導入事例 株式会社トーモク 様
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概要
段ボール製造大手のトーモクは、既存のWANとLAN配線を生かし、3拠点の電話端末を一元管理する企業内IPセントレックスシステムを構築した。新システムでは、従来と変わらない電話端末の使い勝手とともに、ソフトフォンによる新たなワークスタイルも確立されている。
トーモク紹介
1949年に北海道で創業し、現在は段ボールや紙器製品などの総合包装メーカーとして国内・海外で幅広く事業を展開するトーモク(本社・東京都千代田区、斎藤英男社長)は、今年1月、神奈川県厚木市に新工場をオープンした。これに伴い、本州の第1号工場として稼働してきた横浜工場は40年余りの歴史に幕を引き、代わって厚木に場所を移し中核的な役目を担うことになった。
同社では厚木工場の立ち上げに際して、最先端の設備と品質管理体制を整えた。既存段ボール工場のイメージを払拭し、社外にアピールできる“見せる工場”の確立を目指したのだ。そのコンセプトは、工場らしからぬ外観やフロアの内装、さらに業務効率化を実現するオフィス環境の整備という点にも反映された。
IPセントレックスシステムの導入も、そうした取り組みの一環だった。沖電気工業製のIPテレフォニーサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」を使って、拠点間の内線通話網を刷新したのだ。
「障害対応の優位性」が決め手に

もともと拠点間での内線通話量が多かった同社では、通信コストを削減するため、フレームリレーによるデータ・音声統合ネットワークを構築・運用してきた。さらに、データ系トラフィックの増加を受けて、1年半ほど前に広域イーサネットへの切り換えを断行した。だが、各拠点内の電話設備には、なかなか目が向けられなかった。「リースアップの時期を迎えても、『まだ使えるものに投資するのは・・・』と躊躇してしまい、再リースを重ねていました」と、情報システム部の井ノ上雄二主任は話す。
そうした中、横浜から厚木への工場移転と相まって、本社および技術開発拠点である中央研究所(埼玉県さいたま市)のPBXが更新時期を迎えた。2004年末のことだった。電話設備を見直す絶好のチャンスが訪れたわけだ。
実は、沖電気の販売パートナーで長年のPBX運用保守業者であるオーティ・コムネット(本社・東京都千代田区、元澤裕司社長)からは、かねてよりIP電話システムの導入提案を受けていた。井ノ上主任はその仕組みに興味を持ち、先行導入企業の見学や情報収集などを重ねていた。「ですから、IPセントレックスシステムによって、運用管理コスト削減や業務効率化、音声通信という枠を超えた新しいコミュニケーションスタイルの実現など、さまざまな面で大きな導入効果を得られるということは認識していました」という。
ただ、いざ自社導入となると、不安な点もあった。障害発生時に迅速な復旧ができるかどうかだった。複数メーカーの製品を比較検討した中で最終的に「SS9100」を選んだ理由は、「障害対応において特に優位性を感じたから」だという。もちろん、長年の付き合いがあり、今回の提案においても最適なシステム構築へのアドバイスを盛り込んだオーティ・コムネットに高い信頼を寄せていたことが、沖電気製品の選択に大きく貢献したことは言うまでもない。
新しいシステムは2005年10月、まず「SS9100」を設置した中央研究所のオフィス内で稼働を開始した。翌11月には本社、そして営業開始を控えた厚木工場の準備が完了。3拠点を結ぶIPセントレックスシステムとしての本格運用へと移行した。

トーモクが導入した企業内IPセントレックスシステムの構成
具体的なシステム構成は図の通り。「SS9100」は2台で冗長構成を組んだ。本社と厚木工場には、「サバイバルサーバー」を設置。これにより、万が一のトラブルも迅速に復旧できるようにした。ネットワークのダウンや、中央研究所側のシステムに障害が発生しても、即座に端末制御機能が起動する。
各拠点の構内配線には、既設のLANケーブルをそのまま使用することで設備コストを抑えた。VLANによるデータ通信とのセグメント分けをしたうえで、3拠点合計で固定IP電話機150台と、「Com@WILLソフトフォン」15台を接続した。
外線用の一般電話回線や屋外設置の受付用アナログ電話機については、拠点ごとに管理・運用する体制とした。これらを収容するための「IPLTU」を、各拠点に設置した。
また、国内30カ所に及ぶ他拠点では、既設PBXを継続利用しているが、ここにも沖電気のVoIP ゲートウェイ「BV1270」を導入。これにより、広域イーサネット上での内線通話をすべてIPで統合した。
機能・操作性は「従来通り」

ソフトフォン「Com@WILL」は、
注文受付を担当する
営業アシスタントが活用している。
既存ダンボール工場の
イメージを払拭した
新設・厚木工場
さて、IPセントレックスシステムの導入効果は、どのように表れているのだろうか。まず、通信制御機能の一元化による管理コストや、レイアウト変更に伴う移設コストの低減が期待される。この点に関しては、運用開始から間もないこともあり、数値的な実証はまだなされていない。
しかし井ノ上主任は、運用面ですでに掴んでいる効果を次のように語る。「固定電話に関して、あえて『何も変わらない』点にこだわりました。つまり今後の発展に備え器を大きくしたのです」。エンドユーザーにシステム変更の違和感を与えないことが、結果として管理側の負荷軽減にもつながっているのだ。
これに加えて、ソフトフォンの導入が、従来にない電話の利用形態を生み出している。現在は、営業アシスタントのPCにソフトフォンをインストールし、顧客からの電話に対する応答と、受注業務をPC画面ですべて処理できるようにしている。今後は、「映像通信を取り入れ、拠点間で製品の詳細画像を共有しながらのミーティングや、トラブル対応などに活用していきたい」という。
もちろん最終的には、VoIPゲートウェイで接続している拠点すべてのPBXを撤廃し、IPセントレックスシステムにより一元管理された全社ネットワークを完成させたい考え。ただ、この目標を達成するには、予算をどう捻出していくかという課題が浮かび上がってくる。
この点を捉えて井ノ上主任は、「いくら優れたシステムでも、無理な設備投資はできないのが企業の実情です。しかし、今回導入したIPセントレックスシステムは、段階的な拡張が可能ですから、長期的な視点でプランを立てることができます」と、新システムによってもたらされたもう1つの大きな導入メリットを掲げている。
株式会社リックテレコム
テレコミュニケーション 2006年5月号 No.262(第23巻 第5号)より転載
- ※製品写真や見出し部分は、沖電気工業にてHTML用に追加・修正しています。
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