2008年6月10日
フレームメモリー内蔵監視カメラ用映像補正LSIを開発
低照度環境下での監視カメラの映像品質を飛躍的に向上

ML87V21072
OKIは、このたび、FIFO方式フレームメモリー(注1)を内蔵し、OKI独自のノイズリダクション(以下、NR)機能を搭載した監視カメラ用映像補正LSI「ML87V21072」を開発しました。「ML87V21072」は、ビデオエンコーダー機能に加え、DSP(注2)インタフェースにも対応しているため、CCDイメージセンサー用DSPに直接接続して使用することができます。また、CCDノイズを効果的に除去するOKI独自の技術により、特に低照度環境下(注3)においても、高画質な映像に補正することができます。本LSIは、CCTVカメラ、ネットワークカメラなどのビル・ホームセキュリティ機器、車載カメラ、ドライブレコーダーなどのカーセキュリティ機器に最適です。サンプル出荷は本年6月より、量産出荷は10月を予定しています。
開発の背景
近年、世界的に安全、安心に対する意識が高まっているなかで、映像監視へのニーズはますます拡大しています。それに伴い、ビル、店舗などのセキュリティ用CCTVカメラ、インターネットを利用して監視を行うネットワークカメラ、交通事故防止のため自動車の前後左右を監視する車載用カメラなどが急速に普及しています。これらの監視カメラで一般に使用されているCCDイメージセンサーには、低照度環境下で発生するノイズにより視認性が低下するという課題がありますが、既存のNR方式では、NRの強さに伴う残像の発生により、視認性を十分に改善することができませんでした。
「ML87V21072」では、従来から定評のあるOKI独自の3次元NR機能に加え、静止映像と動き映像を自動判別し各映像に最適なNRを実施する機能、明るさに応じて低照度・逆光を自動補正する機能を搭載することにより、飛躍的に視認性の高い高画質な映像を表示させることが可能となりました。
ML87V21072の概要・特徴
「ML87V21072」は、10年以上の市場実績を有するOKIのFIFO方式フレームメモリーを内蔵することにより、フレーム・フィールド・ラインの3相関による高度な3次元NRを実現しています。さらに、エッジ補償型空間フィルターを搭載しているため、3次元NRで除去しきれなかった高域ノイズも除去することができます。また、本LSIは映像が「静止」あるいは「動き」であるかを判別し、静止映像にはより強力に、動き映像には残像低減を考慮した最適なNRを実施します。さらに、NR後には明るさに応じて輝度ゲイン補正、色差補正を自動的に行う機能も搭載しています。
入力インタフェース(以下、I/F)はITU-R BT.656、510H、760HのCCDサンプリングに、出力I/FはITU-R BT.656、510H、760Hの他、内蔵ビデオエンコーダーによるアナログコンポジット信号(注4)およびS-ビデオ信号(注5)にも対応していますので、CCDイメージセンサー用DSPに直接接続することが可能です。
「ML87V21072」は、内蔵メモリーを利用して、ジャギー(注6)の発生しない高画質な静止画出力、動画の2:2プルダウン(注7)出力、映像を上下反転して出力する機能も搭載しています。
「ML87V21072」のNR機能は、監視カメラの高画質化を実現するだけでなく、MPEG-4(注8)などを使った動画映像圧縮にも、大きな効果をもたらします。動画映像を「ML87V21072」によるNRを実施した後でOKI「ML86410」などのMPEG-4エンコーダーLSIで圧縮した場合、NRを実施しなかった場合と比べてファイルサイズは約1/5に縮小されます(注9)。たとえば、本LSIをDVR(注10)に適用した場合、従来に比べて5倍近くの長時間録画が可能になります。また、MPEG-4ネットワークカメラでは、低ビットレート(注11)でありながら高画質の映像を配信することができるようになります。
「ML87V21072」のパッケージは、90ピンBGA(6.4mm×10mm)と100ピンTQFP(14mm×14mm)の2種類です。小型の90ピンBGAは、監視カメラモジュールの標準基板に搭載可能なサイズとなっています。
今後の展開
今後は、本LSIをベースに歪曲補正機能の追加、映像認識技術を採用していくことも検討し、より付加価値の高い映像補正LSI商品の開発、提供を行っていきます。
販売計画等
- 商品名
- ML87V21072
- サンプル価格
- 800円(税別)
- サンプル出荷時期
- 2008年6月
- 量産出荷予定
- 2008年10月
- 販売予定数
- 20万個/月
主な仕様
- フレームバッファ用メモリー内蔵:約8Mb FIFO
- 入力データフォーマット:8bit Y/CbCr 4:2:2, ITU-R BT.656
- 出力データフォーマット:8bit Y/CbCr 4:2:2, ITU-R BT.656
- 対応水平方向有効サンプリング数
NTSC-ITU-R BT.656:有効720 pixels /全858 pixels
NTSC-CCD-510H:有効512 pixels /全606 pixels
NTSC-CCD-760H:有効768 pixels /全910 pixels
PAL-ITU-R BT.656:有効720 pixels /全864 pixels
PAL-CCD-510H:有効512 pixels /全606 pixels
PAL-CCD-760H:有効768 pixels /全908 pixels - 3次元NR:フレーム/フィールド/ラインの3相関ノイズ検出ノイズ減算型
- ノイズリダクション自動設定:ノイズ量検出フィードバック、動画静止画判定NR切替
- エッジ補償型空間フィルターNR:動き部分のみフィルター動作、動き連動ON/OFF
- 低照度 / 逆光補正機能:輝度ゲイン補正、色差信号補正
- ジャギーレス静止画:メディアン/フレーム/フィールド出力選択可
- ジャギーレスフレーム出力機能
60i→30p(2-2pull-down) 変換、50i→25p(2-2pull-down)変換
- 垂直方向反転出力機能
- リサンプリング機能
510H系/760H CCDデジタル出力からITU-R BT.656準拠フォーマットに変換
- NTSC/PAL ビデオエンコーダー機能:コンポジット/S-Video出力
- シリアルバス
I2C-bus I/F準拠。スレーブ&マスターを搭載しマイコンレスでレジスター設定が可能
- 電源電圧:3.3V±0.3V(単一)
- パッケージ
100ピンTQFP(TQFP100-P-1414-0.5-K)、90ピンBGA(P-TFBGA90-6.4x10.0-0.65)
- 動作温度:-20~+75℃
用語解説
- 注1:FIFO方式フレームメモリー
「First-In First-Out」、基本的に先に入力されたデータから先に読み出される機能を持つ。非同期動作、入力/出力端子分離が特長。TV信号を1フィールド単位でデジタルデータとして記録し、各種の信号/画像処理に最適なメモリー。OKIのFIFOメモリーはDRAMプロセスにより実現されている。
- 注2:DSP
デジタルシグナルプロセッサー。アナログ入力信号をデジタル変換し、さまざまなデジタル処理を行うLSI。
- 注3:低照度環境下
夜間や暗い部屋などの環境。
- 注4:アナログコンポジット信号(複合映像信号)
輝度信号と色差信号、および同期信号がひとつの信号に重畳された映像信号形式。
- 注5:S-ビデオ信号
輝度信号と複合色差信号に分離された映像信号形式。輝度と色の間の干渉が少なく、コンポジット信号よりも高品質な伝送が可能。
- 注6:ジャギー
速い動きのある映像の斜め線などに現れる階段状のギザギザのこと。
- 注7:2:2 プルダウン
映像信号のデータフォーマットを、インターレースからプログレッシブに変換する機能。
- 注8:MPEG-4
映像データの圧縮方式の一つで、MPEG規格の一部。通信速度の遅い回線を通じた低画質、高圧縮率の映像の配信を目的とした規格。
- 注9:MPEG-4圧縮条件
30fps/VBR、暗所で発生する静止映像に対するノイズのOKIによる測定結果。
- 注10:DVR
Digital Video Recorder。監視映像をハードディスクに録画するシステム。
- 注11:ビットレート
データを転送する速度。1秒あたりに転送可能なビット数 (bits/sec)。
- 沖電気工業株式会社は、グローバルに認知される成長企業を目指し、通称をOKIとします。
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電話:03-5445-6027
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