2007年9月26日
財団法人情報処理相互運用技術協会
沖電気工業株式会社
無線センサネットワークを活用したコンテキストアウェアネス技術によるコンビニ向け省エネ実証実験に成功
店舗全体の統合的な省エネにより消費電力5%以上の削減が可能に
財団法人情報処理相互運用技術協会(理事長:野間口 有、所在地:東京都文京区、以下INTAP)と沖電気工業株式会社(取締役社長:篠塚 勝正、本社:東京都港区、以下OKI)は、地球環境保全への積極的な取り組みを行っている株式会社エーエム・ピーエム・ジャパン(取締役社長:相澤 利彦、本社:東京都港区)の協力を得て、コンビニエンスストア(以下、コンビニ)における省エネルギー(以下、省エネ)実証実験を実施し、年間消費電力を5%強削減できることを確認しました。
両者はNEDO技術開発機構(注1)の委託事業である「デジタル情報機器の統合リモート管理基盤技術の開発」(注2)の一環として、ZigBee®(注3)などの無線センサネットワークと連携するコンテキストアウェアネス技術(注4)を活用した流通店舗向け省エネシステムの開発を進めてきており、今回の実証実験はその有効性を確認するものです。本実験成果は、CEATEC JAPAN 2007(2007年10月2日~6日、幕張メッセにて開催。展示ブース:Hall2 2A48)にて公表します。
現在、全国には47,914箇所のコンビニが存在し、年間でおよそ1906億円相当の電力が消費されています(注5)。各コンビニ事業者では、コスト削減の狙いと、京都議定書に基づく日本政府の地球温暖化対策方針に従うため、省エネへの積極的な取り組みが行われています。しかしながら、その取り組みは設備機器個々に対するものが中心となっており、店舗全体としての統合的な省エネ管理はできていないのが現状です。たとえば、管理店舗内の設備機器に対し設置場所に合わせた温度などの適切な条件を設定できていないケースも多く、また人為的なミスによる暖めすぎ・冷やしすぎなどの無駄も発生していました。
それに対し、今回INTAPとOKIが実証実験を行った省エネシステムは、個別の機器に対する省エネ制御ではなく、ZigBeeなどの無線センサネットワークから収集した、コンビニ内外のセンサデータに対して情報化を行い、状況に応じた処理を行うコンテキストアウェアネス技術を用いて、統合的に機器制御を組み合わせて効果的に省エネを実現する、新たな方式を採用しています。
本実証実験で用いた技術は、店舗内の人が感じる快適性を向上させることに着目したものです。店舗内外に設置した種々のセンサ情報を、ZigBee規格を採用したOKIのWISELINK™(注6)などの無線センサネットワークを介して収集し、快適性の指標となる温熱環境評価指数(注7)をリアルタイムに求め、店舗内の快適さを一定に保つように、温度・湿度・風速に関わる機器であるエアコンおよびファンと、照明機器を同時にリアルタイムで制御しました。(なお、照明制御はシミュレーションによる実験を実施しています。)実証実験の結果、対象とした東京都内のコンビニ店舗では、店舗内の温熱環境評価指数を快適な範囲内で保ちながら、年間消費電力を5%強削減できる省エネ効果があることが確認できました。
現在コンビニ事業者業界では多店舗展開の特性から、複数店舗の省エネ管理を統合的に行いたいとの要望も高まっています。今後、さらに省エネ効果を高める技術開発をするとともに、実証実験の成果を踏まえて、流通店舗本部から各店舗の省エネ状態を統合的に管理できる、リモート管理技術の研究開発と有効性確認のための実証実験を行い、省エネ管理サービスの実用化を図っていきます。
実証実験のシステム構成イメージ

用語解説
- 注1:NEDO
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(The New Energy and Industrial Technology Development Organization)
- 注2:「デジタル情報機器の統合リモート管理基盤技術の開発」プロジェクト
複数メーカのデジタル情報機器が混在するネットワーク環境にて、デジタル情報機器およびサービスシステムを統合的にリモート管理できるようにするための基盤技術を研究開発しているプロジェクト。ここでの成果をベースに、情報家電サービス基盤フォーラムが共通プラットフォーム化のための仕様策定と標準化を推進している。
- 注3:ZigBee
短距離無線通信規格の一つ。低速で伝送距離も短いが、代わりに省電力で低コストという利点がある。家庭の場合、照明からホームセキュリティシステムまで、すべてを無線でコントロール可能なネットワークを構築できるようになる。物理層のインターフェースにはIEEE 802.15.4が使われ、無線LAN規格のIEEE 802.11bと同じ2.4GHz帯の周波数帯域を16のチャンネルに分割して利用する。データ転送速度は最大250kbps、伝送距離は屋内30m / 屋外70m、一つのネットワークに最大約64,000個の機器を接続できる。
- 注4:コンテキストアウェアネス技術(Context Awareness)
ユーザが置かれた状況を表す情報をコンピュータが能動的に収集・処理し、状況に応じた処理を行う技術。
- 注5:東京都環境局 都市地球環境部 計画調整課「コンビニエンスストアの省エネルギー対策、平成19年度3月作成」資料に基づき、算出(1kWh=23円)した金額。
- 注6:WISELINK
ZigBeeとセンサ付RFIDの2つの技術を統合した、OKIの無線プラットフォーム商品群の商標。センサネットワークのインフラとして、安心で快適なユビキタスサービスの実現と普及への貢献を目指している。
- 注7:温熱環境評価指数(PMV(Predicted Mean Vote),予測温冷感申告, ISO7730)
人体の熱的快適感は室温、平均放射温度、相対湿度、平均風速の4つの環境要素と2つの人間側の要素である在室者の着衣量と作業量に関係しており、その複合効果を快適方程式によって算出して、人間がその時暖かいと感じるか、寒いと感じるかを7段階による数値で表している。
- 沖電気工業株式会社は、グローバルに認知される成長企業を目指し、通称を「OKI」とします。
- WISELINKは、沖電気工業株式会社の商標です。
- ZigBeeは、Koninklijke Philips Electronics N. V.の登録商標です。
- その他、記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
- 本件に関する報道機関からのお問合せ先
- 沖電気工業株式会社 広報部
電話:03-3580-8950 - 財団法人情報処理相互運用技術協会 技術部
電話:03-5977-1301 - 本件に関するお客様からのお問合せ先
- 沖電気工業株式会社 情報通信G インキュベーション本部
電話:048-431-2719
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