導入事例

OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。

企業情報

日産自動車株式会社 様

所在地
神奈川県横浜市西区高島一丁目1
代表者
Carlos Ghosn(カルロス・ゴーン) 社長兼CEO
創立
1933年12月26日
資本金
6,058億1,300万円(2013年6月末現在)
従業員数
2万3,605名(単独ベース、2013年6月末現在)
事業内容
自動車・船舶の製造、販売および関連事業
ホームページ
公式サイト
詳細を開く
お問い合わせ

自動車の品質・信頼性を半導体などの電子部品から追及
「LSIプロセス診断」の活用で高品質かつ競争力ある車載電子システムを実現

日産テクニカルセンター

自動車の品質向上に関わる重要な要因の1つとなった電子部品――。日産自動車株式会社様(以下、日産自動車様)は、各種の車載システム・機器に使われる電子部品の品質確保も自らの責務と位置付け、新車開発などの際に信頼性の評価を行っています。その具体的な作業に、OKIエンジニアリングが提供する良品解析サービス「LSIプロセス診断」を活用。自社内では解析が難しい先端技術のLSIプロセスに関して、同サービスによって得られた定量的な診断結果をもとに半導体メーカーへ改善を促すことで、高品質かつ競争力のある電子システムを実現しています。

詳細

002-14TDI_ROGmyu002-large

安全性や快適さを追求して進化を続ける自動車は、性能・機能の向上やガソリン車からハイブリッド車、電気自動車へのシフトなどによって電子技術の活用範囲が広がり、それに伴い電子部品の実装数も増えてきました。いまや自動車のあらゆる部分を支えている電子部品は、自動車の品質を左右するキーファクターになっています。

世界160以上の国や地域で製品・サービスを提供する日産自動車様は、かねてから自社製品に搭載する各種システム・機器の電子部品にも目を向け、その品質を実現するための信頼性評価を製品開発における重要な業務の1つとして取り組んできました。


第一電子技術開発本部
電子アーキテクチャ開発部
電子信頼性評価グループ
主担 嶺 竜太郎 氏

実は、同社が製品の開発・製造に際して直接取引するのは「Tier1(ティアワン)」と呼ばれる車載システム・機器の一次サプライヤーで、電子部品メーカーとはサプライチェーン上で数段の距離があります。それでも部品レベルの品質確保を自らの責務と位置付けるのは、「具体的な故障につながればお客様に多大なご迷惑をかけることになるからです。しかも、電子部品は複数の車種で共通して使用しているケースも多いので、不具合があれば当社にとっても非常に大きな痛手となります」と、第一電子技術開発本部 電子アーキテクチャ開発部 電子信頼性評価グループ主担の嶺(みね) 竜太郎氏は説明します。

同社は、日本を含めた世界20カ国に生産拠点を、日本を中心に世界14カ国に開発拠点を有しています。また、2011年度から6カ年にわたる中期経営計画「日産パワー88」の中で、平均6週間ごとに1車種の新型車投入や90以上の新たな先進技術の搭載、メキシコやブラジルをはじめとする海外の新工場稼働などの施策も着実に進めています。こうしたグローバルな“モノづくり”体制と市場戦略を展開する中で、嶺氏は「日産が目指す品質を世界のマーケットのお客様に届けるために、『電子信頼性で世界一を目指す』をミッションとする私どものグループの果たす役割も非常に大きいと認識しています」と語ります。

背景・導入目的

先端LSIの評価にかかる時間を重視し良品解析のアウトソーシング化を決断

新車の開発時などに実施する電子部品の信頼性評価では、様々なストレスを模擬した信頼性試験で実施されます。さらに実物をきめ細かく検査し、その結果から品質を判断する「良品解析」という手法も用います。この作業を長年にわたり社内で進めてきた日産自動車様は、さらなる効率化・合理化を図るべく、2008年にアウトソーシングへ移行することを決断。具体的なサービスとしてOKIエンジニアリングの提供する「LSIプロセス診断」を採用しました。

その背景について、嶺氏は次のように話します。「自社製品の競争力を高めていくには、先進的なLSIを積極的に採用することが有効な手段の1つとなります。ただ、先端のLSIは品質調査の実績や文献などが乏しく、社内でスキルを蓄積して良品解析を行うのは非常に困難です。新車の立ち上げに支障をきたさないようにLSIの信頼性評価をスピーディーに進めるためには、高度なスキルと豊富なデータを有する社外のリソースをうまく活用していく必要がありました」。

膨大なデータベースに裏付けされた診断内容を高評価

「LSIプロセス診断」は、半導体の開封調査、観察・分析、非破壊観察、X線透視解析などを行うことで、電気的特性上は良品と判定されるLSIの潜在的な欠陥の有無を洗い出すものです。検査で得られたデータを、OKIエンジニアリングの豊富な解析事例や各種文献から導き出した独自の評価項目と判断基準で診断・採点し、品質改善へのアドバイスも提供します。


良品構造解析診断例・LSIプロセス診断例フロー図

嶺氏は、「解析結果について誰もが理解できる定量的な評価と、製品の量産時に生じる具体的な品質リスクを提示してくれることに大きなメリットを感じています。OKIエンジニアリングの実績をもとにした膨大なデータベースがあるからこそ、このような適切な診断ができるのだと思います」と、評価ポイントを語ります。

活用のポイント・導入効果

説得力のある定量評価の提示で改善に向けたやり取りもスムーズ

「LSIプロセス診断」によって解析を行っている電子部品は、エンジンやブレーキなどの走行制御系をはじめ、カーナビや運転支援などさまざまな用途におよび、また車室内外の広範な部位で使われています。

まずは各種車載システムに使われる電子部品の製造元、プロセス技術、使用実績などを調査したうえで、当社製品に採用する可能性のあるものについてOKIエンジニアリングに解析を依頼します。そして、診断によって得られた画像付きの解析結果や定量評価をもとに、一次サプライヤーを通じて改善要求を提示すると、部品メーカー側で修正に向けた具体的な作業が動き出します。「使用する部品への懸念を説得力のある定量評価を見せて話をするので、相手側とも共通認識を持ちやすいのだと感じています」と、嶺氏は話します。

莫大な損失につながりかねない品質リスクの回避に貢献

日産自動車様が「LSIプロセス診断」でチェックした膨大な数の電子部品の中で、実際に製造元が品質改善を行ったものは必ずしも多くはなく、抽出された品質懸念が、半導体メーカーとの検証で“問題なし”と結論づけられたケースもあるそうです。

ただ、嶺氏は、「改善が必要な欠陥を1件でも見逃せば莫大な損失を生み、お客様の信頼を一気に失う可能性もあるわけです。そう考えれば、『LSIプロセス診断』を活用することで、電子部品に関する品質面のリスクを回避できていることに大きな意義があります」と語ります。さらに、「半導体の製造工程からすると、一定の割合で潜在欠陥が出あるのは避けられないことですが、その欠陥が最終製品である自動車の機能・性能に関わる問題、お客様にご迷惑をかける不具合として顕在化しないように設計、品質を作り込むことが非常に重要です。経験のない微細プロセスや、未知の半導体メーカーの部品に対する効率的な良品解析には、多数の実績に裏打ちされた『LSIプロセス診断』が最適です」と付け加えます。

今後の展望

サプライヤー側の品質向上に対する意識改革も後押し

日産自動車様では今後も、高品質かつ競争力のあるシステムを提供するために欠かせない工程として、「LSIプロセス診断」を継続的に活用していく考えです。

同時に、機器・システムのサプライヤー側の品質に対する意識改革も進めたい意向です。嶺氏は、「LSIを購入している機器・システムサプライヤーにこそ、良品解析に取り組んでほしいという想いがあります。すでに一次サプライヤーの中には、LSIプロセス診断の定量評価をもとに話し合いをしたことをきっかけに、品質向上への具体的な行動を起こした企業もあります」と明かします。

また、半導体業界の動向として、先端のLSIプロセスの生産が海外にシフトしていること、旧世代のLSIプロセスを海外の新興メーカーが製造し始めていることの2点を捉えて、嶺氏は「今後のサプライチェーンに何らかの変化が起こる可能性を考えると、良品解析の対象範囲や、診断結果の重要度も変わっていくかもしれません」と語り、「LSIプロセス診断」の利用価値の高まりも示唆します。

OKIエンジニアリングに対しては「センシングデバイスでの利用が増えているMEMS(Micro Electro Mechanical Systems=:微小電気機械システム)や、拡大する電気自動車や自動運転を支えるパワー半導体に関しても解析実績と知見をさらに積み重ねていただきたい」と、さらなる期待をかけています。

信頼性評価の対応分野と技術ソリューション

導入事例関連リンク

導入事例に関するお問い合わせ先

ご質問・ご意見等がございましたら、以下のフォームよりお問い合わせください。
導入事例お問い合わせフォーム
  • 記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
  • 各導入事例の記載内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

2015年1月20日

ページの先頭へ

お問い合わせ

Special Contents

      • YouTube

      お問い合わせ

      お問い合わせ