引間寿夫
マルチメディア技術の飛躍的な進歩により,圧縮した動画の伝送が普及してきている。このための国際標準として,ITU-Tが1996年に制定したH.263がある。H.263は既存の電話網などの低速度の通信網から,LANなどの高速度の通信網まで適用可能な動画圧縮技術である。
筆者らは,H.263に準拠し,小型化,低価格化,低消費電力化を目指し,主に低ビットレートでの適用を想定した画像圧縮伸張LSI(VCEM)を開発した。VCEMでは,H.263で最も処理が多い動き検出の演算量を従来の50分の1にした手法を採用するなどの改良により,動き検出およびDCT,IDCT処理を1チップで処理することを可能とした。VCEMとマイクロコントローラ1個,16MbitシンクロナスDRAM1個を組み合わせることにより,安価に,かつ小面積で動画像圧縮伸張のシステムを構成することが可能となる。
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