2008年度
葛飾区夏休み小学生親子ボランティア教室に参加しました
レポート OKIネットワーカーズ 下山利博
講演の様子
社会福祉法人葛飾区社会福祉協議会かつしかボランティアセンターより依頼を受け、2007年8月3日(日)午前10時よりウェルピアかつしかで開催された、「夏休み小学生親子ボランティア教室」に、「OKIネットワーカーズ(注1)」(OKIグループの重度障害者在宅勤務チーム)の下山利博が参加し、2組5名の親子の皆さん(学校の先生も含む)に対して講演を行いました。
午前10時より開始です。日ごろ葛飾区内を取材して用意した資料を元に、プレゼンテーションを行いました。障害者が外出したときに起こるさまざまなバリアについて、イメージをしてもらうことから始めました。そして、葛飾区内にある駅などのバリアフリー状況を説明しました。まだエレベータを設置されていない駅があるので、全ての駅に早くエレベータを設置してほしいと伝えました。
スポーツ用車イスに試乗しました
段差介助に挑戦
講演の合間を利用して、ボランティアセンターがお借りしたスポーツ用の車イスを紹介し、参加者の皆さんに試乗していただきました。このような車イスに初めて触れることもあり、興味深く眺めたり自走したりと、参加者の皆さんに喜んでいただきました。その後、車イス体験講座を開始しました。車イスの各名称と操作説明をしました。その後、ペアを組んで車イスに乗る側と介助する側になり、ウェルピアかつしかの外周の道路や歩道などを体験します。お母さんが乗った車イスをお子さんが一生懸命に介助して段差を乗り越える場面では、上手に介助することができたことを喜び全員で拍手しました。さらに、道路に出ると車イスが微妙に傾いてしまい思うように進まないので、介助する側は苦労されていました。道端の自動販売機では、車イスに座ったままでは利用できないことを知っていただきました。その後、2人のお子さんに車イスに乗ったままチェアキャブに乗降車を体験してもらいました。
チェアキャブ体験の様子
後日、1階ロビーに掲示されたバリアフリーマップ
車イス体験が終わってから、ウェルピアかつしか周辺の地図に、体験して感じたことを書き込んでもらいバリアフリーマップを作成しました。(後日このバリアフリーマップを、ウェルピアかつしかの1階のホールに展示)その後、再度プレゼンテーションを行いました。道路と歩道の段差などが、思っている以上のバリアであること。また、設備以外にも駅やスーパー前の歩道や、車イスでも入れる公衆電話にふさがるように駐輪された自転車などの心ない行動が、通行のじゃまで「バリア」になることを話しました。また、車イスで汚物を踏みつけてしまうと、手や着ている服が汚れるだけでなく家の中まで汚れることを話しました。ハード的なもの(利用施設など)が改善されても、ソフトの部分(人間のやさしさ)が足らないと障害者は困ってしまうと強調しました。このような例を紹介して、参加された皆さんに「ポイ捨てをしない、迷惑駐輪をしない」の2点を協力してほしいとお願いしました。3部構成の講座は、参加者の皆さんが真剣に耳を傾けるなか、あっという間に3時間が過ぎてしまい終了となりました。夏の暑さの厳しい日でしたが、「ありがとうございました。楽しかったです!」と声をかけてくださいました。最後に、下山より参加者全員に感謝の気持ちでペットボトルオープナなどのプレゼントを贈りました。
参加してくださった皆様の真剣に聞いてくださった姿と、「勇気あるやさしい人になってほしい」との呼び掛けにうなずいてくれたことが印象的で、とても嬉しかったです。このようなやさしい親子の住む葛飾区が、ますます好きになりました。
作成したバリアフリーマップの前で集合写真
参加された皆さんの感想から(抜粋)
小学生の感想
- 車イスはらくそうに見えても、意外にらくじゃなかった。車イスで疲れている人がいたら手伝ってあげようと思う気持ちが高まりました。
- 初めて車イスに乗って、段差が怖かった。歩道が狭くて車イスがはじっこによってしまうなど怖かった。押す方も大変だけどいろんなことがわかりました。だから手伝ってあげたいです。
- 自動販売機は上のほうの段の商品が選べなくて、とても大変でした。
お母さんの感想
- バリアフリーマップ作りは、具体的でとても良かったです。
- 自動販売機は、欲しい飲み物が買えない不自由さを知りました。
- 初めて乗りましたが、思っている以上に道路がデコボコだったり、斜めに傾いていたり大変なことがたくさんあることがわかりました。
- 「勇気あるやさしい心がうれしい」との言葉がとても心にしみました。
- 「いざというときに手助けしてくれるやさしい心」を常に持ち続けていきたいと思いました。
- 注1:OKIネットワーカーズ
OKIグループの重度肢体障害者在宅勤務チームのニックネームです。「OKIネットワーカーズ」のメンバーはこれまで、OKIグループの企業にそれぞれ所属していましたが、2004年4月21日、株式会社沖ワークウェル(2004年4月1日設立)に全員が転籍しました。
株式会社沖ワークウェルは、OKIグループの障害者雇用を専門に扱う特例子会社を目指して設立されました。重度肢体障害者の雇用を拡大すると共に、知的障害者や視覚障害者の雇用も実施しています。