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導入事例

2016年11月22日

株式会社富士通テレコムネットワークス福島様

SMT用メタルマスクの洗浄を手動から全自動へ移行
独自方式のOCM「ACTシリーズ」で高効率・高品質な作業を実現

SMT(Surface Mount Technology=表面実装技術)による基板製造に必ず付随するはんだ印刷用マスク(版)の洗浄作業は、自動化にかかるコストへの懸念がハードルとなり、いまだ“手作業”という工場も少なくありません。しかし、人手ゆえの作業負荷の重さ、洗浄剤を直接扱うことによる作業者の健康あるいは環境への影響が課題となっているのも確かです。

富士通グループでパワーエレクトロニクス事業を担っている株式会社富士通テレコムネットワークス福島様(以下、富士通テレコムネットワークス福島様)は、自社工場のこうした課題を解消すべく、OKIコミュニケーションシステムズ(以下、OCM)の「ACTシリーズ」を導入。SMT用メタルマスク洗浄作業の高効率化と高品質化を実現しました。


富士通テレコムネットワークス福島
常務取締役 兼 製造統括部長
前田 仁 氏

富士通テレコムネットワークス福島様は、鎌倉時代に始まった流鏑馬(やぶさめ)が伝統行事として知られ『流鏑馬の里』をキャッチフレーズに掲げる福島県・古殿町(ふるどのまち)に本社工場を構えます。

そもそもは1985年に開設された旧・富士通電装の古殿工場が出発点で、情報通信機器や産業機械向けの電源関連製品、蓄電池(二次電池)(注1)評価システムなどの受託製造を長年にわたり手がけてきました。蓄電池の研究・開発用蓄電池評価システムの企画・開発から製造、販売、導入支援、運用保守・保全、さらに電源装置・蓄電池の評価代行などBPOサービスと従来からの大型電源製品の製造により、パワーエレクトロニクス関連分野をトータルにカバーする事業会社へと飛躍しています。

常務取締役 兼 製造統括部長の前田 仁氏は、「従来からの事業基盤をベースにエネルギー課題が変わっていく中でパワーエレクトロニクス新領域で、ビジネス拡大を図っていく考えです」と、今後の方向性を語ります。

背景・導入目的

メタルマスクの手洗い作業に種々のリスクを懸念


富士通テレコムネットワークス福島
製造統括部 製造部
担当部長(生産革新)
須藤 裕男 氏

同社では、受託製品・自社開発製品ともに制御用基板の製造からの一貫した生産体制を整えています。その基板製造のSMTによる部品実装工程において、はんだ印刷に用いたメタルマスクの洗浄は、従来、手作業で行っていました。

「実は過去に某メーカーのメタルマスク洗浄装置を運用していたのですが、故障してしまったため、やむなく手洗いに切り替えました」と、製造統括部 製造部長の小平 晴夫氏は経緯を説明します。ちょうど共晶はんだから鉛フリーはんだへの切り替えが進んでいた時期で、共晶はんだ用として使っていた洗浄装置は鉛フリーはんだの環境では使えないこと、またメタルマスク洗浄装置が設備投資の対象として決して優先度が高くないことから、装置の修理やリプレースを検討するにはいたりませんでした。

自動から手動に移行して、作業現場の負荷は当然ながら重くなりました。加えて、製造部 担当部長(生産革新)の須藤 裕男氏は、「スプレータイプの洗浄液を用いていたため、液の飛散による作業者の健康被害、環境への影響、さらには揮発性であるため万が一の発火危険などの懸念もありました」と話します。

新社長の後押しで自動化への再転換を決定


富士通テレコムネットワークス福島
製造統括部 製造部長
小平 晴夫 氏

手洗いから再び自動洗浄へと転換するきっかけは、2015年10月、新社長に就任した井上 保氏の後押しでした。井上氏は以前から、OCMのメタルマスク洗浄装置「ACTシリーズ」が富士通グループの他工場に導入され、高評価を得ていることを知っていました。

社長就任後まもなく、OCMの営業担当者の訪問を受けた井上氏は、自社で洗浄装置が使われていないことを疑問視し、導入を検討するよう指示したそうです。「すぐに製品の仕様などをチェックし、導入している工場へのヒアリングも行い、正式採用へ向けてスムーズに事は進んでいきました」と小平氏は話します。

こうして、2015年末までにSMTメタルマスク専用の洗浄装置「ACT100Mタイプ」を導入機種に決定。翌年1月に設置し運用を開始しました。

導入製品のポイント

版枠に影響を与えない「密閉部分洗浄方式」に着目

「ACTシリーズ」は、版の汚れた部分のみを洗浄する独自の「密閉部分洗浄方式」を採用している点が大きな特徴です。版枠に洗浄液がかからないため、テンションが緩んだり、マスクの接着部分が剥がれるといったトラブルを回避。密閉した範囲をスイングノズルによる高圧シャワーで洗浄するので洗浄能力が非常に高いうえ、洗浄液の消費量も抑えられます。

小平氏によれば、他工場の評価としては洗浄後の乾燥が短時間で済むこと、独特な洗浄方法で版が壊れないことの2点が特に強調されていました。「ACT100Mタイプ」は、このほかにワンボタンで洗浄から乾燥まで自動運転で進められることや、メンテナンスの容易性もポイントにあげられます。

導入効果・今後の展望

マスク洗浄作業の時短とともに基板製造自体の品質向上にも貢献


富士通テレコムネットワークス福島
製造統括部 製造部 ユニット製造
SMTグループ 川音 俊子 氏

富士通テレコムネットワーク福島様の基板実装作業は、ロット生産が中心のため、はんだ印刷の版替え・メタルマスク洗浄作業が1日に6、7回、発生します。

製造統括部 製造部 ユニット製造 SMTグループの川音 俊子氏は、洗浄作業の変化について次のように話します。「印刷終了後にマスクに残ったはんだをヘラで落とし、洗浄装置に入れてボタンを押せば、もう次の作業に取りかかることができます。以前は、吹きかけた洗浄液を馴染ませるために数分間待ってから拭きとっていました。自動洗浄になって、1枚にかかる手間は明らかに減り、10分程度は短くなったと思います」。さらに、洗浄後に保管していたマスクを次に使う際、以前は念のために再洗浄(手洗い約10分)していましたが、今はその作業をすることなく印刷工程に入れるようになり、ここでも時間短縮が実現できています。

洗浄力に関しても、「手洗いでは、マスクの開口部の角に微小な汚れが残ってしまうことがありましたが、この課題も解決されました。印刷のオペレーターからは『以前よりも仕上がりがきれいになった、実装後のはんだ手直し作業も激減した』との声も届いています」(川音氏)と、高評価を得ています。その効果について須藤氏は、「マスクの目詰まりによる未はんだ・はんだ不足がなくなり、基板製造の品質自体の向上、手直し工数削減につながります」と付け加えます。

小平氏は、過去に使っていた洗浄装置との比較で「洗浄液の消費量が少ないので、運用コストの面でもメリットを得られます」と語ります。

そして前田氏は、メーカーへの期待として次のような言葉で締めくくっています。「今後、基板実装作業の変更などによって、マスク洗浄装置に対して新たな要望が出てくる可能性もあります。運用上の細かなニーズも含め、OCMにいろいろと相談していきたいので、前向きで柔軟なサポートをしてほしいと思っています」。


導入製品
メタルマスク専用洗浄装置「ACT100M」

用語解説

  • 注1:二次電池

    蓄電池の呼称。化学反応を利用して電気エネルギーを直流放電で取り出すもの。二次電池とは放電後、電気エネルギー(直流)を外部から印加することで可逆反応が起こり、電気エネルギーを再度蓄える(充電)ことができ、充放電を繰り返すことができる。

株式会社富士通テレコムネットワークス福島様 概要

社名 株式会社富士通テレコムネットワークス福島
本社所在地 福島県石川郡古殿町松川大作50
代表者 井上 保 代表取締役社長
設立 1999年10月1日
事業内容 蓄電池評価システムの企画・開発、製造販売・保守およびパワーエレクトロニクス機器製造
ホームページ http://www.fujitsu.com/jp/ftnf/

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