導入事例 東洋濾機製造株式会社 様
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概要
東洋濾機製造が3月にオープンした新本社オフィスが、快適で機能的なオフィスを表彰する「日経ニューオフィス賞」の最高位である経済産業大臣賞に選ばれた。その選定ポイントの1つとなったのが、沖電気工業「SS9100 Type M」で実現したモバイルセントレックス環境による、新しいワークスタイル・コミュニケーションスタイルの確立だった。
新社屋紹介

天竜川沿いの高台にある
東洋濾機製造の新本社ビル

天井の高い開放感のあるオフィス
自動車用ろ過機器、空気清浄機、浄水器などフィルトレーションシステムの開発・製造・販売を手がける東洋濾機製造(本社・静岡県浜松市、島田裕光社長)は今年3月、新本社(グローバル本社)ビルをオープンした。
新社屋は、天竜川を眼下に臨む高台に位置し、2.5km離れる旧本社のあった浜松工場も見通せるという絶景のロケーション。さらに、オフィス内は開放感のある斬新なレイアウトで、集中とコミュニケーションのバランスを重要視し120度天板と六角形で構成される執務フロアの他、知的創造作業などを効率よく進められるよう、さまざまな座席スタイルを用意したフリースペースも設置している。
同社が、2006年度の日経ニューオフィス賞(日本経済新聞社・ニューオフィス推進協議会主催)で、最高位となる「ニューオフィス推進賞・経済産業大臣賞」を受賞した理由の1つは、こうした快適で機能的なオフィス環境を構築した点にある。
そして、もう1つのポイントとなったのが、ネットワークを活用した新しいワークスタイルを確立したこと。そのインフラとして、効率的なコミュニケーションを実現しているのが、沖電気工業のIPテレフォニーサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100 Type M」をベースとしたモバイルセントレックスシステムである。
提案時の“真摯な対応”に好感

新本社のシステムを検討するにあたって、同社ではモバイル端末が必須と考えていた。先述したように、オフィス内のあらゆる場所で業務が行える環境では、どこにいても連絡がとれるようにしておく必要があるからだ。
この要求に対してベンダー数社から提案があったが、その中で目を引いたのは、沖電気工業が示した導入コストの安さだった。
東洋濾器製造・情報システム管理室・室長の河合秀俊参与は、「他社の見積りと比較して、こんなにも違うものなのかと驚きました」と振り返る。実のところ、他社は“交渉の余地”を含んだ金額を提示したのだが、それが逆に、沖電気工業の真摯な対応を強く印象付けることになった。
さらに、システムインテグレーションを担当した沖ウィンテックの技術力、サポート力も大きなポイントだった。
例えば、今回の新社屋オープンに伴い、情報系システムの各種サーバーも旧本社から移設し、音声・データ統合ネットワークで一元管理することとなったが、その運用サポートを沖ウィンテックが一手に引き受けてくれた。また、他ベンダーが納めた工場側の既存システムとの連携やWAN接続についても事前検証を入念に行い、トラブル発生時の対応も約束してくれたという。
LAN・WANに無線通信をフル活用
新システムの概要を見ていこう。
本社内は、SS9100 Type Mの配下にIEEE802.11aと11b/gの同時利用が可能な沖電気工業製の無線LANアクセスポイント「MWINS BR2102」と、IP遠隔ユニット経由でPHS基地局を設置。また、工場側にもWANを介してIP遠隔ユニット・PHS基地局を接続している。端末は、管理職向けにFOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」を20台、一般社員向けにPHS端末約200台を導入。加えて、本社オフィスにはIP多機能電話機「eおとIPフォン」も約15台配置し、部門共通の代表電話として利用している。
無線LAN環境下では、音声とデータ通信の同時利用が可能。ただし、執務フロアの各席ではデスクトップPCを有線LANに接続。無線LANで使用するノートPCは部門ごとに数台を配布し、会議室での利用や社員が自由な発想を生み出すために席を移動して業務を行う場合などに貸し出している。
もう1つ大きなポイントがある。本社と工場間のWAN部分に、広域LANサービスと光無線LANシステムで2系統のネットワークを構築。音声とデータを区別することなく、トラフィックに応じた負荷分散で、両回線を効率的に活用していることだ。
もともとは同一敷地内で行われていた内線通話を、拠点間に拡張し通信コストを抑えた形だが、音声だけでなくサーバーへのアクセスなども頻繁に行われるため、障害対策としてネットワークの二重化は不可欠だった。しかし、有線ネットワークを2本利用すれば月額料金も倍になってしまう。そこで、新本社の見通しのよさから、光無線を使えないかと考えた。川沿いのため霧が多いことが唯一の懸念だったが、時季を選んで2週間ほど実機試験を行い、問題ないことを確認。自社設備であるため初期投資はかかったが、ランニングコストを増やすことなく、計画通りのWAN環境を構築できた。

東洋濾機製造株式会社様 モバイルセントレックスシステム構成
デュアル端末のアプリ開発に意欲
モバイルセントレックス環境に対する社員の評判は上々だ。本社内では、音声通信だけでなく、無線LANによってどこからでもサーバーにアクセスし業務アプリケーションを利用できることが非常に受けている。導入前に不安を感じていたセキュリティ面も問題ないうえ、音声とデータの同時利用によるトラブルも発生していない。
また、本社スタッフもさることながら、工場側でモバイル端末の利便性が高く評価されている。現在、約200台のPHS端末が導入されているのは、運用後に製造部門などからの「端末を増やしてほしい」という要望を聞いた結果だという。
しいて課題をあげるとすれば、FOMA/無線LANデュアル端末の導入台数が少ない点。同社では今後、工場側の無線LAN 環境も整備し、FOMA/無線LANデュアル端末の利用台数を増やしていく計画だが、「電話としての利用範囲を広げていく中で、当社の業務形態に合ったアプリケーションを見出していこうと思っています」と、河合参与は意欲を見せる。
さらには、2009年をめどに研究開発部門を本社敷地内に移転させる予定。これによって、モバイルセントレックスの活用シーンもさらなる広がりを見せることになりそうだ。
株式会社リックテレコム
テレコミュニケーション 2006年10月号 No.267(第23巻 第10号)より転載
- ※製品写真や見出し部分は、沖電気工業にてHTML用に追加・修正しています。
- ※このページに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。