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コラム

2010年3月1日

低炭素社会に向けた技術開発

  • 浅井 裕(Yutaka Asai)
    取締役常務執行役員

研究開発部門をはじめ、技術全般を担当している浅井です。

OKIは企業理念「情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する」に基づき、商品とサービスを通して社会に貢献することを目指しています。その取り組みのなかで、低炭素社会の実現に向けた貢献も重要な一つであると考え、様々な技術開発を進めています。また、こうした姿勢や具体的な取り組みについて皆様にご理解をいただけるよう、ウェブサイトや、毎年発行する「社会・環境レポート」などを通じて、広く情報を発信しています。

今回は、これらの取り組みの中から、いくつか技術をご紹介したいと思います。

見えると人は変わる

最近「見える化」という言葉がよく使われますが、企業活動の漠然とした部分が数字などの形で客観的に判断できるようになると、人の行動は変わるようです。

当社の技術開発拠点では、ビル全体のエネルギー使用量をフロアごとに、用途ごとに、誰でも見えるように、既存のビルエネルギー管理システムと連携した環境情報の見える化を行うシステムを導入しました。これによって、「あれ、なぜこのフロアはこんなに夜も昼も電力を使っているんだ?」など、いろいろと改善の余地が見つかり、また皆が改善の必要性を共有するようになります。こうなると、その後の動きは早いものです。


誰でもビル全体のエネルギー使用量を把握

オフィスで活用しているPCなどのOA機器は、使用しないときはもっともっと省エネできる機能を持っていますが、なかなか使われていません。OKIのIT機器エネルギー管理システム「CoolClover®」では、管理サーバーで、これらのOA機器をモニターして、使用状況を判断してOA機器の動作モードを切り替えるようにしました。PC側では専用ソフトウェアが動いていて、動作モード切替がどのくらい省エネに貢献したかを表示するようにしてあります。

これらのシステムには、センサネットワークという「モノの情報を集めてくる技術」と、状況推定という「センサーのデータから状況を判断する技術」が利用されています。今後、これらの技術は様々な分野で利用されるようになると考えています。

装置の省エネには商品のアーキテクチャの見直しと、要素技術の変革が必要

平成22年度適用の改正省エネ法により、支店・営業店・フランチャイズなどで使用する機器の省エネ性も重要な省エネ対象となりました。装置の消費電力削減には、機器ごとに既存の回路・方式を徹底的に分析し小さな工夫を積み上げていく一方で、革新的な省エネ技術の導入が必要です。OKIはいろいろな機器に対して、トップクラスの電力効率をめざして開発を進めています。

最近開発したATM(現金自動預け払い機)では、装置内の紙幣の搬送方法を抜本的に見直すだけでなく、回路と方式の隅々までの細やかな省エネ努力の集積として、従来機種に対して30%の省エネを実現することができました。

プリンタも、定着器における印刷準備時(レディー時)の消費電力削減のため、ウォーミングアップ時間の短縮を目指して開発を進めています。最新機種では、専用LSIの開発により、スリープ時の消費電力についてクラス最少の0.9Wを実現しています。

FTTH(Fiber to the Home)を実現するONU(利用者宅内の光終端装置)は日本中で数千万個が24時間通電されていているため、その省エネの効果は大きく、OKIでも省電力のたゆまぬ努力が続いています。一例としては、LSIや光モジュールなどの構成部品一つ一つを徹底的に小型・低消費電力化をすすめるのと同時に、シリコン上で光回路と電気回路をモジュール化して超小型実装することで、画期的な小型化・省エネを期待できるような研究も進めています。

また、FTTHに限らず、高速に情報を処理・伝達する機器では、高速動作・高集積のLSIの採用だけでなく、高速に動作する回路モジュール全体を小さくコンパクトに実装する技術も実は省エネに重要な役割を果たします。このためOKIは「e機能モジュール」というコンセプトで、小型・高密度を実現する実装技術や、高機能・高品質で実績のあるシステム技術、高効率を実現する回路技術・新素材などの融合・統合を進めています。

ICTは省エネにも貢献する

ICTを活用すると日常の活動そのものを省エネ化することができます。OKIでは、様々な日常活動に注目して、いろいろなICTを活用した省エネ(by-IT)ソリューションを開発しています。「テレワーク」もOKIの大きな省エネテーマの一つです。

人が一箇所に集約していないでも効率的な業務推進ができることは、エネルギーの無駄や、時間の無駄を省き、様々な雇用形態の制約や、開発・製造・販売・保守の拠点配備に対する制約を開放するポテンシャルを持っています。ビデオ会議システム「Visual Nexus®」、パソコンやPDAによるソフトフォンの実現「Com@WILL®」、遠隔で働く人の自由な情報交換の場を提供する知識・情報共有基盤/企業向けSNS「CrossBa®」、障害者の在宅就労向け多地点音声コミュニケーションシステム「ワークウェルコミュニケータ」、メディアと端末を駆使したコミュニケーションを提供し、ユニファイドコミュニケーションを実現するIPテレフォニー商品「SS9100/IPstage®」、コールセンターシステム「CTstage®」などの商品を提供していますが、さらに、離れて活動する人々の心の結びつきを強化するために超臨場感技術を活用した次世代テレワークシステムの研究も進めています。

このように見てくると、世代から世代に伝えていくべき重要な社会の理念である、低炭素社会の実現に向けた技術開発は、環境面のみに留まらず、商品を利用されるお客様の利便性向上、さらには様々な社会課題への解決にも結びつく取り組みであるといえます。われわれも企業市民として、これこそが「商品とサービスを通した社会への貢献」であるとの認識にたち、今後も低炭素社会を実現するための様々な技術開発と商品開発を通して貢献を続けていきます。


多様なオフィスコミュニケーション概念図

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