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IPテレフォニー

プロモーション コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」

第23回: 「もうひとつのWBC No.1へ」

[2006年4月13日掲載]

執筆: 千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社
情報通信事業グループ  アシスタント オペレーティング オフィサー
兼 OKI  IP電話普及推進センタ(IPTPC)  センタ長

先日、「ワイヤレス・ブロードバンド教科書」の改訂版が出版されました。私も無線技術者の方々とともに「モバイル・セントレックス」の章を執筆しました。執筆者自らが自著を評価しても客観性はありませんが、この「教科書シリーズ」はなかなかよくできています。私は「H.323/MPEG4教科書」の時代から参加し、「SIP教科書」などを執筆してきました。今回の教科書が4冊目になります。

この「教科書シリーズ」は、各技術分野における日本の専門家が、該当分野の技術を日本語でわかりやすく解説するものです。このシリーズは編集者の方のこだわりで、一貫した技術解説書になっています。ポイントは、「仕様書にならないこと」です。技術者の文章は、得てして“仕様書”になってしまいます。“仕様書”とは、特定の技術知識を保有している専門家を対象とした技術説明書です。しかし“書籍”となると、必ずしも専門家だけが対象ではありません。その技術が何のために必要なのか、今までと何が違うのか、そういう基本的なことを分かりやすい日本語で書かなければなりません。また、“教科書”と言うからには、体系的に学べるよう基礎から応用までを網羅していなければいけません。この「教科書シリーズ」は、日本の情報通信技術者の育成に貢献してきたと考えます。

今回、「ワイヤレス・ブロードバンド教科書」を改訂するにあたり、なぜ今なのか?ということを考えました。

突然ですが、世界の人口は約60億人です。その中で、インターネットにアクセスできる環境にあるのは約10数億人です。しかし、最近の映像や音声コンテンツにもアクセスできるブロードバンド環境にあるのは1億人程度。いつでも、どこでもアクセスできるモバイル環境は、もっと少ない状況です。こう考えると、日本のケータイ環境は世界でも特異な例と言えるでしょう。インターネットが本当に社会のインフラとして世界をつなぐには、「ワイヤレス・ブロードバンド」環境が必須でしょう。そのためには、日本において優れたワイヤレス・ブロードバンド環境を構築することが期待されます。

もうひとつのWBC No.1へ

野球の世界ではワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)において、日本は予選2位の立場にありながら、世界No.1になりました。語呂合わせではありませんが、日本はもうひとつのWBC、すなわち「ワイヤレス・ブロードバンド・カントリー」のNo.1になれるチャンスが十分にあると思います。ケータイ文化に馴染んだ社会において、人に優しいインターネット技術を生み出してゆきたいものです。そのために“教科書”もお役に立てれば、執筆者冥利に尽きます。


改訂版 ワイヤレス・ブロードバンド教科書

コラムの中で紹介させていただいた書籍は、インプレス社発行の「改訂版 ワイヤレス・ブロードバンド教科書 =3.5G/次世代モバイル編=」です。OKI  IPTPCの千村は、「第9章 モバイル・セントレックスの仕組みとその機能」を執筆しました。ご興味のある方は、ぜひご一読ください。

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