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現在位置:Home > 導入事例 > 2011年 > Webベースのシステムで全国の気象台の予報・警報業務を支援


導入事例

2011年7月12日

気象庁様

Webベースのシステムで全国の気象台の予報・警報業務を支援
データ編集やプロダクト作成・送信機能の拡充により、現場の作業を強力にサポート


気象庁様 本庁予報現業作業室

世界でも先進的な予報・警報業務を行っている気象庁様は、提供情報の高度化を捉えて、業務の現場を強力にサポートする「予報作業支援システム(YSS)」を導入。予報データの編集や発表プロダクトの作成・送信といった作業の大幅な効率化を実現しています。

OKIは、このシステムのソフトウェアおよびハードウェアの納入ベンダーとして、2004年に稼働した第1号機に続き、2010年5月から運用を開始している第2号機でも、システム整備から運用の支援まで全面的にバックアップしています。

気象庁様は、自然災害の軽減、国民生活の向上、交通安全の確保、産業の発展などを実現するため、全国各地に気象台・測候所・出張所など約150カ所の気象官署を配置して的確な気象情報を提供しています。また、最新の科学技術を駆使した先進的な気象業務で国際協力も積極的に行っています。

業務の現場では、高度な作業を支えるさまざまなシステムが活用されています。たとえば予報業務では、1959年に官公庁として初めて科学計算用のスーパーコンピューターを導入し、物理の方程式に基づいて将来の大気の状態を予測する「数値予報」を開始しました。その後の技術発展 -- 気象庁様が独自開発した予報計算プログラム(数値予報モデル)やコンピューター技術の革新などにより、今日では世界トップクラスの数値予報結果を提供するまでになっています。


予報部 予報課
予報官 多田 英夫 氏

気象に関する警報・注意報や天気予報などは、こうした数値予報の結果をはじめ、全国から収集した気象観測データや実況の推移などを基に、各地の気象台の予報担当者がさまざまな知見による判断を行って発表されています。この予報・警報業務の効率化に大きく貢献している中核的なシステムが、「予報作業支援システム(YSS)」です。

YSSの業務処理ソフトウェア整備に携わる予報部予報課 予報官の多田英夫氏は、「このシステムは、気象に関する警報・注意報、日々の天気予報や週間天気予報、また台風情報や船舶向けの海上警報など、さまざまな情報を発表する予報・警報業務において、業務の遂行に必要なデータを編集し、部外利用者向けのプロダクトを作成・送信する作業をサポートするものです。予報担当者が注力すべき予報や防災に対する総合的判断に専念できるよう、的確にサポートすることが導入の狙いです」と、概要を説明します。

背景・導入目的

YSSで警報・注意報や天気予報などの処理基盤を統合

YSSは、2000年の気象審議会において、「気象警報・注意報などの防災気象情報の提供は国が責任を持って提供すべき」といった内容を含む第21号答申が出たことを受けて、その処理基盤として整備されたシステムです。民間気象事業者による情報の提供も増えつつあった当時の状況の下、時として人命にも関わる気象警報・注意報の発表のあり方などが多角的に議論されました。

当時の予報・警報業務は、全国の気象台や測候所に設置した計算機にデータを送信し、現地で処理を行う分散型のシステムでしたが、YSSでは、センター側の中枢サーバーにデータとアプリケーションソフトウェアを集約・一元管理し、全国の予報官署はWebブラウザを通じて中枢サーバーにログインして各種操作を行う、“サーバー・クライアント”型のWebシステムを採用しました。

また、警報・注意報などの防災気象情報を処理するための技術基盤に天気予報などの処理を統合し、両者を整合の取れた状態で発表するようにしたことも大きなポイントでした。「YSS導入の際に、予報・警報の作業自体も大幅に見直されました」と、多田氏は付け加えます。

YSSの第1号機(YSS-1)は、構想から約4年をかけて、2004年に運用が開始されました。整備においては、ハードウェアおよび業務処理ソフトウェアの調達でそれぞれ一般競争入札が実施され、いずれもOKIが落札。YSSの導入から運用サポートに関わっていくこととなりました。

警報・注意報発表内容の拡充のため、YSSの処理能力アップと機能強化が必然に

YSS-1の運用が開始された2004年は、大雨などの気象災害が多発した年で、市町村における避難勧告の判断や住民の避難行動などを的確に支援できる防災気象情報の発表が求められました。そこで、従来は各都道府県をいくつかに分割した地域に対して発表していた気象警報・注意報を、市町村それぞれを対象とした内容に詳細化する方針が打ち出されました。

市町村ごとに状況を判断するには、それまでより細かなデータの収集・分析を行わなければなりませんでした。「たとえば、予報・警報作業で入出力するデータについても、日本全国を5km四方の格子で区切ったものを処理する必要があり、システムで扱うデータ量や計算処理の負荷の大幅な増加が見込まれました」(多田氏)。

このような課題に対して、データ処理能力の向上や機能強化などを図るべく、YSS-1からYSS-2へのシステム更改に取り組むことになりました。

YSS-2の整備プロジェクトでは、開発に時間のかかるソフトウェアの整備が、ハードウェアの導入に先行して進められました。予報課では2006年度に入出力データの仕様検討を開始。2007年度には、庁内の関連各課からなる調達検討チームを発足させ、互いに連携しながら調達に向けた仕様作成や予算要求等の準備を進めました。予報課では、ソフトウェア外注の作業と並行して、自らが開発するソフトウェアの整備にも取り組みました。

2008年7月には一般競争入札で外注ソフトウェアの開発依頼先をOKIに決定。さらに翌年7月、ハードウェアの納入業者も一般競争入札を経てOKIに決まりました。

YSSでは、気象庁様開発のソフトウェアとOKI開発ソフトウェアの双方がファイルやデータベースの入出力機能を共用することにより、開発や管理の効率化を図っています。そのため、ソフトウェアの開発過程で先行的に入出力インターフェース(API)を策定し、その上に双方の編集機能を載せる工程を組みました。2008年8月からYSS-2向けソフトウェアの開発を開始したOKIは、上記工程に沿って、翌2009年3月にまずAPIを納品しました。

さらに、このプロジェクトにおいてはソフトウェアの中間検査がハードウェアの調達前に計画されていたため、2009年6月にOKIの社内開発機による検査を実施。翌7月には気象庁様本庁に本番相当の環境でソフトウェア動作を確認できる仕組みを構築しました。この環境の上で、開発中を含むすべてのソフトウェアを動作させるなど、半年にわたる精力的なチェックを実施し、機能向上やバグの改修に取り組みました。

システム概要・導入ポイント

新システムの整備と並行して、予報業務現場の慣熟を徹底推進

「システムの整備プロジェクトを成功させるには、全国の予報担当者がしっかりと慣熟することこそ重要と考えました」と語る多田氏は、システム整備と並行して、早期から予報業務現場における体験環境の提供に積極的に取り組みました。

まず、2008年4月から1年にわたり、仕様検討のために作成した気象庁様開発ソフトウェアの試作品と開発用サーバーを用い、全国の予報担当者が新しいソフトウェアに触れる環境を提供。開発の進捗に合わせてソフトウェアを順次投入し、実際に試用してもらった上での評価・要望をフィードバックしていきました。2009年4月からは、本番に近い状態に完成した気象庁様開発プログラムを用いて、操作方法・作業手順の慣熟や運用に関する検討を推進。そして2010年2月には、OKIのソフトウェアも完成し、運用が始まる5月まで、全てのソフトウェアによる慣熟を実機の上で実施しました。

さらに多田氏は、独自のアイデアで「次期予報作業支援システム ソフトウェア整備かわら版」と名付けた月刊の情報紙を作成。自前で作成した新聞紙面風のレイアウトデザインに新システムの特徴やソフトウェアの概要、また整備の進捗状況など自筆の記事を多数盛り込み、2009年1月から2010年6月の1年半にわたって全国の気象官署に配布しました。記事の中には、OKI社内での中間検査の模様や取り付け調整中の中枢サーバーなどの写真も掲載されており、「全国の官署が、整備状況をリアルタイムで実感しながら慣熟を進める助けになったのでは」と多田氏は述べています。

さまざまな工夫により処理の効率化やユーザビリティの向上を実現


クライアント端末の4面ディスプレイ(実機)
(以下「4面ディスプレイの表示例」参照)

周到な慣熟作業に加え、さらに2010年4月20日から5月26日までの旧システム(YSS-1)との並行運用を経て、YSS-2は同年5月27日から運用を開始しました。

YSS-2のシステム形態は、YSS-1と同様のWebシステムで、データベースも従来の仕組みを踏襲しています。中枢サーバーは東京と大阪の2拠点に設置し、双方で同期を取りながら稼動しています。多田氏は、「中枢サーバーの地理的冗長化は、大規模災害時のリスク対応だけでなく、通常時においても、官署の東・西の地理的位置に応じてアクセス先を分けることによる、ネットワークやサーバーの負荷分散も意図したものです」と説明します。さらに、各拠点のサーバー自体も二重化により耐障害性を高め、24時間365日の休みない業務を支援しています。

YSS-2に接続する全国の気象台のクライアント端末は、予報・警報作業に必要とされるさまざまな情報を一覧できるよう、4面のディスプレイを接続したPCが2台ずつ配備されています。また各地方の拠点となる中枢官署には、拠点の業務に必要な端末も配備されています。

YSS-2に搭載されたソフトウェアについては、警報・注意報発表のためのデータ編集や、警報判定などの機能は気象庁様開発によるものですが、電文など部外向け情報の作成・編集・送信に関する部分、また警報・注意報以外の天気予報、週間天気予報などのデータ編集と送信に関する機能は、全面的にOKIが手がけました。また「旧システム(YSS-1)では、気象庁様開発分とOKI開発分で、システム外への送信手順が違っていましたが、YSS-2ではすべての送信処理をOKIの機能に揃えました。これにより、手順の統一などユーザビリティが向上しました」(多田氏)。

なお、気象庁様開発ソフトウェアの一部では、編集プログラムと編集データをクライアント端末にダウンロードして実行する「Java Web Start」技術が採用されています。これは、YSS-1において予報業務の現場から画面遷移が遅いことへの改善要望があったことを考慮したもので、作業中のサーバーアクセスの頻度を低減させて操作性の向上を図るための措置です。OKIのソフトウェアについても、画面更新の際に変更された箇所のみを更新するAjaxの技術を取り入れるなど、速度向上に取り組んでいます。

さらに、YSS-2では、気象台や測候所間のコミュニケーションツールとして、旧システムのメールに代わり、RSSによる報知の仕組みを取り入れたこともポイントの1つです。東・西の中枢サーバー間で同期を取りながら予報現場に刻一刻と情報を報知する仕組みを実現しています。これと気象庁様が開発した双方向掲示板システムとを合わせて、日々の予報業務に活用されています。「これらの機能によって、システム負荷を減らしつつ官署間の情報共有を効率的行えるようになり、予報現場にも好評です」と、多田氏は話しています。


4面ディスプレイの表示例
左上:天気予報発表用データの編集、右上:双方向掲示板システムおよびRSS報知表示ツール
左下:警報・注意報発表用データの編集、右下:警報・注意報の判定結果表示

導入効果・今後の展望

今後の機能拡張を通じて次期システムの検討にも着手

YSS-2の稼働に合わせて、気象庁様からの気象警報・注意報は、市町村を対象とした内容に拡充されました。この新しい形式の情報や日々の天気予報などが問題なく提供されていることが、システム運用の順調さを何よりも物語っています。計算負荷の大きい処理についても想定通りのパフォーマンスが得られています。

多田氏は、「この成果は、ソフトウェアの設計段階からベンチマーク試験などを精力的に実施し、ハードウェア構成も含めて多角的な提案をいただいたOKIの尽力によるところも大きいと思っています」と話しています。

そして、安定したシステム運用の確保だけでなく、運用に関するアドバイス等のサポートについても、OKIに大きな期待を寄せているとのことです。「YSS-1でも、台風情報の高度化をはじめ、大幅な業務改善を伴う機能拡張を幾度となく行いました。気象情報の充実を求める声は大きく、YSS-2でも、さまざまな要望に応えるための機能強化を図ることになるでしょう。それらを通じて、次期システムへの移行を見越した技術的課題の検討につながっていくものと考えています」と、多田氏は「YSS-3」の整備に向けた取り組みにも意欲を見せています。

システム概要図

システム概要図

気象庁様 概要

名称 気象庁
本庁所在地 東京都千代田区大手町1-3-4
事業内容 気象・地象・水象など自然現象に関する観測およびデータ解析、各種情報(防災情報、生活情報、交通安全情報、地球環境・海洋情報)の作成・提供
ホームページ http://www.jma.go.jp

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