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プレスリリース

2008年3月18日

世界初、毎秒160ギガビットデータの超長距離伝送に成功

地球の裏側まで大容量のデータ伝送が可能に

OKIは、独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT)のJGNⅡ(Japan Gigabit Network Ⅱ)光テストベッド(注1)を利用して、毎秒160ギガビットデータの光信号品質を380km伝送した後に復元する、光信号再生中継伝送に世界で初めて成功しました。この成果により、全国(約3,000km)はもとより、地球の裏側(約20,000km)にも毎秒160ギガビットデータの伝送が可能になります。尚、OKIは、本研究をNICTからの委託研究「λユーティリティ技術の研究開発」の一環として行っています。

一般に、光通信では、50km~100km間隔で光増幅器を設置する光信号強度再生中継伝送が行なわれています。光信号は伝送中に波形の劣化や時間ゆらぎが累積し、伝送速度が早くなるほどその伝送距離は短くなります。そのため、伝送限界に達する前に光信号を一旦電気信号に変換し、再生信号処理した後、再び光信号に変換、再送しています。しかし、電気再処理速度には限界があり、これまで一括で処理できる限界スピードは毎秒40ギガビットまでとなっていました。今後、毎秒100ギガビットを超える伝送速度を実現するためには、光/電気変換をすることなく、光信号をそのまま効率良く再生する技術が求められていました。

OKIが今回開発した光3R再生中継装置は、従来の光増幅中継機能(Re-amplification)に、光信号の波形歪を除去する波形整形機能(Re-shaping)と時間揺らぎを抑圧するタイミング再生機能(Re-timing)を加えた特殊な光中継技術を用い、理論的には毎秒200ギガビットを超える信号処理速度が実現できます。

また、光3R再生中継装置とともに、偏波モード分散と呼ばれる、光ファイバーに特有な伝送路特性の変化を自動的に補正する、偏波モード分散補償装置も開発しました。偏波モード分散とは、伝送線路光ファイバーコアの楕円化により波形歪が増長される現象で、日々の気温変動等、伝送環境に応じて時々刻々と変化します。また、伝送速度が速くなるほど、その影響を強く受けるため、毎秒40ギガビット以上の伝送システムでは、偏波モード分散補償が不可欠とされています。OKIが今回開発した偏波モード分散補償装置には、光3R中継装置の性能を十分に生かすための特別な設計を適用しました。

これらの装置を導入した光信号再生中継実験では、今回、原理的に伝送距離の制限がほぼなくなることを実証しました。これまでの研究成果では、毎秒40ギガビットや80ギガビットといった伝送速度での光3R中継伝送は報告されていましたが、毎秒160ギガビットで、しかも実フィールドでの光信号品質再生は、世界で初めてとなります。また、今回の実験で光テストベッドの折り返し数を変えて中継距離の評価・測定を行った結果、最長で380kmにまで達しました。これは、東京―大阪間であれば、一回の光3R再生中継で毎秒160ギガビットのデータを品質よく転送できる中継距離に相当します。

毎秒160ギガビットデータの光通信(映画4本分、8時間のデータを1秒で伝送)は、2010年以降に実用化が期待される新世代の超高速光通信技術です。今後、OKIでは、フィールドトライアルで得られた新たな知見を解析し、より実用レベルに近い毎秒160ギガビットデータの光3R中継装置の開発に取り組んでいきます。

尚、今回の研究成果は、3月18日から北九州学術研究都市で開催される(報告日は20日)、電子情報通信学会、総合大会で報告されます。

今回開発した技術の特長

  1. 光3R再生装置


    図 光3R再生実験の結果

    光3R再生装置は、波形再生、クロック再生、強度再生の3つの再生機能からなる装置です。強度再生は、光増幅器で実現できるため、波形再生とクロック再生が重要となります。波形再生には、高非線形光ファイバー(注2)を用いた、2段波長変換技術を適用しました。この技術により、ゼロレベルに近い信号は、よりゼロへ、1レベルに近い信号は、より1へと波形整形できます。また、クロック再生には、光3R再生装置で生成した、160ギガヘルツの光クロック信号を、波長変換された光信号を用いてデータ信号へ変換することにより実現しています。

    右図には、光信号品質を表す一つの指標であるQ値変動を伝送距離に対してプロットしました。380km伝送で、Q値は7dB以上劣化していますが、光3R再生装置を適応することにより、ほぼ送信時の光信号品質に戻っていることが分かります。

  2. 適応偏波モード分散補償装置(PMDC)


    図 適応PMD補償実験の結果

    伝送する光信号は、液晶テレビや立体映像(縦縞、横縞の立体めがね)でおなじみの縦偏波と横偏波があり、敷設光ファイバーを伝送する間に速度差が生じるといった課題があります。毎秒160ギガビットのような高速光信号の場合、隣の信号と重なってしまうことがあります。今回、偏波分離した後に速度差を補償し、再合成する高分解能偏波モード分散補償モジュールと、隣の信号と間違えることなく速度差を自動で見つけ、補償する適応補償アルゴリズムを開発しました。

    右図には、偏波モード分散量を表す一つの指標であるDOP(注3)(偏光度)を補償器入力前後(PMDC in, PMDC out)で測定した結果を示しています。3時間にわたる実験で、自動的に補償が実行されていることが分かります。

図表


図1 JGNⅡ光テストベッド、光ファイバー敷設場所


図2 実証実験の光テストベッド構成

用語解説

  • 注1:JGNⅡ(Japan Gigabit Network Ⅱ)光テストベッド(上記図1、図2)

    自前のファイバー回線を持たないメーカー、大学等の研究機関がこの種の実験を容易に行うために、次世代光ネットワーク研究開発環境であるJGNⅡネットワークを共同で利用する施設。

  • 注2:高非線形光ファイバー

    入出力の光信号が非線形に変化する光ファイバー。一般にコア径が小さく、高強度の光パルスを入力するとパルス幅は狭まり、光スペクトルは広がる傾向がある。今回の実験では、広がった光スペクトルの1部を光フィルタで切り出すことで波長変換を実現している。

  • 注3:DOP

    偏光度(degree of polarization)。光信号の偏波状態の均一性を表す指標。100%に近いほど、均一な偏波状態にあり、波形歪も小さい。

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