コラム 「IPコミュニケーションの明日を読む」
【第47回】 [2008年4月21日掲載]
北米ベンチャー企業訪問記
執筆:千村 保文(Yasubumi Chimura)
沖電気工業株式会社(OKI)
情報通信グループ セキュリティ・アンド・モビリティカンパニー
バイスプレジデント
兼 コーポレート戦略室 上席主幹
兼 OKI IP電話普及推進センタ(IPTPC) センタ長
4月初旬、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)様が主催された企業視察ツアーに参加し、北米の情報通信関連のベンチャー企業を訪問してきました。訪問先の中から特徴的な企業について、ご紹介しましょう。
★Aruba Networks様
私のカンパニーのパートナーであるモビリティーネットワーク企業です。サニーベールに本社がありますが、今回の訪問ではArubaのシステムを導入したラスベガスのMcCarran(マッカラン)空港を見学しました。McCarran空港はラスベガスの玄関口です。空港内は、どこでも無線LANの利用は無料です。乗客だけでなく、空港業務従事者やテナントビルにおいてもArubaの無線LANシステムを活用していました。日本では、無線LANに対してセキュリティに不安を感じるユーザも多いのですが、米国ではしっかりしたセキュリティ対策さえすれば、空港などの公共施設でも沢山使われています。
★Summit Microelectronics様
プログラム可能な充電用IC開発会社です。本社は、サンノゼにあります。出張に行くときに、いつも困るのは多くの電源アダプタや充電器です。PC、携帯電話、デジタルカメラと本体ごとに個別に必要です。Summit Microelectoronics社の技術を使えば、電源アダプタをUSBインタフェース一本に統合できるというものです。この技術により、従来のICで40%程度ある電源変換損失を10%程度に削減できるとのこと。もし、世界中の携帯電話に使用すれば、5年で全世界の消費電力の0.015%の削減になります。これは原子力発電所5施設分に当たります。Summit社は、世界中のモバイル装置の消費電力を抑えて、地球環境に貢献するというコンセプト「MobileGreen」を提唱しています。その志しの高さに感銘しました。
★X2 Technologies様
サンラファエルにあるベンチャー企業です。AirPCというユニークなシンクライアントを開発しています。何がユニークかというと、セットトップボックスが、メニューを選択するとPC、VoD(Video on Demand)、MP3プレイヤなど複数の用途に使えるというものです。ブロードバンドネットワークが普及している日本をターゲットにしているということで、今後とても注目されます。
北米の元気な先端企業の風に当たって、新鮮な気持ちになりました。日本企業も元気なところをお見せてしてゆきたいと思います。