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IPテレフォニー

プロモーション コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」

第18回: 「ICTは“心配り”から」

[2005年11月11日掲載]

執筆: 千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社
情報通信事業グループ  アシスタント オペレーティング オフィサー
兼 OKI  IP電話普及推進センタ(IPTPC)  センタ長

先月、オーストラリアのメルボルンで開催されたASTAP(アジア太平洋電気通信標準化会議)に参加しました。今回の出張の主な目的は、ASTAPに先駆けて10月25日に開催された「IPテレフォニー & 次世代ネットワーク・ワークショップ」で、日本のVoIP動向について講演することでした。ワークショップの後にASTAPにも参加させて頂きました。ASTAPには始めて参加しましたが、大変勉強になりました。

特に、ASTAP会合の途中で行われた「ユーザビリティ & アクセシビリティ・ワークショップ」は、とても有意義でした。アジア太平洋地域での身体障害者や高齢者のためのICT活用の状況について、さまざまな意見交換がなされました。

ICT:Information & Communications Technology

特に印象深かったのは、オーストラリア政府の発表でした。

障害者向けのICTというと「字を大きめに」とか、「色を見やすく」など、コンピュータの画面ばかりが登場するプレゼンテーションが多かった中で、オーストラリアの発表は違っていました。「テレビ電話を活用して大笑いしているお年寄り」、「楽しそうにテレビ電話の前で手話する男性」、「車椅子で楽しそうにショッピングをする女性」などなど、「人」が中心の写真や映像で圧倒されました。オーストラリア政府は、高齢者や身体障害者のためのICT投資を積極的に行っているそうです。

オーストラリア

実際に、メルボルンの街で買い物をしているときにも、そのことを実感しました。低い陳列棚や車椅子でも余裕をもって移動できる通路、さらには各階間のスロープが多くの店舗に導入されていました。しかし、何よりも驚いたのは、車椅子でショッピングを楽しむ人の多さでした。こちらが明らかに「外人」と分かっていても、車椅子のおじさんから「それ取ってください!」と声をかけられたときには驚きました。

情報通信技術ICTは、「ユーザビリティ」や「アクセシビリティ」と難しそうな単語を並べる前に、優先してやるべきことがあると感じました。人は誰でも年齢を重ね、何かしらの「不自由」を背負うのだという当たり前の現実を認識し、“心配り”から始めるべきと考えます。

何よりも、人生を楽しく過ごすために・・・。

【ICTについて】
情報通信技術をあらわす「IT」がある一方で、今後のユビキタス社会により多様なコミュニケーションが実現されるという考えも含めた語句として、欧州、中南米、アジア各国やさまざまな国際機関で使われています。

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