人工格子は自然界に存在しない物質を作製し, 新しい機能性や高
性能化を実現する技術であり, 材料開発の中心的役割を担う。人工
格子の特性を引き出すためには, 原子レベルでの構造制御が不可欠
であり, 実際に作製した材料の構造を知ることは高性能化への指針
となる。我々は, X線回折法による構造評価技術を確立し, 固溶およ
び非固溶系の人工格子の解析を行った。その結果, 積層周期長のゆ
らぎは, 2種類の人工格子とも約0.5原子層であり同程度の高い周
期性を有しているが, 界面合金層は, 固溶系は3.5原子層, 非固溶系
は2.0原子層と状態系の違いを反映した結果となった。また, 人工
格子磁性材料の研究において, 現在最も注目を集めている巨大磁気
抵抗に関する検討を行い, 約20%の非常に大きな磁気抵抗変化を得
た。さらに, 高感度のスピン・バルブ型人工格子による磁気ストラ
イプ情報の読み取り試験を行い, 良好な再生結果を得た。
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