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IPテレフォニー

導入事例 森永乳業株式会社 様

バックアップ回線を活かしたIP電話でコスト削減 企業内IPセントレックスへのマイグレーションも視野に

概要

関連会社を含めて国内240拠点を結ぶ、極めて大規模なWANを刷新した森永乳業株式会社では、運用にかかるコストの削減も重要な課題だった。その解決策として、バックアップ用に導入しているNTTのフレッツサービスをIP電話に活用。沖電気のIPテレフォニーサーバー「IP CONVERGENCER Server SS9100」と、SIP対応VoIPゲートウェイ「BV1270SIP」を導入することで、既存電話設備を変更することなくIP電話が導入できた。さらに、企業内IPセントレックスや業務システムとの連携など、今後の展開にも備えている。

目的・課題

IP-VPNと広域イーサを組み合わせた大規模ネットワークの刷新を検討


森永乳業株式会社
執行役員
情報システム部長
木村康二氏

乳製品の製造・販売において国内市場のリーディングカンパニーである森永乳業では、全国68拠点と関係会社の172拠点を合わせた、合計240もの拠点を結ぶ大規模なWANを2001年に構築し、SCMシステムや情報共有システムを運用していた。

従来のネットワークは、IP-VPNと広域イーサネットを組み合わせたもので、大容量の帯域を必要とする拠点を広域イーサネットに、その他の拠点をIP-VPNに接続していた。そして、IP-VPNと広域イーサネット間は、森永乳業のデータセンター、「さがみ野研究・情報センター」(さがみ野センター)が中継することで相互に通信していた。さらに、メイン回線であるIP-VPNや広域イーサネットの他に、すべての拠点をISDN網にも接続しておくことで、メイン回線に障害が発生しても通信が確保できる環境を整えていた。

しかし、システムへのアクセスおよび拠点間通信でさがみ野センターを経由する従来の構成では、同センターのアクセス回線の帯域がボトルネックとなってしまう。また、さがみ野センターがダウンすると、拠点間通信ができなくなるというリスクもあった。

森永乳業および関連企業全体の情報システムを統括する森永乳業 執行役員 情報システム部長 木村康二氏は、「システムの増加やメールの添付ファイルの肥大化が帯域を圧迫し、システムのレスポンスが低下していました。わずか数秒間の“砂時計”の表示でも、それが1日数十回、5,000人規模になると、業務効率の低下は甚大です」と説明する。

中継センターとバックアップ回線でネットワークの高速化が課題に


森永乳業株式会社
情報システム部
マネージャー
植田昌章氏

森永乳業株式会社
情報システム部
主任
高橋秀知氏

バックアップ回線も課題だった。情報システム部 主任 高橋秀知氏は、「メイン回線の障害時でも通信を確保できるものの、ISDNの帯域では業務に支障を来してしまいます」と説明する。

また、情報システム部 マネージャー 植田昌章氏は、以前より導入を検討していた内線網のIP化においても、「IP電話を導入すると拠点間の通信が著しく増加するため、さがみ野センターのアクセス回線がボトルネックになり、従来の構成では導入できない恐れがありました」と続ける。

メイン回線に関する課題は、IP-VPNと広域イーサネットを直接接続する「インターワーク」を実現することで解決できる。また、バックアップ回線は、コストパフォーマンスに優れるブロードバンド回線を利用すれば高速化できる。

しかし、コストの壁に直面した。木村氏は、「情報システムへの投資が膨らむ中で、従来のコストを維持もしくは削減しながら環境を向上させることも重要な経営課題です」と語る。特に、バックアップ回線に関しては、平常時は利用しないため、できるだけコストを費やしたくないというのは当然である。しかし、バックアップ回線を高速化するには、ISDN回線以上のコスト増が必至だ。

この問題を解決したのが、平常時にバックアップ回線でIP電話を利用するというアイデアだった。NTTフレッツサービスでブロードバンド化したバックアップ回線を、普段は内線電話に利用し、データ通信でバックアップ回線が必要となった場合は、外線経由で内線電話を利用するというものだ。これなら、バックアップ回線を有効利用でき、そのうえIP電話による通信コストの削減も期待できる。

だが、木村氏は、「IP電話の導入には、PBXや電話機のリプレースが伴うと考えていたため、初期コストの負担を危惧していました」と語る。検討当時、PBXをリプレースしたばかりの拠点もあり、一斉にIP電話を導入することは不可能だった。かといって、導入拠点が少ないと、コストメリットが期待できない。

そこで、森永乳業のネットワーク・アウトソーシングによるネットワーク構築を担当した、AT&Tグローバル・サービス株式会社 第二営業本部 担当部長 野村隆一氏は、森永乳業及び社内技術部門との度重なる要件検討の結果、既存電話設備を変更することなく内線網をIP化できることが決め手となり、沖電気の「IP CONVERGENCE Server SS9100」と「BV1270SIP」の導入を提案した。

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システム・効果

内線網のIP化が通信コスト削減に有効
既存電話設備を活かしてIP電話を導入

木村氏は、「沖電気のBV1270SIPによって、既存のPBXや電話機をそのままIPネットワークに接続でき、内線網をIP化することができました。さらに、IP CONVERGENCE Server SS9100によって、拠点に設置したBV1270SIPを一元管理できる環境も実現しています」と評価している。

ネットワークを全面的に刷新した森永乳業では、バックアップ回線のブロードバンド化によって月額200万円以上のコスト増が生じたものの、68拠点、約80台のPBXをIPネットワークに接続したことで、月額230万円の削減に成功。さらに、インターワークの実現に伴うIP-VPNと広域イーサネットのキャリア統一や、アクセス回線および構成を最適化によって月額約80万円を削減し、月額合計85万円ものコスト削減に成功したのだ。


森永乳業のネットワーク構成

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今後の展開

今後の展開について木村氏は、「IP電話を関連会社にも展開して、コストメリットを追求したいと考えています。さらに、拠点のPBXを廃止できるIPセントレックスも、コスト削減の有効策として期待しています」と語る。

沖電気のIP CONVERGENCE Server SS9100には、企業内IPセントレックス機能が搭載されているので、設備を増設することなく、しかも拠点ごとにIPセントレックスの導入を進められる。また、通常のIPフォンに加えて、FOMA/無線LANデュアル端末、e音ソフトフォンなどワークスタイルに応じた端末の使用や、業務アプリケーションとの連携にも、IP CONVERGENCE Server SS9100で対応できる。そして、AT&Tグローバル・サービス株式会社のビジネスパートナーである、ネットワンシステムズグループのメディア通信システム株式会社の協力により、スムーズな移行が順次行われている。

「IPテレフォニーを事業の中核としている沖電気のソリューションだから、今後も安心して利用できる」(木村氏)という期待通り、今後も森永乳業の情報システム戦略に、沖電気のIP CONVERGENCE Server SS9100が重要な役割を担っていくことだろう。

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企業情報

morinaga 

社名
森永乳業株式会社
創業
1917年(大正6年)
設立
1949年(昭和24年)4月
資本金
217億400万円
売上高
4,568億800万円(平成15年度)
従業員数
3,257名
事業内容
牛乳、乳製品、アイスクリーム、飲料その他の食品等の製造、販売
  • 売上高を除き平成16年3月31日現在

日経BP社
日経コミュニケーション 2005年4月1日発行号(No.435)より転載

  • 製品写真や見出し部分は、沖電気工業にてHTML用に追加・修正しています。

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