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IPテレフォニー

プロモーション コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」

第51回: オリンピック観戦の明日

[2008年8月20日掲載]

執筆: 千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社(OKI)
情報通信グループ  セキュリティ・アンド・モビリティカンパニー
バイスプレジデント
兼 コーポレート戦略室  上席主幹
兼 OKI  IP電話普及推進センタ(IPTPC)  センタ長

北京オリンピックも終盤戦に入りました。

これでも(?)昔は少しスポーツをしていましたので、その頃はオリンピックなどの世界大会は目が離せませんでした。しかし、スポーツから久しく離れていましたため、今は四六時中テレビ観戦していると言う訳ではありません。ただ、ついつい日本勢の戦いに一喜一憂しています。

しかし、今回の北京での観戦の仕方が、4年前のアテネや、8年前のシドニーと少し変わってきているように感じています。

例えば、オリンピック発祥の頃は、観戦メディアは存在せず、現場のコロシアムにて観戦するしかありませんでした。このとき、観戦場所とメディア数の積(この値を仮に「観戦メディア指数」と呼びます)は“ゼロ”です。新聞などの紙メディアの登場後は、離れた場所でも試合結果が分かるようになりました。このため観戦場所は2つになり、観戦メディアは1つですので、この頃の観戦メディア指数は“2”です。その後、テレビの登場でメディアは増え、リアルタイムに観戦が可能になりました。こうなると観戦場所は2つ、観戦メディアも2つで、観戦メディア指数は“4”になります。

2000年のシドニー以前までは、オリンピックと言うと居間で家族と一緒にテレビで観戦していた方が多いと思います。見逃した試合は、ビデオで翌日や休日に見ることが一般的でした。試合結果はニュース番組か、翌日の新聞でチェック。すなわち、観戦場所は現場と居間の2つ、観戦メディアは紙とテレビ、ビデオで3つ、観戦メディア指数は“6”になりました。

しかし、2004年のアテネの頃には、PCや携帯電話でのインターネットアクセスが一般的になり、メダル獲得状況や試合スケジュールを自分の部屋や外出先でインターネットを使って確認し、そのうえで居間にてテレビ観戦することが多くなってきたように思います。観戦場所は個室と外出先が増えて4つ、観戦メディアはPCと携帯電話が増えて5つ、観戦メディア指数は“20”と増大します。

私の北京オリンピックの観戦方法はといいますと、朝に新聞かテレビのニュース番組で前日のメダル獲得数や試合結果を確認し、それから会社に出勤します。職場でテレビを見るわけにはいきませんので、昼休みにはインターネットで試合の状況をチェックします。帰宅してからは、子供たちが寝ていれば、テレビでゆっくりと観戦するのですが、我が家のチャンネル権は先に見ていた人が優先です。先にアニメやドラマが始まっていたら、後からチャンネルを変えるわけには行きません。

そこで、試合の経過だけでも知りたい時には、地上波デジタル放送のデータ画面をチェックします。試合が良いところならば、最近購入したゲーム機用のワンセグチューナーでオリンピック観戦します。小さな画面でも、試合の成り行きはわかります。しかし、今年72歳の母親は「大きなテレビがあるのに、何も小さな画面で見なくても」と不思議がっています。

また、すでに試合が終了していた場合には、私の部屋(書斎と言うほど立派ではありませんが)でPCを使ってインターネット上の動画サイトをチェック。試合後2時間ほどもすれば、人気の試合は見られます(どの試合が、いつアップロードするかは運次第ですが)。ちなみに、開会式をインターネットで見ていたら、次男が部屋に来て一緒に観戦しました。「パパのパソコンは、テレビになるんだ」とびっくり。ついつい夜遅くまで一緒に見ていたら、「いつまで起きてるの!」とママに怒られていました。

- 閑話休題 -

オリンピックの観戦メディア指数

このように北京での観戦メディアは、アテネの頃より地上波デジタル放送とワンセグ、インターネット動画サイトが増えて、8つ。いや、うちのクルマにはまだ付いていませんが、カーナビで観戦している人もいるでしょう。そうすると、観戦メディアは9つです(異論のある方もいるかもしれませんが、DVDはビデオの媒体違いと考えましょう)。観戦場所は、電車とクルマが増えて6つ、観戦メディア指数は“54”にもなります。

以上のように2000年までは観戦場所や観戦メディアに大きな変化はありませんでしたが、シドニー以降の観戦事情は大きく変わってきました。随分と乱暴な推定ですが、観戦場所は1、3、6と4年で2~3個増える計算、観戦メディアも3、5、9と4年で2~3個増える計算です。もし、この仮説が正しいなら、2012年のロンドンではオリンピックの観戦場所は3つ増えて9つ、観戦メディアも3個増えて12個となります。観戦メディア指数は“108”となります。

えっ、本当かって?
そんなに見る場所が増えるのかは疑問の方も多いでしょう。しかし、オリンピックを観戦する場所やメディアはさらに多様化していくと思われます。

とは言え、オリンピックなどのスポーツ観戦は中身が肝心です。確かに、観戦ツールが多様化して、いつでも、どこもで、何でも見られるようになっても、中身が伴わなければ楽しくありません。競技の内容もルールや出場国、出場者の情報を知っているかどうかで見方が変わってくるでしょう。

携帯でオリンピック観戦

さまざまな観戦ツールも単独ではなく、連携する時代が来ると私は考えています。テレビで放送している試合に関する情報をインターネットで提供することなどは、すでに一部で始まっています。また、ソフトフォンやテレビ会議などのIPコミュニケーションを介して、同じ試合を離れた場所で応援しながら連携したり、各地で応援している姿を試合場に逆に放映することも可能です。出身地で応援する地元の姿を見れば、選手も元気が出るでしょう。また、各地での応援風景を直接見ることができれば、勝っても負けても相手国への親近感が生まれると思います。

IPコミュニケーションがオリンピックなどスポーツ観戦のあり方を変え、世界平和に貢献できる明日が来ることを願っています。

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