沖電気研究開発(No.174)

非線形性補償拡張カルマンフィルタと目標運動解析への適用

藤本 治 沖田芳雄 尾崎俊二

 目標から放射される信号の到来方位と到来周波数を観測し、その目標の位置や速度を安定に推定する、カルマンフィルタの原理に基づいた新しい目標運動解析方法を提案する。目標運動解析では、カルマンフィルタを非線形問題に拡張した拡張カルマンフィルタが広く用いられている。しかし、方位だけでなく周波数情報を用いる場合にはシステムの非線形性が非常に強くなり、発散するといった問題が生じることがある。本稿では、発散が非線形関数の線形近似による誤差が蓄積されていくことにより生じることを示し、この不安定性を防ぐために、コスト最小化の概念を導入した新しいアルゴリズム(非線形性補償拡張カルマンフィルタ)を提案する。さらに開発したアルゴリズムを目標運動解析に適用し、従来法に対して推定値の発散が抑制でき、性能が大幅に改善されることを示す。



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