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導入事例

2011年12月1日

江田島市様

旧4町の防災行政放送をデジタル無線システムに統合
市内全域に迅速で効率的な情報伝達を実現


江田島市役所様 外観

2004年11月1日に江田島町、能美町、沖美町、大柿町の合併によって誕生した広島県江田島(えたじま)市様は、旧4町で個別に運用されていたアナログ防災行政無線をデジタル方式で統合するため、OKIの「市町村デジタル防災行政無線システム」を導入。江田島・能美地区で2011年7月から運用を開始し、2012年3月末には沖美・大柿地区を含めた全市での稼働を予定しています。

この新システム導入により、災害時の緊急放送や平常時の行政放送を市内全域に迅速かつ効率的に提供することが可能になりました。また、地域の自治会放送なども手軽に行えるようになり、コミュニティの活性化・円滑化にも役立っています。

広島県南西部の江田島・能美島および周辺の島々を行政区域とする江田島市様は、広島市と高速船で30分程度、呉市とは音戸大橋・早瀬大橋の両架橋により陸路でも行き来できます。瀬戸内の温暖な気候と風光明媚な自然環境に恵まれており、沿岸各所での海水浴やマリンスポーツに加えて、標高542mの野登呂山を筆頭とする山々や丘陵地が多いことから、登山やサイクリングの名所としても人気が高まってきています。

市内の居住地は、4つのエリアおよび海外線の一部にある平地部が中心ですが、小規模な集落も多数点在しています。そうしたことから江田島市様では、旧安芸郡江田島町、旧佐伯郡能美町、同郡沖美町、同郡大柿町の4町が合併し、新しく市制を施行して以降、緊急連絡などを含めた市民への情報伝達を一元的かつ効率的に行う仕組みの整備が行政面での課題の1つになっていました。

背景・導入目的

1市1周波の原則にも対応するべく市内統一の防災行政無線整備に着手


総務部 危機管理課 課長
横手 重男 氏

「当市では、旧4町が個々に導入していたアナログ防災行政無線システムを各地区で運用し続けてきたため、市内全域への一括した放送を行うことができない状況にありました」。総務部 危機管理課 課長の横手重男氏は、従来の課題をこう説明します。

市役所本庁から各支所に情報を伝え放送作業を行うという手順は時間がかかるうえ、地区ごとのシステム運用・管理に手間もコストもかかっていました。また、設備の老朽化も進んでおり、保守・メンテナンス面での不安もありました。そこで、電波利用に関する『1市1周波』の原則に対応し、かつアナログ方式よりも多くのメリットを引き出せるデジタル方式で、全市を統合した新しい防災行政無線システムを構築する必要がありました。

その具体的な取り組みとして、2009年度に新しいシステムの導入に向けた基本設計、実施設計を作成し、翌年度から「防災行政無線統合デジタル化整備事業」をスタートしました。

J-ALERT3・市消防本部とのシステム連携、自治会放送への対応を必須要件に

新システムに求める要件では、従来になかった機能として3つの項目を重視しています。


総務部 危機管理課 主任
藤田 優二 氏

まず、防災放送において、消防庁が整備している全国瞬時警報システム(J-ALERT3)との連動、さらに江田島市消防本部が運用する高機能消防指令センター設備との連動が可能であることの2点。総務部 危機管理課 主任の藤田優二氏は、「特に消防本部との連動については、各地区における火災発生通知や消防団の出動要請など、日常生活の中で緊急を要する事態にも迅速に対応できる新機能として必須のものでした」と話します。

3点目は、防災放送以外の用途で、市内一括の行政放送だけでなく、自治会からの放送など地域ごとのコミュニティ放送にも利用できる機能を有していることでした。横手氏は、「旧江田島町の地区では、有線放送を使って地域ごとの自治会放送を従来から行っており、『その代替手段を新システムで提供してほしい』という要望があったことなどから、要件の1つに掲げました」と語ります。

そのほか、放送を聞き逃した際に電話で内容を確認できる電話応答システムなど、市民へのサービス向上につながる仕組みも取り入れました。

こうした条件を含む具体的な仕様書に基づいて入札を行った結果、OKIの提案した「市町村デジタル防災行政無線システム」を採用することが決定したものです。

システム概要・導入ポイント

屋外拡声子局と戸別受信機で“どこでも聞こえる”環境を構築

「市町村デジタル防災行政無線システム」は、センター側に設置する親局装置(操作卓・地図表示盤、テープレコーダー卓、親局無線機など)、無線電波の到達距離を延伸するための中継局、支所や消防本部など遠隔地から無線機を制御できる遠隔制御装置、親局からの情報を報知するための子局装置(屋外拡声子局、戸別受信機)などで構成されています。ちなみに、自治会放送などを行う際には、一般の電話機から公衆電話回線経由で親局にアクセスし、暗証番号を入力すれば無線設備を制御できる仕組みになっています。


  • 市役所無線室

  • 親局デジタル無線装置

これらの機器を用いた江田島市様の新システムは、まず第1期工事で江田島地区、能美地区に設備が導入され、2011年7月から運用を開始。そして現在、第2期工事として沖美地区、大柿地区のインフラ構築が進められており、2012年3月末をめどに市内全域への一斉放送を可能にするデジタル防災行政無線環境整備が完了します。

システム導入にあたっては、市内全域で無線電波の到達状況をきめ細かく調査し、中継局や屋外拡声子局の設置計画を立てています。しかし、実際に施工してみると、放送音声が聞こえにくい場所もあり、スピーカーの方向を調整するなど現場レベルでの対応作業を適宜行いました。「防災行政放送は、市民の皆さんの戸宅できちんと音声を聞き取れることが肝心です。そのため、屋外拡声子局を設置した後にテスト放送を流してみて、周辺の個々のお宅で聞こえ具合をチェックし調整を行いました」と、藤田氏は話します。

そのうえで、屋外拡声子局での対応が難しいエリアあるいは戸宅については、戸別受信機の設置で対応しています。横手氏は、「スピーカーからの音声が聞こえにくいお宅だけでなく、たとえば世帯数の少ない集落などでは、導入コスト面などを勘案し戸別受信機の設置について検討しました」と語ります。戸別受信機はこのほか、災害時の第1次自主避難所となる公共施設、防災のキーマンとなる各地区の自治会長宅や消防団幹部宅にも設置しています。

導入機器として、親局1局および遠隔制御装置4台と、中継局2局、簡易中継局1局、再送信子局2局、屋外拡声子局139基、戸別受信機181台を設置する予定になっています。

導入効果・今後の展望

消防本部からの直接放送で緊急時のより迅速・的確な情報伝達が可能に

新システムの運用を開始するにあたり、江田島・能美地区では、行政放送に加え、システム利用の承認を受けた呉農業協同組合(JA呉)からの農事放送、地域の自治会からのコミュニティ情報が、それぞれ指定された時間帯に提供されています。その音声品質について横手氏と藤田氏は、「以前のアナログ方式に比べて明らかにクリアになりました」と口を揃えます。

また、電話応答(テレホンガイド機能)による放送内容の聞き直しも利用されおり、開始当初の7月には80件もの着信履歴が残っていましたが、徐々に減る傾向にあります。

災害などの発生時には、通常放送中でも即座に緊急放送へと切り替わります。藤田氏によれば、優先設定はJ-ALERT3、消防本部からの情報伝達(サイレン吹鳴、消防団召集・出動放送)、通常放送の順となっています。

システム運用側のメリットとしては、やはり放送業務の効率化が挙げられます。特に火災発生時の緊急放送について、藤田氏は、「幸いにも新システム導入以降にそのような放送を必要とする事態は発生していないのですが」と前置きしたうえで、次のように続けます。「以前は119番通報を受けた消防本部から、火災発生地区の本庁、支所にFAXを送り、それを受けて担当職員や夜間駐在員が緊急放送業務を行っていました。しかし新システムでは、24時間体制である消防本部から直接緊急放送を流せるので、人手をかけることなく、より短時間で、市民の皆様への確実な情報の伝達が可能になりました」といいます。

緊急放送業務を任されていた職員の負担が軽減されたことも副次的な効果といえるでしょう。「夜間は駐在員1名だけとなるので、精神面の負担も随分軽くなったと思います」と横手氏は話します。

さらなるサービス向上を目指し文字での情報提供も構想

市内全域へのデジタル防災行政無線システムの導入以降の計画について、横手氏は、「まだ具体的な議論には至っていませんが、検討に値するものはいくつか浮かんでいます」と明かします。

その1つが、デジタル無線の特性を活かして、音声に加えて文字による情報提供も構想されています。方法としては、屋外拡声子局への文字表示盤の接続あるいは文字表示対応型戸別受信機の導入が考えられます。市内要所での公衆的な用途だけでなく、聴覚障害者への情報提供手段にもなるため、サービス向上の観点でも大きな意義があるといえます。

また、個人で費用負担しても構わないという声も寄せられている戸別受信機の設置拡大で、機器を納入するOKIとも調整しながら、導入コストや設置対象などの検討に結びつけていきたい考えです。「当市の高齢化率が36~37%に達していることも、屋内での放送受信が求められる背景といえます」と、横手氏は付け加えます。

藤田氏は、江田島地区の自治会放送を先例と捉え、「地区ごとの遠隔制御機能を気軽に使って、情報共有やコミュニティ活動など地域の活性化にもっと役立てていただきたいと思っています」と話します。

さらに横手氏、藤田氏はOKIに対して、「システム運用・保守のサポートとともに、今後の活用シーンを広げる付加価値も積極的に提案してほしいと考えています」と大きな期待をかけています。

システム構成図

江田島市様 概要

所在地 広島県江田島市能美町中町4859-9
面積 100.97k㎡(2010年10月1日現在)
人口 2万7,233人(2011年9月30日現在 住民基本台帳による)
市の概要 広島湾に浮ぶ江田島・能美島、大黒神島、小黒神島、大奈佐美島、小奈佐美島、安渡島、沖野島、長島、引島で構成(江田島・能美島以外は無人島)。自然に育まれた観光スポットとともに、戦前の海軍兵学校、現在は海上自衛隊の教育施設が名所の1つになっている。国内有数のカキ養殖産地でもある。
ホームページ http://www.city.etajima.hiroshima.jp/cms/

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