2010年2月15日
OKIカスタマアドテック
「MoBiz™」をベースにしたCE業務支援システムを構築
スマートフォンと社内システムの連動でサービス品質向上・業務効率化・CS向上を実現

OKIカスタマアドテック 社屋外観
OKIグループで機器・システムの保守サービスを主事業とするOKIカスタマアドテックは、現場業務に携わるカスタマエンジニア(CE)用のツールとして、スマートフォンを活用した「@スマートCEシステム™」を構築。2010年1月までに全国1,200名のカスタマエンジニアに端末を配布し、本格運用を開始しました。社内基幹システムと連携したリアルタイムな情報共有の実現に加え、部品手配、マニュアル自動生成、営業支援など様々な社内システムのモバイル対応への展開も容易に行える柔軟なプラットフォームには、OKIが開発した業界初のスマートフォン向け業務アプリケーション開発基盤「MoBiz Platform™」が採用されています。
OKIカスタマアドテックは、全国250カ所のサービス拠点・総勢2,300名のスタッフによる機動力・技術力・展開力を活かし、「いつでも、どこでも、すばやく」をコンセプトに24時間365日のシステムサポートサービスを展開しています。その対象はOKIブランド製品だけでなく他社のシステム・機器にもおよび、マルチベンダー対応で幅広いお客様のシステム運用・管理を支えています。
同社では、昨今の厳しい市場競争を勝ち抜くため、経営基盤強化策の一環として基幹システムをはじめとしたIT環境の大幅刷新に着手。その目玉の1つが、保守・メンテナンス作業や障害対応などを担当するカスタマエンジニア(CE)の業務改革に向けたスマートフォンの活用でした。
背景・導入目的
携帯電話とノートPCの組み合わせでは業務効率が上がらない
全国各拠点に配置された約1,200名のCEは従来、携帯電話を利用して、本部の作業管理者と電話あるいはメールで業務指示・報告などのやり取りをしていました。また、情報ツールとしてノートPCも携帯し、機器(ATM等)の診断を実施したり、各種保守マニュアルやFAQなどを揃えた社内データベースにリモートアクセスして現場作業に役立てていました。

ITシステム本部 担当課長
松浦 健豪 氏
しかしながら、携帯電話とノートPCを組み合わせた仕組みでは業務効率がなかなか上がらない状況にありました。たとえば、ノートPCを立ち上げ、社内システムにアクセスするまでに10分以上の時間を要するため、スムーズな作業や完了報告等の妨げとなっていました。作業管理者側も1人で十数名のCEを管理しており、都度の電話による所在確認・訪問指示・作業の進捗把握などでかなりの業務負荷がかかっていました。
こうした課題を解決する手立てとして、同社が目指したのが"CEのオンライン化"です。「CEとバックオフィスをオンラインで接続し、必要なときに必要な情報収集や業務支援が行える環境を構築する必要がありました。そして、CEとバックオフィスがより密に連携すれば、サービス品質が確実に向上し、お客様満足度の向上にもつながると考えました」と、ITシステム本部・担当課長の松浦健豪氏は新システム導入の背景を語ります。
社内システムとモバイルの"ライフサイクルの差異"が課題に

スマートフォン
OKIカスタマアドテックが新システムに求めたものは、いつでもどこでもだれでも情報を容易に扱える"ユビキタス環境"の実現でした。そしてCE用の端末については、最新のアーキテクチャーを活用できるスマートフォンの採用を当初から決めていました。
ここで課題となったのが、社外と社内をスムーズに連携させるインフラの整備でした。松浦氏は、「モバイルシステムと社内システムではライフサイクルが大きく異なります。将来の拡張を視野に入れると、モバイル分野で次々に登場する新しいテクノロジーをライフサイクルの長い社内システムと連携させていく際に、その都度アプリケーションを改変しなければならないようでは非効率ですから、両者の差異をうまく吸収できる仕組みが必要でした」と説明します。
その解決策は身近なところにありました。ちょうど同じ時期、親会社であるOKIが業界初のスマートフォン向け業務アプリケーション開発プラットフォーム「MoBiz Platform」の製品化を進めていたのです。
導入の経緯・システム概要
スマートフォン活用に求められる多彩な機能を「MoBiz Platform」が提供
「MoBiz Platform」は、スマートフォンを業務端末として活用するために必要となる汎用的な機能をパッケージ化したミドルウェア製品です。ノートPCと比べて小さな画面でも視認性と操作性を向上させるフルブラウザ機能およびウィジェット機能、モバイル通信の不安定さをカバーするVPNマネージャ機能やオフライン機能、社内システムとの連携効果を高めるSIP-PUSH機能・プレゼンス機能・GPSマネージャ機能・通話連携機能などを提供することで、低コストかつ効率的なモバイルアプリケーションの開発・運用を可能にします。さらに、端末種別(通信事業者)を問わない"エニーキャリア"を実現していることも大きなポイントです。
このプラットフォームを起用し、OKIカスタマアドテックではCE業務支援システム「@スマートCEシステム」をOKIと共同で開発。2009年5月から約半年間は、スマートフォン端末約170台による試行を実施し、使い勝手などに関する業務現場からの生の声を汲み上げて完成度を高めていきました。
こうして11月に全国各拠点への展開を正式決定し、約2カ月間で1,200名のCE全員への端末配布を完了して新システムの本格運用がスタートしました。
現場作業に関わるあらゆる情報の一括配信・簡単チェックが可能に
「@スマートCEシステム」では、社内に設置したGPS位置情報管理システムとCE作業進捗管理システムにより、CEが利用するスマートフォンおよび作業管理者が利用するPCの各業務アプリケーションと基幹システムのリアルタイムな連携を実現しています。スマートフォン端末には、NTTドコモ「T-01A」とソフトバンク「X02T」の2機種を採用しました。また、スマートフォンと社内ネットワークのセキュアな常時接続を可能にするため、Windows Mobileデバイス向けのセキュリティ機能および管理機能を提供する「Microsoft SCMDM」(Microsoft System Center Mobile Device Manager)を活用したほか、情報セキュリティを確保するためにOKIのノウハウを結集してさまざまな対策も施しました。
作業管理者は、GPS機能によって各CEの所在地や状況をリアルタイムに把握し、お客様からの緊急な修理要請などにも的確な人員のアサインが行えます。また、対応案件に関わる各種情報を一括して配信できるため、効率的な作業指示が可能になっています。

@スマートCEシステム運用イメージ
一方、スマートフォン側のアプリケーション画面は非常にシンプルで分かりやすく、作業予定の一覧、対象機器の詳細、障害の状況、お客様ごとに異なる作業時の注意事項・禁止事項、ワンストップ窓口のカスタマサポートセンタで入力された「お客様受付メモ」などを、タブの切り替え操作だけで簡単にチェックすることができます。その一番のポイントについて、松浦氏は、「お客様との約束が確実に守られることを最優先に考え、作業指示の通知を受けた際には、画面上に注意事項・禁止事項が最初に表示されるように工夫しました」と話します。

CE画面イメージ:作業指示の受付と確認
さらに作業の進捗報告も、現場到着・作業開始・終了など各ステップで確定ボタンをクリックするだけで現在時刻と作業状態が本部サーバに自動送信されます。松浦氏は、「電波の届かない場所で操作しても、オフライン機能によって報告データが端末内にいったん蓄積され、通信エリアに移動すると自動送信されるので、CEに手間を取らせることもありません」と説明を加えます。また、当日の業後または翌日以降にCEがシステムに入力していた作業完了報告も、作業終了後にスマートフォンから簡単に入力できる様に工夫されています。

CE画面イメージ:作業の進捗登録
導入効果・今後の展望
CE業務のさらなる負荷軽減に加え他部門への展開も検討
新システムの試行時に行ったCEおよび作業管理者へのアンケート調査では、業務におけるスマートフォン活用を「有効」とした回答が約9割に達しました。また、CEからは「作業管理者との電話でのやり取りが3~5割減って、より作業に集中できるようになった」「社内のデータベースに数秒でアクセスできるので作業に必要な情報をストレスなく見ることができ、復旧時間短縮につながっている」といった具体的な利用効果も挙げられたそうです。
もちろん、従来のノートPCよりもはるかに小型でタッチペン操作を基本とする端末に違和感を訴える声もありますが、「使い勝手をよくするための工夫を十分に凝らしていますから、実務での利用が進めば不満の声も少なくなり、業務の効率化・サービス品質向上に大きなメリットがあることを認識してくれるでしょう」と、松浦氏は見ています。
さらに松浦氏は、全拠点への展開が完了した「@スマートCEシステム」のさらなる活用にも目を向けています。「たとえば、スマートフォンからの入力データをそのまま作業報告書などの伝票処理に反映させる仕組みを構築することで、間接業務に要していたCEの負荷を軽減し、現場作業をより効率的にこなしていけるようにしたいと考えています」。
また、機器のメンテナンスや修理に必要な部材を管理するパーツセンタや、カスタマサポートセンタとの情報共有により、現場作業のさらなるスピードアップ、お客様対応窓口の品質向上も進めていく計画です。
そして今後、スマートフォンを用いたシステムを営業部門やロジスティック部門に導入していくことも検討しています。今回開発したシステムなら、このような他部門への展開を容易に実現できます。「MoBiz Platformを含むインフラの整備に注力した狙いはここにあります。アプリケーションを入れ替えるだけであらゆる業務に適用できる仕組みは、将来にわたって当社の大きな強みになるでしょう」と、松浦氏は語っています。
スマートフォン向けモバイル業務システム構築基盤「MoBiz Platform」概念図

OKIカスタマアドテック「@スマートアーキテクチャー」全体概要図

CE支援システムアプリケーション概要図

OKIカスタマアドテック 概要
| 社名 | 株式会社沖電気カスタマアドテック |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都江東区木場2-7-23 第一びる |
| 代表者 | 小西 博 代表取締役社長 |
| 創立 | 1992年8月31日 |
| 従業員数 | 約2,300名 |
| 事業内容 | 情報処理・通信・制御・計測・放送・医療など各種機器・システムの運用保守サービス、電気通信事業およびネットワークを利用した情報処理・提供サービス、ソフトウェアの製造・販売、システム構築およびコンサルティングなど |
| ホームページ | http://www.oca.co.jp/ |
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