生物には, フラクタルやカオスといった非線形系特有な現象が広く
観察される。本研究では, 小脳のプルキンエ細胞における樹状突起の
発生パターンと細胞内電位の発火パターンの2種のパターンに対して
フラクタル・カオス論的解析法を確立した。前者では, 発生段階にお
ける樹状突起の複雑さの変化をフラクタル次元で評価し, 樹状突起が
成熟していく過程を定量化することができた。後者では, 電位発火パ
ターンを生成する多数のイオンチャネル間における秩序性をフラクタ
ル次元で評価し, そこに見られる高い秩序性を定量化することができ
た。
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