PE法は, 水平方向に水温分布や水深が変化する海洋中の音波伝搬
特性を, 波動理論に基づき計算する手法である。遠距離伝搬では大
きな俯仰角の音波の寄与が無視できるとしていくつかの近似を用い,
波動方程式を取り扱いやすい形にしている。
本稿では, PE法を用いてパルス状の時間波形を解析し, 伝搬時間
の誤差について評価を行った。その結果, 次のことがわかった。
(1)伝搬時間の誤差は水平方向の差分刻み幅のほぼ2乗に比例して
増大する。(2)伝搬波の水平方向波数と放物近似における基準波数
との差が大きくなるに従い, 3次関数に近い傾向で, 伝搬時間の誤
差が増大する。
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