![]() 第75期中間事業報告書(平成10年4月1日〜平成10年9月30日)をお届けするにあたり、株主のみなさまへごあいさつ申しあげます。 当中間期におけるわが国経済は、金融システム不安が長期化する中で、個人消費の回復の兆しがみえず、また民間の設備投資が大幅に減少するなど、引き続き極めて厳しい状況にありました。 このため、企業収益の悪化が顕著になり、破綻企業が続出する戦後最大の経済危機に直面いたしました。 当社をとりまく事業環境も、半導体市場の低迷は出口がみえず、また通信・情報につきましては、将来的には大いに期待される分野であるものの、長引く不況で需要が伸び悩んだことに加え全般的に製品価格が低下するなど収益確保が非常に難しい状況となりました。 このような環境のもと、全社を挙げて売上の拡大に取組んでまいりましたが、需要の冷え込みは予想を上回るものがあり、当社の当中間期の売上高は前年同期と比べ電子通信装置・情報処理装置・電子デバイスの3事業部門全てにおいて減少し、全体では18.5%減の2,142億円となりました。 また中間損益は、原価の低減・設備投資の圧縮・研究開発費の削減・その他諸経費の節減など対策に努めましたが、売上高の不振による利益減少を補いきれず、加えて株価下落による保有株式の評価損を計上したこともあり、前年同期の17億円の利益に対し222億円の損失と大幅な悪化となりました。 当期の中間配当は、甚だ遺憾でありますが、見送らさせていただきましたので、何とぞご理解を賜りますようお願い申しあげます。 株主のみなさまには誠に申し訳なく謹んでお詫び申しあげます。 今後、わが国の経済は金融関連各法の成立、総合経済対策などの景気浮揚に向けた政策により徐々に不況から脱出することが期待されますが、短期での回復は望めず当分需要は冷え込んだままと予想されます。 当社は、この危機をできうる限り早く乗り切るために、半導体事業の構造改革・固定費の削減・遊休資産の売却・本社機構の改革・グループ経営力の強化・アライアンスの推進などの緊急施策に既に着手しておりますが、これらの施策をさらにスピードアップして遂行することでこれ以上の業績悪化をくいとめ来期での黒字転換を図ってまいります。 あわせて、21世紀への飛躍を期し今般策定いたしました「フェニックス21計画」に、グループをあげて取組むことにより、「事業構造の転換」と「新しい経営マネージメントの確立」を成し遂げ、「ネットワークソリューションの沖電気」として確固たる地位を築いてまいる所存であります。 株主のみなさまにおかれましては、今後とも一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申しあげます。 平成10年11月 |
取締役社長 篠塚勝正 |
「フェニックス21計画」は、新しいビジネスモデルの構築・経営マネージメントの改革と企業ビジョンの明示により、「一等企業」実現のため、抜本的に企業体質を強化することをねらいとしています。