プロモーション コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」
第24回: 「モノづくりの志」

[2006年5月15日掲載]
執筆: 千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社
情報通信事業グループ アシスタント オペレーティング オフィサー
兼 OKI IP電話普及推進センタ(IPTPC) センタ長
今回のコラムは、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴ市からお送りしています。ここはメキシコとの国境に近いためか、あちらこちらでサボテンを見かけます。今回の出張は、ITU-T(国際電気通信連盟-電気通信標準化部会)とIMTC(国際マルチメディア会議コンソーシアム)の共同ワークショップ&フォーラムに参加するのが目的です。このワークショップでは、次世代のマルチメディア通信システムのビジョンがテーマです。
今回の会議において、IMTCリーダシップ・アワードをIBM様のJoan Mitchellさんが受賞されました。
Mitchellさんは、JPEGアルゴリズムの普及促進に貢献した画像伝送技術の第一人者です。IBM様の中でも数少ない女性フェローの一人です。彼女の講演を聞いて、感じ入ることがいくつかありました。
まず、ある技術を広めるためには、どれだけ多くの仲間を引き入れられるかが大事だということです。そのためには、専門用語をいかに分かりやすく、シンプルな言葉で表現するかが大事だと仰っています。技術の本質を理解していないと、シンプルな言葉はなかなか使えないものですので、含蓄のあるポイントです。
また、新しい技術を理解してもらうために、より多くの人に説明する機会を作ることも大事だと仰っています。そのためにコンソーシアムを作り、セミナを開催し、フリーで技術に触れる機会を作ることがポイントです。
しかし、わかっていても、これを継続して実現するには、「何のためにやるのか」という「志」が大事だというのが彼女の主張です(講演中では「基本的な思い」という表現でした。「志」というのは私の解釈が一部入っています)。この「志」を醸成するには、子供の頃から「しっかり、モノを考える習慣」と「使命感」や「継続すること」の機会を与えるべきとのことです。特に、彼女は「女性が数学や理工学に熱中しにくい社会環境がまだまだある」と言います。

「モノづくり」は、日本の職人のお家芸と考えている人も多いかと思いますが、「モノづくりに携わる人間には、まず志がなければならい」との思いは、「世界中のプロ」には共通のようです。
最近、新しい技術にばかり注目が集まる傾向が強い中、「志」をもってモノを作り、広めてゆく大事さを改めて思い出させていただいた講演でした。
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