2011年10月17日
秋田キャッスルホテル様
IP-PBXとFMCサービスの連携で新たな音声通信インフラを構築
携帯電話への内線利用拡大により業務効率化・通話コスト3割減を実現

秋田キャッスルホテル様 外観
秋田県秋田市の老舗シティホテルである秋田キャッスルホテル様(運営会社:秋田ビル株式会社様)は、老朽化したPBXの更新を機に、館内・館外を問わずスムーズな電話連絡を可能にするFMCサービス(注1)に着目。従来から利用しているOKIの商品で、充実したホテル機能を備えたIP-PBX「DISCOVERY01®」とFMCサービスを組み合わせた新しい音声通信システムを導入しました。
“携帯電話端末の内線化”により業務効率は大幅に向上。さらにNTT東日本の「ひかり電話サービス」の利用効果もあって、年間で約3割の通話コスト削減が見込まれています。

秋田キャッスルホテル様は、開業から41年を数える秋田市の老舗シティホテルです。皇室の指定宿泊先や全国知事会議の開催場所として利用されるなど、格式と上質なホスピタリティが高く評価されています。
一方で“地元に根ざした環境づくり”も重視し、宿泊以外の目的でも地元の方が気軽に利用できる施設として、各種テナント店舗やメディカルモール(医療施設)などを館内に設置しています。
2011年1月からは「真心は、変わらない。快適は、変わりつづける。」をコンセプトにした全館リニューアルに取り組んでおり、この11月の完了を目指して作業が進められています。取締役社長で総支配人の沢井修氏は、「より上質なサービスとさらなる安全・安心の提供を追求しようというのが全館リニューアルの目的です。具体的には、建物の耐震性能強化とともに、地球環境にも配慮し、エネルギー消費量を25%削減しつつ快適な空間を提供する『エコホテル』を実現します」と語ります。
そして、この全館リニューアルとほぼ同じタイミングで、長期間運用を続けてきた音声通信システムの見直しも実施されました。
背景・導入目的
モバイル端末の利用環境が業務効率化の妨げに
秋田キャッスルホテル様では開業当初から、OKIの販売パートナーである秋田電話工業株式会社を通じてOKI製PBXを中核とした音声通信システムを構築・運用してきました。
更新前のPBXは導入から10年以上を経て、メーカー保証期間も部品などの耐用年数も過ぎていました。このような状態では、老朽化に伴う障害も発生しやすくなるうえ、復旧にも相当な時間がかかるため、業務遂行上のリスクも高まります。また、業務効率化やコスト削減につながるような最新の技術・サービスを取り込めないという課題もあります。
総支配人室 部長の西村一英氏は、「旧システムを運用する中で改善したいと思っていたこともありました。その1つが、館内業務用のPHSと外出時に使う携帯電話の2台のモバイル端末を持ち歩き、使い分けなければならないことでした」と話します。
実際には、携帯電話は社員個々の私用端末を利用し、業務で通話した分の料金を会社側が負担する仕組みにしていましたが、さらに「外出の多い営業マンに連絡を取る際には携帯電話にかけていたため通話コストが発生していましたし、お客様からの電話の取り次ぎについてもスムーズにいかない場合が多くありました」と西村氏は言います。
しかも、旧システムではメインPBXにビハインド装置を接続して館内のPHS基地局・端末を収容していたため、収容端末数の制限やPHS端末に発信側の内線番号が表示されないといった制約がありました。
要望に最も適うPBXとFMCサービスを連携

IP-PBX「DISCOVERY01」
2010年4月に提案を受けた新システムは、OKIのIP-PBX「DISCOVERY01」に、携帯電話事業者の提供するFMCサービス(一般の携帯電話に内線番号を付与し、PBX配下の固定電話機と携帯電話間、携帯電話同士で内線通話を実現する仕組み)を連携させるというものでした。
「DISCOVERY01」は、モーニングコール(多国語)、客室電話課金・規制、客室状態表示などホテル向け機能が充実しているうえ、既設のホテル業務用ホストコンピューターとの連動も問題なく行える機種として選定されました。「長年の付き合いで信頼関係を築いている秋田電話工業なら、私どもの要望に最適な機種を提案してくれると信じていました」と、沢井氏は言います。さらにFMCサービスの提案に関しても、「OKIと共同でのプレゼンテーションで、利用メリットなどを分かりやすく説明してくれたので非常に好感が持てました」と評価します。
システム概要・導入ポイント
FMC対応携帯電話の活用を社長自ら率先
「DISCOVERY01」を核とする新システムは2011年3月から稼働を開始。その後、新規に法人契約した携帯電話端末への内線番号付与や相互通話の設定なども滞りなく進み、FMCサービスの利用も同年6月からスタートしました。
携帯電話端末は、15名の営業マン全員への付与を含め計30台を導入。その他、従来からの館内スタッフ用PHS端末を20台、フロントや事務所などの業務用の一般・多機能電話機を計140台、主に客室用途の一般電話機を170台、代表電話受付用の中継台を2台配備しています。
また、通話コスト削減効果を高めるため、固定回線にNTT東日本の「ひかり電話」サービスも新規採用しました。
FMCサービスの活用については社長の沢井氏自らが率先し、業務現場への浸透を促しました。「携帯電話番号を使って連絡してきた社員に対して『なぜ内線番号を使わないのか』とかけ直させたこともありました」と、沢井氏は運用開始当初のエピソードも明かします。
こうして、社員間の連絡はもとより外線の取次・転送においても内線番号がごく普通に用いられるようになりました。自席の固定電話機も利用している西村氏は、「離席や外出、休暇の時には、PBXの不在転送機能で携帯電話に内線/外線すべての着信を転送するよう設定しています。営業マンも同様の使い方をしていて、自分が休みの日でもお客様からの連絡に対応できるよう心がけています」と説明します。
導入効果・今後の展望
病院・福祉施設への食事サービス事業でも効果を発揮
新システムでは、FMCサービスと「ひかり電話」の活用によって年間の通信コストが従来よりも3割程度削減される見通しです。
そして、数字ではなかなか表しにくいものの、携帯電話端末の内線化によって社員間のコミュニケーションは従来よりもスムーズになり、業務効率が明らかに向上しました。「社員がどこにいても、業務上の指示などを即座に伝えられるので、非常に便利です」と沢井氏は話します。
また、西村氏は、「事務所にかかってきた外線を外出先の営業マンに直接取り次げるため、お客様へのサービス向上あるいはビジネスチャンスの拡大にもつながっています」と言います。
FMCサービスが有効活用されている場面がもう1つあります。
秋田キャッスルホテル様では、ホテル事業の他に「病院・福祉関連事業」として、病院や福祉施設への食事サービス、施設内のレストラン・売店運営業務などを展開しています。このうちの食事サービスでは現在、秋田県内の病院、施設において1日7,000食もの食事を提供しており、事業所に配属された調理他各担当者間および本社(ホテル)事務所との間での電話連絡も頻繁に行われます。そこで、この事業所の電話設備を、離席の多い担当者それぞれに付与したFMCサービス対応の携帯電話に集約。これによりシステム運用負荷と通信コストの削減に成功しています。
沢井氏は、今後さらなるサービス向上・事業拡大を図る中で、今回導入したシステムの活用シーンも広げていきたい意向です。さらには自社での活用にとどまらず、「FMCサービスを組み入れたシステムがホテル業務にいかに有効であるかを同業他社にもアナウンスしていこうと思います」と語っています。
用語解説
- 注1:FMCサービス
FMC(Fixed Mobile Convergence)は、固定通信と移動体通信の融合のこと。移動体キャリア各社からモバイル端末(携帯電話/PHS)を企業の内線電話として利用するサービスが提供されており、モバイル端末の通信コスト削減や、社内外どこにいても1台のモバイル端末で連絡ができるなどのメリットがある。
秋田キャッスルホテル様 概要
| 名称 | 秋田キャッスルホテル(秋田ビル株式会社) |
|---|---|
| 所在地 | 秋田県秋田市中通1-3-5 |
| 代表者 | 沢井 修 取締役社長・総支配人 |
| 開業 | 1970年7月7日(会社設立1969年4月4日) |
| 従業員数 | 226名(2011年9月1日現在) |
| ホテル概要 |
|
| ホームページ | http://www.castle-hotel.jp/ |
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