小岩一郎
岡田幸久
金原隆雄
加藤博代
海部勝晶
アルコキシドを出発原料とした強誘電体メモリ用SrBi2Ta2O9(SBT)強誘電体薄膜において,その結晶化過程,配向性制御,組成の化学量論値化を検討した。SBT膜の結晶化は650℃以上,強誘電性は700℃以上の熱処理により生じ,800℃で熱処理することによりヒステリシス曲線の角形性が向上する。配向性はSr原料により制御でき,残留分極量はc軸配向性が高い方が低い値を示すことが明らかとなった。通常,Biを化学量論値から過剰に加えるのはBi層状化合物の結晶化を容易にするためであることがわかった。形成溶液の改良により,過剰Biが少ない化学量論に近い膜でも,良好な特性が得られることが明らかとなった。我々が,独自に開発したSBT薄膜は,強誘電体メモリとして有望である。
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