導入事例 サッポロビール株式会社 様
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概要

「黒ラベル」や「ヱビスビール」、「ドラフトワン」で知られるサッポロビール。同社では2005年末から、電話システムの全面的な刷新に取り組んでいる。コストの削減を図るとともに、変化に即応できる業務基盤を構築するのがその目的だ。その中で、特に内線電話網のフルIP化に関する中核製品として選定されたのが沖電気のIPテレフォニーサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」。コスト削減効果や将来に向けた拡張性が、採用の決め手となった。同社では、情報(IT)と通信(IP)技術を融合させ、ビジネスの可能性を広げつつある。
目的・課題
コスト削減効果と安定性、拡張性
3つの評価項目でSS9100が最高点

サッポロホールディングス株式会社
ビジネスサポート統括部
左から、斉藤守男氏、
佐藤史子氏、寺倉孔雄氏
永田千帆氏、奥村信博氏
情報(IT)と通信(IP)技術の融合が、ビジネスに様々な可能性を切り開きつつある。沖電気は「AP@PLAT」というコンセプトを掲げ、これまで培ったITとIPの技術をベースに、企業の多様なビジネスをサポートしている。
AP@PLATは、沖電気が提供する製品群によって構成されるが、その代表的な製品の1つがIPテレフォニーサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」(以下、SS9100)。IPネットワーク上の音声データや音声端末を一元的に管理できる製品だ。
このSS9100を活用して、電話システムの刷新に2005年12月から取り組んでいるのが、「黒ラベル」や「ヱビスビール」、「ドラフトワン」で知られるサッポロビール。業界を取り巻く市場が変化のスピードを速める中、同社でもそれに見合った経営体制を整備する必要があったのだという。
サッポロビールの総務業務を請負うサッポロホールディングス(株)ビジネスサポート統括部 総務センター長を務める寺倉孔雄氏は、今回の狙いについて「当面はコスト削減を期待していますが、将来的には変化に即応し業務効率向上を支える基盤づくりを目指しました」と語る。
今回の対象となるのは全国の44拠点で、刷新にはおよそ2年かかる予定だ。同プロジェクトの柱は3つ。内線電話網のフルIP化、外線電話の新型固定電話サービスへの切り替え、そして内線電話用とデータ用WANの統合だ。このうち、内線電話網のフルIP化を沖電気工業が担っている。
システム・効果
経営スピード向上で増える組織改変
レイアウト変更のコストを削減
プロジェクト全体の中で、内線電話網は社内コミュニケーションを支える基盤と位置付けられる。その更新に至った直接的な理由を、寺倉氏は次のように説明する。
「以前のPBXの中にはかなり前から使っているものもあり、老朽化が進んでいました。機器を入れ替えるのなら、将来のために最新の仕組みを導入しようと考えたのです」
加えて、運用コストの削減や経営スピード向上という狙いもあった。従来の内線電話網では全国の拠点ごとにPBXが配置されており、その設定も各拠点で行っていた。そのため、運用にかかる負荷も大きな課題となっていたのである。
「組織改変などに伴うオフィスのレイアウト変更などに際して、PBXの設定を手直しする手間やコストが各拠点の負担になっていました」
サッポロビールでも年を追うごとに組織改変の頻度は高まっており、プロジェクトベースでの業務も増えている。こうした課題を解消し、スピード経営を支える基盤として選ばれたのがSS9100だ。導入後には、レイアウト変更があってもパソコンとIP電話機だけを持ち運べば同じ電話番号を使えるようになる。
2006年2月の段階で、同社の全国拠点のうち東北と中四国、九州地方の中心拠点では内線電話のフルIP化が完了。最終的には、SS9100が集中制御するIP電話機の数は3000台近くになる。そのうち多機能IP電話機が約1900台、FOMA/無線LAN対応のデュアル端末が約900台。拠点ごとに設置していたPBXは順次撤去して、運用の負荷を軽減していく計画だという。
プロジェクトに先立ち、同社は複数社に対して提案を依頼している。その中から内線電話網の中核として、SS9100を選定した理由はどのようなものだろうか。寺倉氏が挙げたのは、コスト削減効果と安定性、拡張性である。
「SS9100の備えた十分な障害対策レベル、さらに従来型PBXの機能を使えることは、運用面も含めたコスト削減効果につながります。また、時間をかけて新システムに切り替えるので、移行時の安定性も重視しました。そして、今後の業務改革を考慮して、将来に向けて様々な可能性のある仕組みを選びました」
同社の評価によると、これらの3つの項目すべてでSS9100は最高点を獲得したという。

サッポロビールの音声ネットワーク
今後の展開
ITとIPとの融合基盤の上で素早い業務改革が可能になる
今回のプロジェクト全体に要する投資額は3億3000万円だが、同社では刷新の効果により年間1億円のコスト削減効果を見込んでいる。コスト面の効果は早期に現れるが、寺倉氏の期待が大きいのはむしろ業務改革促進という長期的な効果だ。特に、IPベースの内線網は社内コミュニケーションの形を変える大きな可能性を持っている。
「IP-PBXを外部リソースとして活用することも検討しましたが、結局は保有することを選択しました。自社で持っていた方が、今後の変化に機敏かつ柔軟に対応できると考えたからです」という寺倉氏。同氏が具体的に想定しているのは、オフィスのフリーアドレス化やソフトフォン、オフィスCTIの導入である。
「もちろん、今のところアイデア段階ですが、フリーアドレス化はスペースコスト削減とともに業務効率向上を期待できます。様々な部門が日常的にコラボレーションをしやすい環境づくりもできるでしょう」
また、寺倉氏がソフトフォンやオフィスCTIの必要性を感じている背景には、業務の集中化という動きがあるという。SS9100を活用した内線用機器の集約も、その一環としてとらえることができるだろう。
「他企業も同様だと思いますが、当社でも様々な業務を集中化させて専門家を育てる方向で組織を改変しています。特定の業務について、これまでは身近な人に聞けばよかったのですが、今後は直接関係のなかった担当者に聞く機会も増えるでしょう。例えば、地方の営業担当社員が、営業車両について質問があれば、東京の総務センターに問い合わせる形になります。こうした遠隔地間のコミュニケーションを円滑に行うため、電話をかける際に写真やプロフィールが画面に表示されるオフィスCTIは有効でしょう」と寺倉氏は説明する。
将来的には、画像を使ったコミュニケーションも視野に入れる。現在、同社ではテレビ会議システムを運用しているが、「日常的な業務で頻繁に画像をやり取りするには、画像をパソコン画面に表示しながら、IP電話を使って打ち合わせる方が業務効率も上がるでしょう」と寺倉氏は述べる。帯域を増やす必要はあるだろうが、今回実現する内線電話・データの統合WANに画像を載せることは十分に可能だ。
「新電話システムの活用法については、それぞれの業務部門から今後多くの提案が出てくるでしょう。それらの多様なニーズを素早く実現するインフラが整うことで、業務改善のスピードも速くなると思います」と語る寺倉氏。同社では、いまIPとITの融合技術を最大限に生かすためのアイデアを温めているところだ。
企業情報
サッポロビール株式会社
- 設立
- 2003年7月1日
- 創業
- 1876年9月
- 資本金
- 100億円
- 売上高
- 3410億円(連結)
- 従業員数
- 2050名
- 事業概要
- サッポログループは、2003年7月にサッポロホールディングス(株)を純粋持株会社とする新体制に移行した。新生サッポログループの中核事業として、酒類事業を柱に、アグリ、プラント、食品、物流といった各事業を展開している。
日経BP社
日経コミュニケーション 2006年3月15日発行(第458号)より転載
- ※製品写真や見出し部分は、沖電気工業にてHTML用に追加・修正しています。
- ※このページに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。