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コラム

2008年10月1日

どんなふうに検索ができたら嬉しいですか?

(ユビキタスサービスが拓く未来:第4回)

  • 平沼 雄一郎(Yuichiro Hiranuma)
    情報通信グループ
    ユビキタスサービスプラットフォームカンパニー
    プレジデント

ユビキタスサービスプラットフォームカンパニーの平沼です。

検索というと、最近はGoogleやYahooによるネット検索エンジンを思い浮かべる方が多いと思います。先日、ある人が子供に「図書館で調べて来たら?」とアドバイスしたところら、「何それ?」と怪訝な顔をされたそうです。我が家でも息子が調べものをするときには、検索エンジン(Google、Yahooなど)か、人力検索(注1)(はてな など)です。このこと自体の良し悪しはさておき、皆さん、検索エンジンを使っていて困ることはありませんか?「検索結果がたくさん出てきて、選ぶのが大変」、「最適な検索結果に絞り込みたいが、どう絞り込んだら良いのかわからない」といったことで困った経験があるのではないでしょうか?

検索するということは「見つけたいものがある」ということです。さて、どんなものを「見つける」ケースがあるのでしょう。

言葉の意味や定義、歴史や科学の説明やデータ、詳しいサイト/分かりやすいサイト、自分に合った仕事、必要な機能と適正な価格の商品、自分の好みにあったお店、自分に合った家など、いろいろな見つけたいものがあります。

これらを全て同じ検索方法で対応するのはちょっと無理があると思いませんか?その答えを見つけるために、皆さんがモノを探すときにどんなやり方をとっているのか少し整理してみたいと思います。

皆さんがお店で欲しいものを探すときのことを例にとってみましょう。1人で良さそうなものを物色しながら、最後に「その中ではこれだな」と思って選ぶやり方があります。もう一方で、専門家(店員)にアドバイスを貰いながら、「これがベストだ」というものを選ぶやり方があります。いろいろなモノを探すケースがあると書きましたが、それぞれのモノに応じて、あるいは場合に応じて、この2種類の方法に分けて考えてみましょう。

前者の検索は、ネット検索に当てはめると、GoogleやYahooなどの検索エンジンによる「キーワード検索」に当たります。この「キーワード検索」については、最近、Google幹部より「検索でできることの95%はやりつくした」との発言があったようですが、確かにかなり進歩していることは皆さんも実感していると思います。

ところが、後者の検索(ここでは「対話型検索」と仮に呼びます)については、専門家との対話により実現するものは数多くありますが、コンピュータとの対話はまだ完全には実現していません。コンピュータがしゃべり、人間がしゃべったのをコンピュータが聞き取ることはできるようにはなってきました。いわゆる音声合成や音声認識です。

さらに文章の意味を解析し、分類や翻訳をすることも可能です。自動応答型コールセンターでも電話のプッシュボタンだけでなく、音声認識により対話ができるようになってきました。しかし、コンピュータに知識と会話パターンをすべて記憶させて対話を行うことは、天文学的な量のパターンを記憶し、そのパターンマッチングが必要になるため、非現実的です。これとは別の、人間の脳を模倣したコンピュータを作ろうという動きもありますが、まだまだ完成にはほど遠いようです。

冒頭で列挙した「見つけたいもの」のリストを思い出してみてください。用語やデータ、サイトの検索は「キーワード検索」の結果をいくつかチェックしながら、自分に合ったものを選ぶことで十分に目的が達せられます。

ところが、職(仕事)や住む所、高額商品(金融商品など)は「キーワード検索」でリストアップされたものを自分でチェックしてもなかなかこれがベストと決められない方が多いと思います。やはり専門家のアドバイスが欲しい、専門家に選んで欲しいと思う方が多いのではないでしょうか?そして、もう1つ、専門家との対話には、カウンセリングのように本当に自分に合っているもの、望んでいるものを気づかせてくれるという効果もあります。

このような対話型検索を実現すべく、OKIとリクルート社は、ラダリング型検索サービスを開発中です。対象分野を絞り、かつその分野の知識データベースを持ち、そしてその分野の専門家のノウハウを凝縮した会話シナリオの保持方法を開発することにより、この対話型検索を実現しようとしているのです。

「ラダリング型検索サービス」は、既に07年度に最初のプロトタイプ版を試作し、いくつかの展示会でデモを行うとともに、実証実験も実施してきました。今年度はさらに技術開発を進めて、プロトタイプ第2版を作り、デモや実験を繰り返す予定です。まずはじめのデモとして、CEATEC JAPAN 2008の「情報大航海プロジェクト」のブースにて、開発中のプロトタイプ第2版を展示します(下記「ご案内」参照)。

09年度末には、何とか商用に結び付けたいと思っています。そうすると、「いつでも、どこでも、専門家のアドバイスによるラダリング型検索サービス」が受けられるようになります。

楽しみにしていてください!

ご参考:2007年度の「ラダリング型検索サービス」実証実験における画面イメージと実際の対話例


  • 画面イメージ

  • 実際の対話例:実証実験の対話ログ

ご案内

用語解説

  • 注1:人力検索

    Webを通じた不特定多数のユーザーに対して情報提供を求める形式の検索方法。

コラム「ユビキタスサービスが拓く未来」シリーズ

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