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プレスリリース

2015年4月15日

特定のエリア内の音のみ収音する「エリア収音システム」を開発

エリア内にいる人の声だけをクリアに伝達、テレビ会議や高騒音下での円滑なコミュニケーションを実現

OKIは、このたび複数の指向性マイクを収音したいエリアの周囲に配置することで、エリア内の音のみ収音できる「エリア収音システム」を開発しました。この技術は、会議室やオフィスのように多くの人が同時に話している環境であっても、特定のエリア内で話している人の声だけをクリアに収音することを可能にします。

従来技術との比較例:テレビ会議


  • 【通常のマイク】
    周りの人の声や背景雑音で発言者の声がよく聞き取れない

  • 【OKIの「エリア収音システム」】
    周りはうるさくても発言者の声がクリアに聞こえる

近年、ICT(情報通信技術)の発達にともないテレビ会議やテレワークなどが身近になり、離れた場所にいる人とコミュニケーションを取る機会が増えています。発言者の声に周囲の人の声や背景雑音が含まれると、相手の声が聞き取り難くなり会話が中断してしまうなど、円滑なコミュニケーションが阻害されてしまいます。それを避けるには、特定のエリア内にいる人の声だけをピンポイントに収音できる技術が必要です。ガンマイクやマイクアレイ(注1)など指向性を持ったマイクを使用すれば、特定の方向の音を収音することはできますが、これらのマイクの指向性は直線的であるため、収音したいエリア(以下、目的エリア)の音だけでなく、目的エリア方向に存在する音を全て収音してしまいます。

今回OKIが開発した「エリア収音システム」では、マイクアレイを2つ用い、指向性をそれぞれ別の方向から目的エリアで交差させます。このとき各マイクアレイの指向性に共通に含まれる成分を目的エリアの音と推定し、それ以外の成分を抑圧します。これにより目的エリア内の音のみ収音することを実現し、周りがうるさくても発言者の声がクリアに聞こえるテレビ会議システムなどの遠隔コミュニケーションが可能となりました。エリア内であれば、自由に向きを変えたり動いたりしながら話すこともできます。

OKIの「エリア収音システム」の特長

  • 目的エリアの外で複数人が会話をしていても、エリア内にいる人の声だけを収音します。
  • 少ないマイク数(最少2個)でマイクアレイを構成できます。
  • 低演算量であるため、複数のエリアをリアルタイムに同時に収音可能です。
  • エリア内であれば、自由に動いて話すことができます。
  • エリア音判定機能により、エリア内で音が発生したときだけ収音することも可能です。

適用例

離れた場所とのコミュニケーション(テレビ会議、テレワーク)に加え、本システムは下記のようなさまざまなシーンでの適用が可能です。

  • エコーやハウリングの発生を抑えたハンズフリー会話
  • 音声認識率向上のための前処理(カーナビ、議事録作成)
  • 高騒音下での収音(展示会場、工場、駅の券売機)
  • プライバシーやセキュリティーが重要となる場所での利用(金融店舗、コールセンター)

適用例

OKIは、「エリア収音システム」のさまざまな利用シーンへの活用展開や技術応用に向け、今後もさらに取り組んでいきます。

なお、本成果の一部は、国立研究開発法人情報通信研究機構(理事長:坂内 正夫、以下NICT)が進める超臨場感コミュニケーション技術に関する研究開発の一環として、NICTから受託した委託研究「高度通信・放送研究開発委託研究/革新的な三次元映像による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発」によって得られたものです。

OKIの「エリア収音システム」の技術概要

OKIの「エリア収音システム」では、まず目的エリアの周囲に2つのマイクアレイを配置し、それぞれビームフォーマ(注2)により目的エリア方向へ指向性を形成します。この状態では、各マイクアレイの指向性には目的エリア内の人の声(目的音)だけでなく、目的エリア方向にいる人の声(雑音)も混ざっています(図1左)。しかし音声には、周波数領域ではそれぞれの成分が重なる確率は低いという性質があるため、目的音成分と雑音成分は混ざらず独立に存在しています。2つのマイクアレイの指向性を周波数領域で比較すると、どちらも目的エリアへ指向性を向けているので、目的音成分は共通に含まれますが、雑音成分は各マイクアレイで異なります(図1右)。この特性を利用し、各マイクアレイの指向性に共通に含まれる成分を見つけ出し、目的音の成分を推定します。その後、目的音以外の成分を雑音成分とみなして抑圧することで、目的音のみ強調することができます(図2)。


図1 各マイクアレイの指向性


図2 エリア収音処理

用語解説

  • 注1:マイクアレイ

    複数の全指向性マイクから構成され、信号処理により指向性を形成する。

  • 注2:ビームフォーマ

    各マイクに到達する音の時間差を利用し、指向性を形成する手法。

  • 沖電気工業株式会社は通称をOKIとします。
  • その他、本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
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