平成8年度決算
1.当期および次期の概況
- (1)当期の概況
当期のわが国経済は、平成7年秋の経済対策による公共投資、低金利策の持続、為替相場の円安傾向への転換などにより、緩やかな景気回復の足取りがみられましたが、金融システム不安・個人消費の伸び悩みの状態を脱しきれなかったことに加え、期後半からは公共投資の減少もみられ、回復の実感が乏しいものになりました。
さらに、半導体市場におけるメモリ価格の低下は予想以上のものがあり、当社にとって、甚だ厳しい事業環境になりました。
このような状況のもとで、当社は全力を尽くして収益の確保に努めるとともに、前期より開始した「経営再建計画PART II」の2年目の目標である安定的経営基盤の確立に向け、全社をあげて諸施策を実行してまいりました。
その結果、電子通信装置および情報処理装置の両部門において売上高を増加させるとともに全部門においてコスト低減を果すことができました。
しかしながら、前期好調であった電子デバイス部門においては、厳しい市場環境の中、大幅な売上高減少を余儀なくされ、当期の当社業績は以下のとおりとなりました。
すなわち、受注高は前期の5,613億円に対し4%減の5,400億円となりました。売上高は前期の5,563億円に対し3%減の5,406億円となりました。利益につきましては、メモリ価格低下の影響が一層大きく、経常利益は前期の483億7千3百万円に対し78%減の108億3千7百万円、当期利益は前期の260億3千9百万円に対して63%減の96億2千2百万円となりました。
- (2)次期(平成9年4月1日〜平成10年3月31日)の業績予想
今後の見通しにつきましては、個人消費の低迷、金融システム不安および行方の定まらない為替相場や株式市場など懸念される要因が多く、高い経済成長は望めないものと思われます。また、当期業績に大きく影響した半導体市況につきましても、引続き予断をゆるさない状況にあり、厳しい事業環境が続くものと認識しております。
次期につきましては次に示すとおりの業績見通しをたてております。
- 単独
売上高 | 受注高 | 経常利益 | 当期利益 |
5,800億円 | 5,600億円 | 110億円 | 25億円 |
当期比7.3%増 | 当期比3.7%増 | 当期比1.5%増 | 当期比74.0%減 |
- 連結
売上高 | 経常利益 | 当期利益 |
7,700億円 | 110億円 | 10億円 |
当期比5.2%増 | 当期比39.0%増 | 当期比69.1%減 |
2.配当政策
当社は、今後の事業展開を勘案して研究開発投資、最新鋭製造設備の導入など企業体質の一層の充実・強化をはかりつつ、株主各位には収益に対応した安定的な配当を行なうことを基本方針としております。
当期の配当につきましては、当期業績および上記基本方針に基づき、1株当たり年間7円とさせていただく予定であります。
次期以降につきましても、経営基盤の一層の強化に努め、株主各位への安定的配当をはかってまいりたいと存じます。
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