• 商品サービス
  • 投資家の皆様へ
  • OKIについて
  • 採用情報
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

現在位置:ホーム > OKIのIoT > 事例・関連記事 > 電力削減だけじゃない-工場の電力見える化で抑えておきたいポイント


事例・関連記事

電力削減だけじゃない-工場の電力見える化で抑えておきたいポイント

生産性を落とさずに、電力使用量を削減しなければならない。そんな相反する課題を解決するには、どのようにすればよいのでしょうか?コストをかけずに現状を把握し、対策すべき箇所を見つけ出すポイントを解説します。

従来の省エネ対策から電気需要の平準化へ

東日本大震災の教訓、それは「電気の需要の平準化」

1979年に制定された省エネ法は石油危機を契機として制定され、日本の省エネ政策の根幹となっています。エネルギーの効率向上を産業・業務・家庭・運輸の各部門に求めることにより、日本の省エネ技術の発展にも貢献してきました。

平成23年、東日本大震災により、日本は未曾有の電力需給の逼迫に直面しました。計画停電が行われ、個人の生活から企業活動まで大きな影響を与えたことは記憶に新しいでしょう。大量の電力消費に支えられた成長を見直すきっかけとなりました。

省エネ対策として、エネルギー効率のさらなる向上や化石燃料の使用の低減など、電力需要量を減らすための取り組みが行われてきました。ところが、全体の需要量が減ったとしても電力は使用されるピークに合わせて供給されるため、「時間」の概念も対策に取り込む必要が出てきました。

その結果、平成26年改正省エネ法により、電力需給バランスを意識したエネルギー管理の対策が盛り込まれました。それが「電気の需要の平準化」の推進措置です。

電気の需要の標準化とは何か?

「電気の需要の平準化」とは何でしょうか?

通称「省エネ法」とも言う「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(法第2条第3項)」によれば、『「電気の需要量の季節又は時間帯による変動を縮小させること」という』とあります。

具体的には、国全体の夏期・冬期の昼間の電気需要を低減することです。時間帯も電気使用量がおおむね一日の平均を上回る勤務時間帯を指します。

電力消費の計測イメージ

要約すると次のようになります。

  • 季節:7~9月(夏期)、12~3月(冬期)
  • 時間帯:8~22時(土日祝日を含む)

一方で留意事項として、行き過ぎた対策による労働環境の悪化や、従業員の負担増加がないよう配慮することとも記載がされています。

具体的な例としては、室温が上がる午後の時間帯の空調温度をただ下げるだけではなく、昼休み時間中に空調を「強」に設定し室温全体を下げた後、夕方までは「中」で運転することで環境を維持しながらトータルの需要量を下げるといったやり方が平準化です。

電気需要の平準化には、より細かな測定をリアルタイムで行う必要がある

では、電気の需要の平準化を行うために、事業者は何をすべきでしょうか?

まずは、どれだけのエネルギーが、いつ・どこで・どれだけ使用されているのか、現状を把握する必要があります。計画を立てようにも、現状を知らなければ手の打ちようがありません。

最も簡単に事業所ごとのエネルギー状況をまとめるには、電力会社からの月毎の電力使用量通知を参考にグラフ化(横軸:年月、縦軸:電力使用量)することで、傾向を見ることはできます。

しかし、このグラフからは、全体の状況を把握することはできても、どの系統がいつ使われているのか把握することはできません。

電力会社からの月毎の電力使用量通知を参考にグラフ化

特に年間を通して多くの電力を消費する機器を運用している製造業の工場現場では、装置の能力や生産性を損なわずに電力消費を削減し、電気の需要の平準化を行う必要があります。

そのためには、受電点、フロア別電灯、動力、設備、温度・湿度など、さまざまな計測データを一定時間ごとに計測・把握して無駄を見つけます。無駄が見つかれば、それの対策方法を考えるのです。また、対策を行った後に、目標に対する実績が正しく出ているのか把握するためにも、エネルギーの見える化が必要になります。

これを実現するのがエネルギー管理システム(EMS:Energy Management System)です。

工場の電力見える化がもたらす3つの効果

電力消費量の大きい工場において、電力見える化を導入するメリットは3つあります。

  1. 無駄の削減意識が高まり、継続的な活動になる
  2. 最も消費電力が高い機器に注目して、対策が打てる
  3. 労働環境を犠牲にせず、効果的な対策が打てる

ここから一つずつ詳しく説明します。

1)無駄の削減意識が高まり、継続的な活動になる

一般的に、見える化で見つかる無駄を省くことによる削減効果は、全体の消費電力の7~10%以上と言われています。一つ一つの対策は小さいものであっても、見える化によりいくつもの無駄が見つかることも少なくありません。無駄を見つけ、対策を実施し、その結果が見えるようになると、従業員の間に電力消費量の削減意識が高まるという効果も期待できます。

また、部門別の見える化により、部門間での競争意識も働きより大きな効果も期待できます。

日常的な電力削減活動の中で無駄な電気消費を削減しつつ、エネルギー使用傾向を把握した上で効果的な設備投資を行うことで、より大きな効果を得ることができます。

 

2)最も消費電力が高い機器に注目して、対策が打てる

工場では、各生産ラインでの系統別あるいは設備別の使用電力量を細かく測定することで、各設備の稼働状況を把握できます。最も電力消費量の高い設備に着目することで、効果的な対策を講じることができるようになります。

たとえば、時間単位での設備の稼働状況が把握できれば、アイドリング運転の時間を短縮することで、生産性に影響を与えずに消費電力量を削減することができます。

電力消費の計測イメージ

ところが、古い生産設備の場合、遠隔で情報を収集するための通信インターフェースを装備していないものも多くあります。新機種では通信機能を持つものがあったとしても、高額な設備投資のため減価償却するまでリプレースできないという事情も多く聞きます。現状の設備に新たな投資をすることなく、消費電力を測定することで稼働状況を把握することができるのです。

 

3)労働環境を犠牲にせず、効果的な対策が打てる

EMSの中には消費電力だけでなく、温湿度の情報も合わせて管理できるものがあります。空調設備の消費電力を削減するために、空調の設定温度を上げるだけでは労働環境の悪化につながり効果的な対策とは言えません。

特に工場での暑さ対策は、大きな課題となっています。従業員からのクレームに苦慮している担当者も少なくないのではないでしょうか?消費電力だけではなく、温湿度など人によって感じ方に差のある情報も同時に見える化をすることで、労働環境に配慮した対策を検討することができるようになります。

いずれの場合も、より細かなレベルで消費電力や環境情報を測定し見える化をすることで、効果的な対策が打てるようになります。

多くの場所をコストをかけずに測定するという矛盾を解決する

最大のコストは配線工事

より細かなレベルでの電力測定は、測定対象ごとに電力センサーを設置して行いますが、課題となるのはコストです。これまで、分電盤単位での電力測定はあまり行われてきませんでした。

測定データを収集するためにはデータ伝送のための配線作業を行う必要がありますが、多くの電力センサーはRS485と呼ばれるシリアル通信規格を採用しており、全てのセンサーを一筆書きで繋ぐ必要があるのです。広いオフィス、工場の分電盤単位で測定を行うには数kmにもおよぶ新たな配線工事が必要となることが、導入の阻害要因となっていました。

配線工事イメージ

そこで近年注目されているのが920MHz帯無線です。

920MHz帯無線が工場の電力見える化にオススメな3つの理由

1)バランスの良い周波数帯域である

これまでも2.4GHz帯や429MHz帯での無線システムの採用は、一部で行われてきました。

しかし、Wi-FiやBluetoothで使用されている2.4GHz帯は干渉が多く、回り込み特性も悪いため、通信品質に問題がありました。また、429MHz帯は通信速度が遅く、多くの場所に設置されたセンサー情報を収集するには適していませんでした。920MHz帯は通信品質、通信速度共にいいとこ取りのバランスの良い周波数帯域なのです。

 

2)マルチホップ対応であれば設定も容易

数多くの電力センサーを設置する場合、設定の容易さも考慮しなければなりません。数十台~数百台のセンサーを無線で接続するには、ネットワーク設計のノウハウが必要です。

これを解決する手段として、920MHz帯無線にはマルチホップ通信という技術があります。

無線機器同士が自動的にネットワークを作りますので、専門の知識が必要ありません。測定箇所に電力センサーと無線機を設置するだけで、見える化のためのセンサーネットワークが完成するのです。

 

3)測定箇所の変更が簡単

測定箇所を簡単に変更できることも大切なポイントです。特に工場の場合、生産ラインの変更に応じて柔軟に対応できる必要があります。無線であれば配線工事をやり直す必要はありません。また、マルチホップ対応することで、測定箇所の追加や場所の変更もすべて自動で行うことができます。

あらゆる情報が同じシステムで収容できること

測定対象ごとに別のネットワークを利用するのでは、コストを下げることはできません。工場内の通信インフラとして、同一の無線システムで電力センサーや温湿度センサーなども収容できるものを選ぶ必要があります。より多くの情報を収集・管理することで、労働環境を悪化させることなく電力の平準化対策が可能になります。

EMSについても、まずは高額な初期投資を必要としない、クラウド型の見える化サービスを利用するという手段があります。無線センサーと組み合わせることで、多くの場所をコストをかけずに測定するという矛盾を解決することができるようになっているのです。

まずは現状を知ること。そこから効果的で継続性のある対策を

工場では、労働環境を維持・向上させながら、生産性をより高めなければならないという命題を持っています。そこに相反する電力削減や平準化のための対策も講じなければならないとなれば、担当者の苦労は相当なものです。

政府や自治体の補助金を利用した自家発電設備の導入や、蓄電池システムの活用による電気使用時間の変更なども、一つの対策ではあります。しかし、企業は消費電力量の削減において、継続した活動を行っていかなければなりません。一時的な省エネ機器の導入だけでは、すぐに行き詰まってしまうでしょう。そのためにも見える化によって現状を把握し、対策を実行するというPDCAサイクルを回していくことが、何よりも重要なのです。

まずは小さいところから、見える化をはじめてみませんか?


関連する商品・サービス

OKIのIoTの活用・導入に関するご相談は、こちらよりお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

本記事は2016年9月に掲載しました。記事中に記載する数値、固有名詞、市場動向等は掲載日現在のものです。



All rights reserved, Copyright © 1995-2019 Oki Electric Industry Co., Ltd.