2008年6月2日
世界最小ステレオオーディオCODEC LSIのサンプル出荷を開始
ポータブル機器における録音・再生音質を飛躍的に向上させる新技術を搭載

ML26121
OKIは、ポータブル機器の録音再生に最適な世界最小の16bitステレオオーディオCODEC LSI 「ML26121」のサンプル出荷を本日より開始します。OKIの超小型化を可能とするアナログ回路設計技術とW-CSP(注1)技術を用いることにより、世界最小パッケージサイズ2.96mm×2.96mmを実現しました。また、本LSIはステレオマイクを搭載した機器の性能を最大限に生かすため、従来のモノラルCODEC LSIファミリーに内蔵されていた風切音除去用フィルター、ノッチフィルター(注2)に加えて、新たに風切音除去の際に取り除かれた低音を自然に再現する音響技術、2つの近接したマイクでもステレオ感が得られる3Dサラウンド技術、および小型スピーカーからでも高音質/大音量な音声を出力できるラウドサウンド(LoudSound)技術を導入しました。
本LSIは、2008年9月より量産出荷を開始します。
開発の背景
OKIでは2007年6月に、デジタルカメラ(DSC)や電子辞書などのポータブル機器向けに超小型 モノラルCODEC LSI「ML2612ファミリー」をリリースしました。これらのアプリケーションではより高音質なステレオマイクを搭載した機種も開発されていますが、音質を向上させるためには、次のようなポータブル機器固有の技術課題がありました。
- ポータブル機器にマイクを搭載して録音する場合、風切音を目立たなくするために低音域を削除せざるをえない
- ポータブル機器では左右2つのマイクを隣接して設置するしかないため、ステレオ感を得ることが難しい
- ポータブル機器に搭載可能な小型スピーカーでは、外形サイズおよび音響設計の点から高音質で再生するのが難しい
そこでOKIでは、モノラルCODEC LSI「ML2612ファミリー」をステレオ化し、さらにこれらの課題を解決するOKI独自の音響処理技術を搭載した超小型ステレオオーディオCODEC LSI「ML26121」を開発しました。
加えて「ML26121」は、既存の「ML2612ファミリー」とソフトウエア互換性が高いため、モノラル録音に対応した従来の機器からステレオ録音に対応した機器へ簡単にアップグレードすることができます。
ML26121の特長
- 豊富な音響機能を搭載
ポータブル機器に搭載したステレオマイクで高音質な録音を実現するために、本LSIには4種類の音響機能を搭載しました。
- 5バンド ノイズ除去用ノッチフィルター
特定周波数のノイズを取り除くために使用するフィルターです。除去したいノイズの周波数は任意に設定することができます。
- 世界初 録音時の音質改善技術を搭載
マイク録音したときに損なわれる低音を復元する技術と、近接したマイクでステレオ感を得るための3Dサラウンドを複合した音響技術です。本技術により、ポータブル機器でも臨場感のある音声の録音が可能になります。
- 5バンド プログラマブルイコライザー(注3)
再生時の音響補正に使用するためのイコライザーです。イコライザーの特性は任意に設定することができます。
- 小型スピーカー用ラウドサウンド技術
小型スピーカーを効率よく使用することで音量を大きくするラウドサウンド技術を搭載しました。本技術により、従来に比べ1.5~2倍程度の音量を出力することができます。
- 5バンド ノイズ除去用ノッチフィルター
- 超小型パッケージ技術を採用
OKIの超小型パッケージ技術であるW-CSPを採用することで、音響機能を強化したステレオオーディオCODEC LSIを、2.96mm×2.96mmの世界最小パッケージで実現しました。また、本LSIはW-CSP以外に、6mm×6mm 36pin QFNも開発中です。

- デジタルマイクインタフェースを搭載
本LSIは、デジタルマイクを接続できるインタフェース回路を搭載しました。デジタルマイクはマイクに内蔵した回路で音声信号をデジタル化するため、マイクとオーディオCODECの距離が離れていた場合でも途中の信号経路で外乱ノイズが重畳されないというメリットがあります。
- 世界トップクラスの低電圧
本LSIのオーディオCODEC部は世界トップクラスの低電圧、1.65Vから動作しますので、ポータブル機器の低消費電力化が実現できます。
今後の展開
OKIは今後も小型スピーカーシステム向けのオーディオDAC LSIなど、小型、薄型パーソナルモバイルアプリケーションに向けて、豊かな音を表現できるサウンドLSI商品のラインアップを増やしていきます。なお、サウンドLSIの技術および商品に関しては、OKIのサウンドLSIのサイトをご覧ください。
ML2612ファミリーとの比較表
| ML26121 | ML2612ファミリー | |
|---|---|---|
| マイク入力 | ステレオ 1系統 | モノラル 1系統 |
| CODEC | ステレオ | モノラル |
| スピーカーアンプ | モノラル | モノラル |
| ヘッドフォンアンプ | ステレオ | 非搭載 |
| 風切音除去フィルター | 1次/2次 HPF選択可 | 2次 HPF |
| 録音時ノッチフィルター | 5バンド | 5バンド |
| 再生時プログラマブルイコライザー | 5バンド | 5バンド |
| 録音時の音質改善技術 | 搭載 | 非搭載 |
| ラウドサウンド技術 | 搭載 | 非搭載 |
販売計画
- 商品名
- ML26121HB (34pin W-CSP、2.96mm×2.96mm)
- サンプル出荷時期
- 2008年6月
- 評価ボード出荷時期
- 2008年6月
- 量産出荷時期
- 2008年9月
商品の概要/特長
- ステレオマイク入力アンプ、ステレオマイク駆動用バイアス回路
- ALC/リミッター
- ステレオCODEC
- ステレオADC SNR 92dB
- ステレオDAC SNR 95dB
- 420mW モノラル8Ωスピーカーアンプ
- 20mW ステレオヘッドフォンアンプ
- 豊富な音響機能を選択可能
- 風切音除去フィルター
- 録音時ノッチフィルター
- 再生時プログラマブルイコライザー
- 録音時の音質改善技術
- ラウドサウンド技術
- シリアル・オーディオ・インタフェース
- ボリューム、ミュート機能
- ライン入力ミキシング
- サンプリング周波数:8k、11.025k、12k、16k、22.05k、24k、32k、44.1k、48k Hz
- 駆動電圧
IO部/スピーカーアンプ部(HVDD):2.7V~3.6V
その他(LVDD):1.65V~2.75V - パッケージ
ML26121HB:34pin W-CSP(2.96mm×2.96mm)
ML26121GD:36pin QFN(6mm×6mm)(注4)
用語解説
- 注1:W-CSP(Wafer level Chip Size Package)
ウェハー状態で一括してパッケージングを行う技術。チップと全く同じ外形寸法にまでLSIパッケージを小型化できる。
- 注2:ノッチフィルター
特定周波数のゲインを減衰させることで、特定周波数のノイズを除去することができるフィルター。録音時に重畳する特定周波数のノイズを除去するために使用する。
- 注3:プログラマブルイコライザー
中心周波数、カットオフ周波数を任意に調整して設定することができるイコライザー。
- 注4:ML26121GDは開発中です。
- 沖電気工業株式会社は、グローバルに認知される成長企業を目指し、通称をOKIとします。
- 本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
- 本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
- 広報部
電話:03-3580-8950 - 本件に関するお客様からのお問い合わせ先
- シリコンソリューションカンパニー 販売本部 営業企画部 第二チーム
電話:03-5445-6027
- ※各リリースの記載内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
