現在位置:Home > プレスリリース2012 > IPv6対応「920MHz帯無線マルチホップネットワークシステム」を販売開始


プレスリリース

2012年7月18日

IPv6対応「920MHz帯無線マルチホップネットワークシステム」を販売開始

IEEE802.15.4e/4g対応ソフトウェアライセンスも販売開始


無線ユニット(親機、子機)

OKIは、スマートグリッドやマシン・トゥ・マシン(M2M(注1))などの用途で2012年7月25日から全チャネルが利用可能になる920MHz帯(注2)を利用し、なおかつIETFで策定された国際規格である6LoWPANやIPv6/RPL(注3)などに対応した、「920MHz帯無線マルチホップネットワーク(注4)システム」を2012年8月10日から販売開始します。OKIは本システムを2012年11月より順次出荷し、今後3年間に無線ユニット数ベースで100万台の販売を目指します。さらに、920MHz無線ICチップベンダや無線装置ベンダ向けに、IEEE802.15.4e/4g(注5)に対応したソフトウェアライセンスについても8月10日から販売開始し、2012年11月から順次出荷します。

920MHz帯無線は、無線LANなどの2.4GHz帯と比較して電波の到達距離が長く障害物を回り込んで届くこと、ならびに一般に利用されている429MHz帯の特定小電力無線局と比較して高いスループットを持つことから、スマートコミュニティ、スマートハウス(注6)、スマートメーター(注7)などに用いる無線マルチホップネットワークに最適な周波数帯です。また、無線マルチホップネットワークの新たな国際規格としてIPv6対応が推進されており、スマートグリッドやM2Mに関する国際標準化団体などで検討されています。

OKIは、無線マルチホップ技術の研究開発に早くから取り組み、920MHz帯無線においても無線マルチホップネットワークの電波到達性・高信頼性・省電力・設置の容易さなど様々な実証実験を行い、検証してきました。また、無線マルチホップネットワークの通信プロトコルの標準化にも注力しており、IEEE802.15.4d(注5)の副議長やZigBee SIG-ジャパン(注8)で理事を務めるなど、中心メンバとして920MHzと無線マルチホップ関連の標準化に取り組んでいます。

今回販売を開始する商品は、ビルエネルギーマネージメント(BEMS)や、広域に配備された設備の監視・制御などを行う業者向けに、離れた位置にある機器の情報収集と制御を無線で容易に行うためのネットワークシステムです。本システムは、ネットワーク管理サーバー、無線ユニット親機、ならびに無線ユニット子機で構成され、ビルなどの単一拠点に閉じたネットワークから、屋外で広域に分散するネットワークまで、用途に応じて構築することが可能です。また、同時に販売開始するソフトウェアライセンスは、920MHz対応のIPv6無線マルチホップ標準プロトコルを提供するもので、対応機器の普及促進に貢献します。

OKIは本商品を今回販売開始することで、M2Mやエネルギーマネージメントシステムの迅速な導入と、周辺機器との相互接続性の向上をサポートし、今後もスマートコミュニティの実現に貢献してまいります。

販売計画

920MHz帯無線マルチホップネットワークシステム
販売価格
オープン
販売目標
3年間で無線ユニット(親機・子機含め)100万台
(システム販売、無線ユニット販売の合計)
出荷時期
2012年11月
920MHz帯無線マルチホップソフトウェアライセンス
販売価格
オープン
販売目標
3年間で600万ライセンス
(IEEE802.15.4e/4g MAC、IPv6の合計)
出荷時期
2012年11月

「920MHz帯無線マルチホップネットワークシステム」構成例

無線マルチホップネットワークシステムの特長

  1. 「920MHz帯無線」に対応
    • 無線LANなどの2.4GHz帯と比較して電波の到達距離が長く、また障害物を電波が回り込んで届く特性が高いため、通信距離を必要とする場合や、障害物が多い場所での利用が可能です。
    • 従来利用されてきた429MHz帯の特定小電力無線局よりも高いスループットを持ち、マルチホップシステムでの利用が可能です。
  2. 国際標準に対応
    • IEEEで標準化されたPHYレイヤ規格IEEE802.15.4gおよびMACレイヤ規格IEEE802.15.4eに準拠しています。
    • NWレイヤはIETFで標準化された6LoWPANやIPv6/RPLに対応しています。今後ZigBee IP(注3)などにも対応していく予定です。
    • 国際的に利用されている業界標準のため、多種の機器・センサーとの相互接続性を確保し、多様なサービスを創出することが可能となります。
  3. 高信頼、大規模、セキュアなネットワークシステムを実現
    • 動的な経路変更などにより、高信頼なネットワークを実現します。
    • ネットワーク管理サーバーを用い、複数ネットワークの統合管理が行えるため、大規模無線マルチホップシステムの運用が可能となります。
    • 無線ネットワークの認証、暗号化により、不正端末からのアクセスを防止します。また、端末/アプリごとの暗号化セッションに対応し、盗聴、情報漏えいを防止します。

無線ユニット概要

無線ユニット(親機・子機)概要

項目 仕様
無線インターフェース 周波数 920MHz帯(ARIB STD-T108準拠:922.3~928.1MHz)
PHY/MAC規格 PHY:IEEE802.15.4g
MAC:IEEE802.15.4および15.4e(省電力機能)
最大送信出力 20mW
伝送レート 最大100kbps(環境により異なります)
伝送距離 見通し 約1km(環境により異なります)
変調方式 GFSK
外部インターフェース RS485 ×1 または RS232C ×1
マイクロUSB ×1
ネットワーク規格 6LoWPAN、IPv6/RPLなどに対応
電源 DC5V:マイクロUSB、専用給電コネクタ
AC100V:ACアダプタを接続
環境条件 本体:-20~+60℃
最大消費電力 1W以下
外形寸法 115×56×24mm(突起物、取付プレート、アンテナ含まず)
価格 オープン価格
  • 筐体イメージ、主要諸元は今後、変更となる場合があります。
  • 無線ユニットは、親機と子機の形状は同じです。

用語解説

  • 注1:マシン・トゥ・マシン(M2M)

    M2Mとは、機械(マシン)と機械(マシン)の間で人手を介さずに行うコミュニケーションを主体としたICTシステムの総称です。スマートグリッド、電子医療、交通などの分野で、センサーや通信機能を持ったマシンが自動的に情報をやりとりして自律的な動作を行う事などが想定されています。通信手順や情報の標準化が必要となるため、ITU-TやETSI等の標準化機関で検討が始まっています。

  • 注2:920MHz帯

    日本では915.9~929.7MHzを使用する周波数帯であり、無線LAN等で主に使われている2.4GHz帯と比較して電波到達性が高いことから、海外でも同様の周波数帯がスマートメーターなどに広く利用されています。遠くまで届くだけでなく、障害物があっても回り込んで届くため、工場や病院など障害物の多い場所や、屋外での利用に向いています。日本では、2008年に制度化された950MHz帯が利用されてきましたが、920MHz帯への周波数移行で、米国やアジアと同じ周波数帯を利用できることになり、国際協調による市場の活性化が期待できます。920MHz帯は2011年12月14日に制度が改正され一部のチャネルが利用可能であり、2012年7月25日に全てのチャネルが利用可能になる予定です。今回の制度改正では送信出力も見直され、従来の10mWから、20mW(免許不要の特定小電力無線局)や250mW(簡易無線局)の利用が可能となります。

  • 注3:6LoWPAN、IPv6/RPL、ZigBee IP

    IETF(Internet Engineering Task Force:インターネット関連の標準化機関)では、IEEE802.15.4上でIPv6ネットワークを実現するために必要な技術を標準化しています。6LoWPAN(IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks)はヘッダ圧縮やパケット分割などを行う技術であり、RPL(Routing Protocol for Low power and Lossy Networks)はIPv6でマルチホップルーティングを実現する技術です。

    ZigBee Alliance(米国カルフォルニア州に所在する非営利団体)では、これらの技術を組合せて、ZigBee IPと呼ばれる無線マルチホップIPv6ネットワークの標準化を推進しています。
    IETF HP
    ZigBee Alliance HP

  • 注4:無線マルチホップネットワーク

    複数の無線通信装置を経由して、バケツリレーのようにデータを伝送する方法で構築したネットワークで、センサーネットワークなどに広く使われています。

  • 注5:IEEE802.15.4e、IEEE802.15.4g、IEEE802.15.4d

    センサーネットワークなどの無線マルチホップネットワークには、無線方式としてはIEEE802.15.4、ネットワーク方式としてZigBeeが国際標準規格として広く使われています。IEEE802.15.4は、日本の950MHz帯を利用できるようにIEEE802.15.4dと呼ばれる物理層の修正規格が追加され、OKIが中心的に審議を進めて2009年に標準化されました。スマートメーター向けの物理層の修正規格はIEEE802.15.4gと呼ばれ、2012年3月に標準化されました。また、産業向けのMAC層の修正規格もIEEE802.15.4eとして同じく2012年3月に標準化され、ルーターの省電力機能などが追加されました。

    IEEE802.15.4eでの標準化活動は、総務省の「ネットワーク統合制御システム標準化等推進事業」の成果として実施しました。

  • 注6:スマートコミュニティ、スマートハウス

    送電網への影響を抑えつつ、再生可能エネルギーの普及を目指すため、地域や家庭内のエネルギーを効率的に管理して、より快適な社会を作ることを目的とした施策がスマートコミュニティとスマートハウスです。スマートハウスでは、分電盤やスマートタップ(通信機能付き電源コンセント)で消費電力を測定し、家庭内の使用電力を見える化することにより、節電を推進するだけでなく、電力需要ピーク時に家電機器を制御して消費電力を下げたり、太陽光発電の余剰電力を蓄電池や電気自動車に蓄電し、夕方以降に利用したりする仕組みが普及していく見込みです。

  • 注7:スマートメーター

    スマートメーターは、電力、ガス、水道メーターに通信機能を持たせた次世代のメーターの総称であり、単に自動検針を行うものから、エネルギー制御を行うものまで、幅広く存在します。現在、電力各社やガス各社がスマートメーターの導入に向けて、いろいろな実証実験を進めています。

  • 注8:ZigBee SIG-ジャパン(一般社団法人 ZigBee SIGジャパン)

    ZigBee SIG-ジャパンは、ZigBeeの規格検討、策定を行っているZigBee Allianceの下部組織です。ZigBee Allianceおよび関連団体と密接に連携を取りながら、日本国内でのZigBeeに関する啓蒙活動、市場調査・普及活動を行っています。OKIは理事として運営に参画し、国内での省庁連携や普及促進活動をリードしています。

  • 沖電気工業株式会社は通称をOKIとします。
  • ZigBeeはZigBee Allianceの登録商標です。
  • その他、本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
広報部
電話:03-3501-3835
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
通信システム事業本部 新事業推進室
お問い合わせ先サイト
  • 各リリースの記載内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

ページの先頭へ