プロモーション コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」
第22回: 「モバイルVoIP成功のコツ」

[2006年3月9日掲載]
執筆: 千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社
情報通信事業グループ アシスタント オペレーティング オフィサー
兼 OKI IP電話普及推進センタ(IPTPC) センタ長
つい先日、講演のために石川県金沢市を訪れました。テーマは「無線LANが世界を変える(無線LANの概要)」です。OKI IP電話普及推進センタとしては「無線LAN」は新しいテーマです。
しかし、「無線LAN」への市場の反応には、「VoIP黎明期」と異なる違和感を感じています。そのために、今回の講演を引き受けました。何が違うかと言えば、「VoIP黎明期」には“VoIPはおもちゃ”、“電話とは違う”と言った反論がよく聞かれました。しかし、「無線LAN」の場合には“次の無線技術”、“次世代ネットワークの可能性あり”といった肯定的な反応が多いようです。
無線LANも有線LANもIPネットワークの原理は同じです。どちらかと言えば無線LANの方が、品質制御などで解決しなければならない課題が多いくらいです。無線LANなどの無線IPネットワークを用いて音声を伝送することは、有線のIPネットワークよりも難しいのです。無線IPネットワークでは、電波干渉の問題解消や帯域確保のために、端末と基地局間の連携が必要になります。それ故に、無線IPネットワークは上手に使えば素晴らしい可能性を持っていますが、扱いにくいという側面も持ち合わせています。
私は天邪鬼な性格なのか、他人が肯定的であればあるほど、「そんなに簡単ではないのに・・・」と反論してしまいます。世の中が囃し立てながら、うまく市場創生ができなかった事例を知っているからかもしれません。
しかし、無線IPネットワークには、上手に市場を創生して欲しいと思います。なぜなら、無線IPネットワークは、まだまだ未完成な技術であるからです。特に、無線IPネットワーク上で音声や映像を伝送する・・・略して「モバイルVoIP」を上手に利用するためには、緻密な工夫が必要です。日本のメーカはVoIP市場で緻密な工夫を重ねながら、世界の中で日本をVoIP先進国に導いてきました。「モバイルVoIP」を上手に活用するためには、慎重に計画し、大胆に活用し、そして丁寧に運用することが肝要です。このような細かな技術育成こそ、日本のメーカが得意とするところだと思います。

このような日本で育てた技術を世界に広め、標準化に貢献することこそが、いまの私たちに求められているのではないでしょうか?
昔の人は「生兵法は大怪我のもと」とよく言ったものですが、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とも言いました。モバイルVoIPは、まだまだ進化するでしょう。私も、ただ待っているのではなく、日本で培われたIP技術を積極的に世界へ発信したいと思います。
IPTPC VoIP認定技術者資格制度では、新たに「VoIPセキュリティ資格」を新設し、それに対応した「VoIPセキュリティ研修」と「VoIPセキュリティ試験」を始めました。日本発のモバイルVoIP市場育成に向けて、IPTPC VoIP認定技術者資格制度はVoIP市場第2幕の成長に貢献していきます。
- ※挿絵中の「MWINS」は、OKI製のVoIP対応無線LANアクセスポイントの商品名です。
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