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導入事例

2013年4月15日

クオールアシスト株式会社様

常時接続型多地点コミュニケーションシステム「ワークウェルコミュニケータ®」で重度障害者の在宅勤務を支える

在宅勤務の様子

調剤薬局事業を全国展開するクオール株式会社様の特例子会社(注1)で、重度障害者の在宅雇用を行っているクオールアシスト株式会社様(以下、クオールアシスト様)は、全国各地の在宅社員が手軽に連絡・情報交換できる仕組みとして、OKIの特例子会社であるOKIワークウェル(以下、OWW)が独立行政法人情報通信研究機構(NICT)からの助成金とOKI 研究開発センタからの技術協力を受けて開発した在宅勤務向け多地点音声コミュニケーションシステム「ワークウェルコミュニケータ®」を導入。ミーティングでの情報共有やスキルアップ研修などで確かな成果を上げるとともに、在宅社員の孤立感を軽減する効果も表れています。


クオールアシスト株式会社
取締役 在宅事業部 部長
障害者職業生活相談員
青木 英氏

障害者の経済的自立・社会参加を後押しするため、障害者雇用促進法では、一定規模の事業主に対して法定雇用率以上の割合で障害者を雇用することを義務付けています。この法定雇用率が2013年4月1日から引き上げられ、民間企業では1.8%から2.0%となりました。

2009年2月に調剤薬局業界初の特例子会社として設立されたクオールアシスト様は、当初から重度障害者が活躍できる場として在宅勤務による事業環境を整備してきました。全国各地で暮らす26名の在宅社員(2013年4月1日現在)は、リハビリや通院など個々の事情を考慮して1日6~8時間の勤務時間を設定し、親会社の就労管理業務のほか、スキルに応じてアンケート集計をはじめとしたデータ入力、イラストデザイン、Web制作を担当しています。

取締役 在宅事業部部長で障害者職業生活相談員の資格を持つ青木英氏は「全員が担当する基本業務は、全国のクオール薬局のスタッフの勤務シフトデータを入力する作業で、各店舗の担当者と当社の在宅社員が直接連絡をとりながら行っています。また、データ入力、イラストデザイン、Web制作では、依頼内容や進捗状況などの情報を社員間で共有し、連携して作業を進めていきます」と説明します。同社の業務では、在宅社員と外部とのコミュニケーションが欠かせない要素となっているわけです。

背景・導入目的

音声に特化したシステムは在宅勤務に最適

クオールアシスト様では会社設立前からOWWとコンタクトを取り、障害者の在宅雇用に関する情報を収集する中で「ワークウェルコミュニケータ」を紹介されました。「障害者を在宅で雇用するうえで課題となるのは、勤務管理と家族の支援も含めた就労環境の整備です。そこで、業種は違いますが特例子会社として在宅雇用にいち早く取り組んだOWWから、ノウハウを学ぼうと考えたのです」と、青木氏は振り返ります。

「ワークウェルコミュニケータ」は、在宅勤務者の増加に伴って電話や電子メールだけでは効率的な業務遂行が難しくなっていたOWW自身が開発に関わり、日常的に使用しているテレワークシステムです。在宅で勤務する場合は、映像よりも音声によるコミュニケーションが有効であることに着目し、音声通話に機能を特化させた点が大きな特長です。


「ワークウェルコミュニケータ」
ユーザー画面

システム内にコミュニケーションの場として1つの共有ルームと6つの仮想会議室を設けており、マイクを通して声を掛け合うことで勤務(ログイン)中の社員全員あるいは各会議出席者間でタイムリーな情報共有を実現できます。ユーザー画面は障害者の使い勝手を十分考慮し、マウス操作が困難な人や視聴覚障害者も使用できるようボタン操作をテンキーに対応させました。また、発声の困難な人のコミュニケーションを支援する機能として、標準的な会話文を登録した自動発声ツールも用意しています。

青木氏は「在宅勤務者向けのテレワークシステムでは、自宅の中を見られてしまう映像通信は不要だと考えていました。また、円滑な業務遂行には、オフィスの会議室に集まるのと同じように、メンバーが自由に会話できる場(仮想会議室)を複数使えることが、不可欠とも思っていました。シンプルで価格も手ごろな『ワークウェルコミュニケータ』は、当社にピッタリだと即断しました」と語ります。

システム概要・導入ポイント

システム導入に合わせて社員の意識啓蒙にも注力

自社に合った「ワークウェルコミュニケータ」の導入・運用形態について検討を重ねた結果、システムは社内サーバーではなくクラウド型(ASPサービス)で運用し、社員間の結びつきを深めるツールとして利用上の制限を厳しく設けないことなどを決めました。

さらに、システムを利用する社員の意識啓蒙にも力を入れました。「重度障害を持つ社員は、どうしても社会と接する機会が少なくなりがちなため、会話において発信力・受容力・質問力・回答力の4つを強く意識するように、『最初はできなくてもいい、時間がかかってもいいから、相手がすぐに理解できる言葉を選んで会話できる力を身に付けよう』と促しました」(青木氏)。

こうして数ヶ月の試行期間を経て、種々の準備を整え、2010年後半から本格的な運用を開始しました。

複数の会議室を活かしマンツーマンOJTを並行して実施

クオールアシスト様では「ワークウェルコミュニケータ」を主に2つのシーンで活用しています。

まず、データ入力・イラストデザイン・Web制作の各業務グループで週1回ないし隔週に行うミーティング、および月1回開催している全体ミーティングです。この場では、受注業務ごとの作業担当者や進捗状況などを確認しているほか、「業務に用いる新しいツールの使い方やノウハウを習得した社員が他のメンバーにレクチャーしたり、業務で感じた疑問や問題について議論したり、時には社員個々の居住地域や身の回りのことを話題にした雑談で盛り上がることもあります」(青木氏)。

もう1つは、2012年春からスタートしたOJT(On the Job Training)です。同社では4月に定期採用した在宅勤務者への教育に「ワークウェルコミュニケータ」を利用し、複数の仮想会議室を活用することで、マンツーマン形式OJTを複数の在宅社員に並行して実施できました。

このほかに、会社説明会およびセミナー、年1回開催する社員総会後の懇親会においてユニークな使い方をしています。前者では、会場に持ち込んだノートPCから「ワークウェルコミュニケータ」を介して参加者と在宅社員が直接会話する機会を設け、在宅勤務に対する理解を深めてもらうことに役立てています。後者では、懇親会に出席できない社員と「ワークウェルコミュニケータ」で会話をしながら会場の様子を伝え、イベントに参加している気分を味わってもらうことができたそうです。

導入効果・今後の展望

スキルアップ施策への活用成果でテレワーク推進賞を2年連続受賞

青木氏は「ワークウェルコミュニケータ」について「シンプルな使い方ができるのがいい」と評し、次のように続けます。「当社では、少ないシンプルな機能によって社員が最大限の力を発揮してくれることが、システム導入の最も理想的な形だと考え、重度障害者も使用することを前提にOWWに最適な運用を相談しました。結果として『ワークウェルコミュニケータ』を利用することで、社員のコミュニケーション力や会話力が確実に向上しています」。

実際に使用している在宅勤務者からも「出勤して仕事をしている感覚を得られる」「働いていると強く実感できる」「孤独感がない」といった高い評価が返ってきているそうです。

こうした成果は、テレワークの観点からも高評価を受けており、社団法人日本テレワーク協会が主催する「テレワーク推進賞」において、2012年の優秀賞に続き、2013年も「テレワークを利用した重度障害者のOJTと業務スキル向上について」というテーマで奨励賞を受賞しています。

ノウハウ・スキル共有の促進に向け技術講習会の定例化を計画

青木氏は「ワークウェルコミュニケータ」の今後の活用について、「社員のスキルアップにもっと役立てていきたい」と話します。具体的には「技術講習会」の定例化を計画しています。現在の主軸であるマンツーマンOJTだけでなく、講師1人が複数の受講者にレクチャーする教育研修を継続的に開催することで、在宅社員のノウハウ共有、スキルの底上げを進めようという狙いです。

また、東日本大震災の経験を踏まえて、緊急時における在宅社員の安否確認、災害発生後の事業継続のためのツールとしても、その有効な活用方法を検討していく考えです。

最後に青木氏は、障害者雇用に積極的に取り組む企業に対して「法定雇用率の引き上げに伴って人員増を図ろうとすると、在宅雇用の場合は採用地域を広げることになります。そうしたときに、勤務管理だけでなく、在宅勤務社員の孤独感を払拭しモチベーションを維持するためにも、コミュニケーション環境をきちんと整備する必要があります」とメッセージを送っています。

システムの概要

クオールアシスト株式会社様 概要

社名 クオールアシスト株式会社
所在地 東京都新宿区四谷1-17
代表者 宮澤 聰一 代表取締役社長
設立 2009年2月
従業員数 30名(うち在宅勤務者26名、2013年4月1日現在)
事業内容 データ入力業務、各種ポスター・チラシ制作、名刺制作・印刷、ホームページ制作、コンサルティング業務
ホームページ http://www.qol-assist.co.jp

用語解説

  • 注1:特例子会社

    「障害者雇用促進法」に基づき、障害者の雇用の促進および安定を図るため、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をして設立した子会社。一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる。

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