理解できる葛飾区に通う生徒が増えたことが、とても嬉しいです。
段差介助の様子
車イス体験の様子
生徒の皆さんの感想から(抜粋)
- 階段介助のときはケガさせたらどうしようという不安があった。段差のたびにヒヤヒヤしました。
- 介助があれば安心だと思いましたが、乗っている側も危険なことがあると思いました。
- 「不自由になったことをイメージして接してほしい。」の話のとおりだと思いました。
- 車イス介助が大変だと思っていなかった。道路のでこぼこしている部分では、介助に力が必要と思いました。
- 注1:OKIネットワーカーズ
OKIグループの重度肢体障害者在宅勤務チームのニックネームです。「OKIネットワーカーズ」のメンバーはこれまで、OKIグループの企業にそれぞれ所属していましたが、2004年4月21日、株式会社沖ワークウェル(2004年4月1日設立)に全員が転籍しました。
株式会社沖ワークウェルは、OKIグループの障害者雇用を専門に扱う特例子会社を目指して設立されました。重度肢体障害者の雇用を拡大すると共に、知的障害者や視覚障害者の雇用も実施しています。