OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。
地域に根付く金融機関として、千葉県の発展を支えてきた千葉興業銀行様。同行はデジタル化に伴う銀行機能や営業スタイルの変化を見据え、2024年にサービスが終了するISDN回線の後継として、OKIが丸紅ネットワークソリューションズとの協業で開発した「LTEモバイルソリューション」を採用。長年に渡り同行のインフラを支えてきたOKIが、千葉県全域113カ所の店舗外ATMへの展開を行い、2020年12月より本格運用を開始しました。
OKIが、MVNO事業を展開する丸紅ネットワークソリューションズとの協業により開発した「LTEモバイルソリューション」は、空き帯域を有効活用することで、ISDNからのマイグレーションにより、月額回線費用を最大50%低減します。LTEモジュールとアナログ回線インターフェースの電話機能を搭載したOKIのマルチキャリア対応音声IoTゲートウェイ装置により、高い品質の音声通話とデータ通信を1台の機器で実現します。お客さまの各拠点と中央で管理するセンターとのデータのやりとりや音声通話は、モバイル回線によりOKIのデータセンターを経由して行われます。
千葉興業銀行
経営企画部 部長代理
兼 IT企画室長
宇佐見 信吾氏
1952年の設立以来、地域に根付く金融機関として千葉県の発展を支えてきた千葉興業銀行様。同行はいま、少子高齢化やテクノロジーの進化に伴うお客さまのニーズの多様化・高度化に対応するべく、新スローガン「WITH YOU~~より近く。より深く。ともに未来へ。~」を掲げ、お客さまが抱える事業承継や人材、経営効率化などの経営課題やさまざまなニーズにお応えするコンサルティング・バンクとしての活動にも注力しています。
千葉興業銀行 経営企画部 部長代理 兼 IT企画室長の宇佐見信吾氏は、今回の取り組みの背景を次のように話します。「当行では千葉県全域、113カ所に店舗外ATMを展開しています。これらの店舗外ATMでは、勘定系のデータ送受信、ATM監視、オートホンによる音声通話などを複数のISDN回線を用いて実施してきました。2024年にISDN回線のサービスが終了するにあたって、後継となる回線の選定が、喫緊の課題となっていました」。
同行ではこれに先立ち、2017年より3カ年で老朽化対策と機能強化、コスト削減などを目的としたネットワークの更改計画が進行していました。フェーズ1としてデータセンターと各営業店間のネットワークを更改し、フェーズ2としてデータセンターの基幹システムを更新。今回の店舗外ATMのISDN回線廃止に伴う回線のリプレースは、フェーズ3にあたります。
ちば興銀コンピュータソフト ソリューション営業グループ マネージャーの新井義男氏は、店舗外ATM回線リプレースにあたっての要件は大きく3つあったと語ります。「まず一つ目は安全な金融サービスを提供するための確実なデータ送受信の実現。二つ目は経営効率化の一環としての回線コストの削減。三つ目はATMを利用するお客さまの生活、行動様式の変化に応じた店舗外ATMの柔軟な再配置でした。それらに対し、これまで長年、当行のATM運用保守を始め、ネットワーク更改のフェーズ1、2にも関わっていただいているOKIから『LTEモバイルソリューション』を提案いただき、検討に入りました」。
ちば興銀コンピュータソフト
ソリューション営業グループ マネージャー
新井 義男氏
バックアップ回線とはいえミッションクリティカルな銀行業務にLTE無線回線を採用した理由について、宇佐見氏は「当行の業務においても無線、LTE回線の利用機会が増え、行内でも利用に対する不安感はかなり払しょくされていました。LTE回線にすることで、これまで勘定系データとオートホンによる音声通話の2回線があったISDNを1つにまとめることができ、回線コストの大幅な削減が見込めることに加え、回線敷設工事が不要で回線開通までのリードタイムが削減できるといったメリットが享受できます。他のLTE回線サービスとの違いという点では、「LTEモバイルソリューション」にはデータ送受信に優先制御機能があることから、確実性の高さを評価しました。そして、金融業界での経験と実績が豊富で当行の業務やネットワークについても深い理解のあるOKIのソリューションなら大丈夫、という安心感がありました。万一の際の障害対応も、OKIならトータルでサポートいただけるという期待が持てました」と話します。
マルチキャリア対応音声IoTゲートウェイ
加えて新井氏は、「震災や台風などの自然災害への対策という視点で、主回線とバックアップ回線を有線、無線に分散することによるリスク低減という期待もありました」と、BCP(事業継続)観点での期待効果を語りました。同行ではこれらのメリットを総合的に検討し、県内113カ所の店舗外ATMにおけるISDN回線の後継としてOKIの「LTEモバイルソリューション」を選定、2020年内の運用開始を目指すこととなりました。
プロジェクト進行中、新型コロナウイルス感染拡大の影響により進捗が危ぶまれた時期もありましたが、それも乗り越え、2020年11月に全店舗外ATMへの展開が完了。12月より運用が開始されました。
新井氏は、コスト削減および敷設時における効果を次のように話します。「回線コストについては、ISDN回線からセキュアな閉域網LTE通信への切り替えによる削減が期待されます。また、店舗外ATMは駅や商業施設などさまざまな環境にありますので、敷設にあたっては事前調査ならびに関係者との調整などにかなり気を使います。『LTEモバイルソリューション』は有線による敷設に比べてその辺りの負荷が軽減できる点でも、効果を感じました。また、機動性の高い無線ネットワークを採用したことにより、今後、人口動態により店舗外ATMの設置場所が変動する可能性が高まるなか、将来に向けたATMの移設や新規出店における柔軟性や効率性への手ごたえを得ることができました」。
最後に宇佐見氏は、今後の展開並びにOKIへの期待について、次のように締めくくりました。「これから、銀行業務やお客さまの生活がデジタル化し、さまざまなデータを活用したサービスの提供がいっそう活発になると思います。そのため、それらを支える、つなぐ基盤としてのネットワークインフラの重要性が増していくことでしょう。その点、長きにわたって信頼性の高いインフラを提供してきたOKIには全幅の信頼を置いています。今後も、我々の課題を解決する新しい情報提供や、提案に期待しています」。
2021年1月掲載