導入事例

OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。

企業情報

日亜化学工業株式会社 様

所在地
徳島県阿南市上中町岡491番地
創立
昭和31年12月
従業員数
グループ合計9,185名
(令和元年6月現在)
事業内容
蛍光体/発光ダイオード"LED"/レーザーダイオード/光半導体材料/ファインケミカル/遷移金属触媒/真空蒸着材料/電池材料/磁性材料
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社内申請支援ツールにAI対話型のFAQチャットボットを活用し
従業員の働きやすい環境作りを推進


日亜化学工業様 本社

従業員8,000人の給与計算から福利厚生業務までの対応を行う日亜化学工業様 労務厚生部では、対応工数の削減、夜間・休日の対応などの課題を解決するため、AI対話エンジン「Ladadie®(ラダディ)」を搭載したFAQチャットボットを活用。マスコットキャラクターで親しみやすさを工夫して社内試行運用を進めるなか、問い合わせ対応情報の集積と一元化や、社員の問い合わせニーズとのズレが「見える化」できるなど、次のステップへの確実な手応えを感じています。

概要

課題
  • イントラのFAQ情報が活用されず問い合わせ対応が多い
  • 休日や夜間の交代勤務者への申請関連の問い合わせ対応ができない
  • 従業員に正しい情報を伝え、働きやすい環境を構築したい
成果
  • LadadieによるFAQチャットボット(対話型申請支援システム)を公開
  • 担当部内のFAQ情報の集積と一元化も実現
  • 問い合わせニーズとのズレをログで把握でき、課題が「見える化」
  • 今後は各種照会や書面作成アシストへの展開を計画

導入ソリューション

OKIのラダリングFAQチャットボットは、Ladadieを搭載し、対話形式でFAQを効率的に検索できます。Ladadieが得意とするカウンセリング対話の機能を利用し、利用者に漠然としたことを聞かれても、回答を絞り込むための質問(ラダリング)をすることで、徐々に回答へと導きます。


マスコットキャラクター「Nまるくん」を採用したFAQチャットボット画面

詳細

課題・背景

夜間や休日の問い合わせ対応に課題

日亜化学工業様 本社

日亜化学工業様はLED、半導体レーザー、リチウムイオン電池材料で世界トップクラスのシェアを誇り、世界の革新的な企業として「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター」に3年連続で選出されています。"一人ひとりの能力を最大限に引き出す自由で風通しの良い社風、そこから生まれるアイデアを大切にし、光とエネルギーの分野で新たな価値を創造する"ことを目指す同社は、従業員の働きやすい環境作りのため、社内申請の支援にも力を入れています。


労務厚生部 部長代理
牛田 聡史氏

社内申請の課題について牛田氏は次のように話します。「労務厚生部は給料計算から福利厚生業務まで、約8,000人の従業員の働きやすい環境作りを担っています。対応業務も多岐にわたり、中でも各種申請書の問い合わせ対応および確認業務にはおよそ30名、1日の半分を大きく上回る時間が割かれていました。また、当社は製造業で交代勤務制のため、夜間や休日の対応が課題でした。イントラネットに掲載するFAQ資料はなかなか見てもらえず、項目が多くて探しづらく、分かりにくい。そのため電話で問い合わせようにも、時間外は対応できません。従業員は仕方なく互いに相談して提出してくるのですが、その申請書類には間違いや不備が多く、担当者は確認にまた時間がとられます。この悪循環を脱却できる仕組みを探していました」。

FAQチャットボットによる解消に着目

そんな折、AIを活用したチャットボット(※1)の記事を見て自社業務に応用できないかと考えていた牛田氏は、OKIからLadadieを搭載したFAQチャットボットの紹介を受けました。「自社のやりたいことにズバリのサービスは、そうそうありませんので、Ladadieの標準機能をいかにして自社業務に合わせられるかを考えました。製造業では自社向けに独自開発のシステムを使うことが多いのですが、当部のような業務では多額のコストと手間をかけるカスタマイズありきのシステムではなく、パッケージを使いこなすことを重視しました」(牛田氏)。


信号機、車載ヘッドライトなど用途の広がるLED

また、牛田氏はLadadieが自律学習型ではない点も評価ポイントだと話します。「AIというと自律学習のイメージが先行していますが、会社の規定や規則、手続きに類することですので、世間に存在する情報を学習して、勝手に答えるものではありません。自律学習型ですと元となるデータが多過ぎて制御しにくいという話も聞きますし、当社ではあくまで会社としてのコントロール下で制御したい。AIに期待する点としては、従業員の質問を理解して最適な回答を探す、対話型で的確な受け答えをする、そして答えられなかった際のデータを蓄積して、精度を高め改善できるというところでした」。

導入に際しては、「従業員に自由で風通しがよく、働きやすい環境を提供するという会社の方向性にも合致していますので、経営層からの理解も得やすかったです」と話します。

導入のポイント

試行錯誤を経てオントロジー登録フローを確立


N美ちゃんとNまるくん

同社では社内報のマスコットキャラクター「Nまるくん」がFAQチャットボット画面に登場し、従業員のさまざまな質問に答えます。「従業員に親しみやすく使ってもらうための工夫です。AIは中身の進化が分かりにくいため、更新に合わせてNまるくんの画像をお正月、阿波踊りなど季節に合わせたものに差し替えて、アピールしています」(牛田氏)。

FAQチャットボット導入の肝となるのが、「オントロジー」(※2)と呼ばれる知識辞書の登録です。同社では当初、「Nまるくんが知識を習得して従業員の質問に回答する」という方法で2019年3月から利用を開始しました。その後、試行錯誤を重ねた結果、「別にFAQをとりまとめ、それをNまるくんが見つけて答える」という、対話型申請支援システムのスタイルとなりました。

対話型申請支援システムとして試行を重ねる

その理由について牛田氏は、「Nまるくんが従業員のあらゆる質問に答えるための知識量は数千件にも上り、そのすべてを専任の担当者が把握してオントロジーに登録することは現実的ではありませんでした。そこで方向転換して、部署の担当者全員で対応履歴をCMS(※3)に統一書式で日々更新して、一定量情報が溜まったら専任の担当者がオントロジーに登録する業務フローを確立しました。従業員からの問い合わせに対する部内のFAQは以前から存在していましたが、細かな情報は会話やメモ、メールでのやりとりなどあちこちに分散し、きれいにまとまっていなかったのです。Ladadieの導入により、問い合わせ対応情報の集積と一元化という効果も得られました」と話します。

同社では2019年末の年末調整対応業務からこのスタイルを試行。事前に想定したコアな手続きに関する回答は対応できるようになったものの、すべてが解決できたとは言えないと牛田氏は話します。「従業員の知りたいことは幅広い。年末調整を起点として、たとえば今年子供が生まれたのでその手続きは、特別休暇の申請は、お祝い金は、保険は、など、問い合わせ範囲が幅広くなっていくと、すべては対応しきれません。Nまるくんが自分の知りたいことに答えてくれない、という従業員の声が多いのが現状です。しかし、そのようなニーズとのズレがログの解析から把握でき、課題が『見える化』したことが成果と言えます」。

成果・今後

問い合わせ対応から各種照会、申告書作成のリアルタイムなアシストへ

労務厚生部 部長代理 牛田 聡史氏

煩雑で、従業員・担当者ともに負荷の高い各種申請の問い合わせ業務に、Nまるくんというキャラクターを用いたFAQチャットボットで「楽しみながら皆で育てていく気持ち」(牛田氏)が芽生えた同社は、約1年間の利用を通じて挙動や機能、メリット、デメリットを把握し、次のステップへと進もうとしています。

牛田氏は今後のアイデアとして「たとえば、給与明細書を表示して各項目を説明する、社食の利用明細など問い合わせの多い事項の照会。そして負荷が非常に高い年末調整の申告書類作成のリアルタイムなアシストなどを検討しています。また、育児・介護休業関連の情報提供も重要です。誰もが直面する事柄ですが頻繁にあるわけではないため、そもそも知らない人が多い。プライベートな事象で上司に相談しにくいことでも『Nまるくんになら聞きやすい。分からないことがあったらNまるくんに聞いてみよう』という習慣が社内で根付くようにしていきたい」と語ります。

「従業員の見たいこと・知りたいことを提供すれば、利用度が高まり、利用度が高まればデータも増え、正確性が向上する。それにより従業員の満足度がさらに高まるというサイクルを確立することができます」と語る牛田氏。FAQチャットボットの導入により業務効率化やコスト削減効果を目指すことはもちろん、さらに高い目標を掲げています。「効率化や対応人件費などのコスト削減効果は高いものがありますが、それは過程であって目標ではありません。真の目標は、従業員と担当者双方が仕事しやすい環境で本来の業務に集中し、より良い製品を通じてお客さまや社会に貢献することにあります」。

最後に牛田氏は、OKIへの期待について、次のように締めくくりました。「今回が初めてのお付き合いでしたが、技術力、対応面でも期待通りの貢献をいただきました。ITやAI人材が不足する中、パートナーとしての共創に期待しています」。加えて、牛田氏からは「今後のOKIには企業との1:1の協業にとどまらず、当社がNまるくんで実現を目指す交替勤務者へのサービス提供の取り組みをさらに広げてほしいと思います。たとえばコンビニでは、ATM・住民サービス・防犯・災害時の食料供給など、地域に欠かせないインフラになっていますが、人材確保が課題になっています。このような人材確保が難しい業種におけるAI活用での従業員の負荷軽減とサービス向上など、社会全体への貢献にも期待しています」との言葉もいただきました。

  • ※1 チャットボット
    「対話(chat)」と「ロボット(bot)」を組み合わせたもので、対話を行うロボットのこと。
  • ※2 オントロジー
    文書検索において、それぞれの文書の内容を説明する意味情報(メタデータ)を各文書に付加し、メタデータを記述する用語を定義する構造。検索対象となる文書が単なる単語の集まりとしてではなく、文書全体で大きな意味を持ったデータとして扱われ、各文書について統一的な付加情報をもたせることで、本当に必要な情報を的確に検索することが可能となる。
  • ※3 CMS(Contents Management System)
    管理画面からテキストや画像を登録することで、ホームページを更新することができるコンテンツ管理システム。

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2020年3月掲載

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