プロモーション コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」
第37回: 「IPTVへの期待」

[2007年6月19日掲載]
執筆: 千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社(OKI)
情報通信グループ セキュリティ・アンド・モビリティカンパニー
バイスプレジデント
兼 OKI IP電話普及推進センタ(IPTPC) センタ長
6月6日に社団法人情報通信技術委員会(TTC)の主催で開催されたセミナー「IPTVへの期待」を拝聴してきました。IPTVに関するUSEN様の加茂副社長による基調講演の後に、独立行政法人情報通信研究機構(NiCT)の榎並様のコーディネートで、国内のIPTVの専門家の皆様によるパネルディスカッションが開かれました。
プロトコルの観点からは、IPTVの標準化動向などは多少知っていたものの、放送ビジネスの面白さや難しさが少し理解できました。特に、放送業界に長くいらっしゃる方々と通信業界の方とでは、どこでビジネスをされようとしているのか、視点が少し違うように感じました。
放送業界の方は、IPTVの収益源は広告であると考えられている方が多いように思いました。広告主が期待する視聴者に「広告を観てもらう」ことに努力が払われます。一方、通信業界の方は、月額基本料金やチャネル費用を収益源とお考えのようです。従い、どのようにして多くの視聴者に「番組を観てもらう」かが重要になります。この視点により、品質や使い勝手への配慮が変わってくるように感じます。
私も以前は、「広告のためにテレビを観る人はいない」と考えていましたが、家族のテレビの観方を観察していると、そうも言えないと感じています。妻は、料理をしながら、テレビショッピングをつけっぱなしで観ています。子供は、ゲームやおもちゃの広告になると、番組よりも真剣に観ていることもあります。最近の広告の作り方の努力もあるのでしょうが、広告はとても重要なコンテンツであると思います。
また、パネルディスカッションで面白かったのは、シャープ様のプラットフォーム開発センター長の上田様の一言でした。「IPTVへの期待は何か?」との問いに、他の方は、新たなビジネスモデルの創出、ライフスタイルの変化、難視聴対策などを挙げられていたのに対し、上田様は「テレビの大型化」とお答えになっていました。その理由は、IPTVになると、番組情報以外に、天気予報や番組ガイドなど付加情報が表示されるようになります。そうすると、小さなテレビでは番組が見難くなるので、大型のIPTVが一般化するだろうとのことです。「流石、テレビメーカさんだけあって視点が違う」と勝手に関心して聞いていました。
私が気になったのは、講演者の方が使っていたIPTVやSTB(Set Top Box)のリモコンに各社のサービス名入りのボタンがあったことです。IPTVになって、色々な番組が見られるのは嬉しいですが、特定のプロバイダの番組しか見られないテレビでは困ります。そんなとき、IPTVの番組選択はどうやってやるのでしょうか?

現在のテレビでは数字だけで選択できますが、世界中のIPTVに一律番号を付与するのは現実的ではないでしょう。そうすると、やはりURLで示すのが現実的でしょう。しかし、ここでひとつ問題があります。テレビのドメインということで「.tv」が使えると、世界中のテレビが見られます。ただし、「.tv」は南太平洋の島国・ツバル国のドメインです。また、ツバル国は、自国のドメインを米国のベンチャー企業の.tv社へ運用管理を委託しています。そのため、日本企業も費用を払えば「.tv」を使えますが、それだけ費用がかかります。それでは「.tv.jp」なら良いかというと、所管ドメインとして「.tv」は認められていません。
そこで、私から提案があります。日本のIPTVを普及させるために、「.tv.jp」を許可いただくようにしませんか?そうすると、IPTVへのアクセスがとてもし易いと思います。いかがでしょう?また、世界中で統一するために、ITU-TやIETFにも働きかけてはどうかと考えています。ただし、そうなると米国では、ツバル国のドメインを有償で使ってもらうことになりますが・・・。
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