導入事例 株式会社神戸製鋼所 様
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概要

社内情報基盤「コベルコネット」のIP化によるデータ系と音声系のネットワーク統合へのプロジェクトを推進してきた神戸製鋼では、2002年に事業所間の通話のIP化を実現。昨年からは、沖電気のIPテレフォニーサーバ「IP CONVERGENCE Server SS9100」を採用し、企業内IPセントレックスシステムの構築に着手した。そして今年1月、東京本社に約2,000台のIP電話機を導入して社内IP電話の運用をスタートさせた。今後は、2008年までに全国15ヵ所、1万台規模のIP電話化を図るという。実現すれば、国内最大級のIP電話システムとなる。
目的・課題
IPネットワーク統合に向け、PBXからIPセントレックスへの移行を検討

神戸製鋼所
経営企画部
IT企画室 室長
林高弘氏
鉄鋼大手の神戸製鋼所では、全国130ヵ所の事業所を結ぶ社内情報基盤として、1986年に「コベルコネット」の音声網を構築した。また、製品の受発注や諸経費の管理、インターネットの閲覧や電子メールの送受信などのデータ網については、1998年からIP統合を進めてきた。
しかし、ここに来て設備の老朽化や運用コストの高騰などの様々な問題が表面化してきた。
こうした状況のもと、社内情報基盤の再構築を図るべく2002年にはNTTコミュニケーションズのネットワークサービス「Arcstar IP-VPN」を採用して、事業所間の通話のIP化を実現した。さらに、旧来の音声網とデータ網の統合による通信需要への迅速な対応とレスポンスの向上、そしてコスト削減に向けた取り組みが継続して行われてきている。
今年1月より東京本社でスタートした社内IP電話の利用は、これら一連の取り組みの1つでもある。主要拠点で稼働しているPBXの老朽化と更新に向けた対策が、このプロジェクトの主要課題だった。
神戸製鋼所 経営企画部 IT企画室 室長の林 高弘氏は、「厳しい経済状況のなかで、鉄鋼業界も例外ではありませんでした。生産設備への優先投資とコスト削減が求められるなかで、PBXの更新が遅れ今後の利用が不安なものも出てきていました。一方で、IP化ではコベルコネットのWAN側を完了しており、これとの相乗効果を期待して東京本社を手始めに、主要拠点のPBXをIPセントレックスにリプレースすることにしました」と説明する。
その最大の狙いは、通信コストの大幅な削減と生産性を向上することにある。特に、コスト削減では各拠点のPBXの保守費用やレイアウト変更などによる運用費などの削減が可能になる。
最大生産拠点のIP電話化とIPセントレックスとの整合性が課題に

神戸製鋼所
経営企画部
IT企画室
田口雅昭氏

コベルコシステム
サービス事業部
ネットワーク本部 本部長
有馬俊一氏
東京本社のIP電話化と並行して、神戸製鋼所最大の生産拠点である加古川製鉄所のPBXのリプレースも実施された。工場施設内ではモバイルでの通話環境が求められており、これまでにもアナログ式の構内PHSを導入していた。しかし、利用が一部のエリアに制限されていたことで、そのメリットを十分には活かしきれていなかった。
今回のシステム開発の総合コーディネートを担当したコベルコシステム サービス事業部 ネットワーク本部 本部長の有馬 俊一氏は、「4,000台規模の電話施設とモバイル環境という特殊性から、IPセントレックスよりもIP-PBXを選択しました。もちろん、IPセントレックスとの整合性も考慮に入れる必要がありましたし、製鉄所ならではの施設環境に適応可能なシステムを開発するために、様々な課題をクリアしなければなりませんでした」と説明する。
大規模な加古川製鉄所のIP電話化。さらには、全社展開するIPセントレックスとの整合性。そして、なによりも重要な点は東京本社を皮切りに、今後全社を段階的にIPセントレックスへ移行させなければならなかった。
IPセントレックスシステムの選定には、これら重要課題に柔軟に対応ができることが絶対的な条件だった。
しかし、解決しなければならない課題はそれだけに止まらなかった。「最も重要なことは、従来から使用しているWAN側のIP電話システムとの連携が必要だったことです」と、有馬氏は指摘する。
完成すれば国内最大級というIP電話システム開発の裏側では、大規模な企業運営に支障をきたすことは絶対に許されないという重要命題が課せられていた。
システム・効果
実績を裏付けにパートナー間の信頼関係がプロジェクトを成功に導く
神戸製鋼所が採用したIPセントレックスシステムは、沖電気のIPテレフォニーサーバ「IP CONVERGENCE Server SS9100」(以下、SS9100)をベースとしたものだ。SS9100はIPセントレックスをはじめ、FOMA/無線LANデュアル端末によるモバイルセントレックス、さらには業務アプリケーションとの連携まで、次世代のワークスタイルを見越したフレキシブルかつスピーディーな企業ニーズに対応することができる。段階的な移行と柔軟な対応を望む神戸製鋼所の意向に最も沿ったソリューションだった。
そしてもう1つ、沖電気の製品を採用する理由があった。それは、2002年に導入したコベルコネットのWAN側のIP化には、沖電気のVoIPゲートウェイが採用されていたこと。実は、このときには数社の製品を対象に数々の検証を行ったものの、結果的に十分な結果を得られたのは沖電気の製品だけだったといういきさつがある。
とはいえ、IPセントレックスシステムは初の試みゆえに、不安材料も多い。しかし、「3年前にWAN環境をIP化していた経験が、ここでも大きな支えになりました。新しい技術への不安は以前と同じでしたが、共に経験を積んできたパートナーゆえに冷静に目の前の課題を解決することができました」と、有馬氏は語る。
加古川製鉄所のIP-PBXには、同じく沖電気の「DISCOVERY01」を採用した。また、東京本社の2,000台のIP電話機にも沖電気の製品が採用された。
切り替えの準備作業は、最も業務に影響の少ない12月29日から1月3日の6日間で行われた。SS9100を神戸センターに設置して、幾度となくテストを繰り返していった。神戸製鋼所 経営企画部 IT企画室 田口 雅昭氏は、「導入に際しては、新しく三者会議と番号通知の機能を加えたものの、従来どおりの操作性を踏襲するようにしたので大きな混乱はありませんでした」と説明する。
今回のプロジェクトを振り返り、林氏は「従来からの番号体系の踏襲や電話操作の調整など、沖電気さんにはこと細かなところまで苦労いただきました。そこが、大きな問題もなく新システムを稼働できた最大のポイントだと思っています。また、既にあるコベルコネットとの整合性だけでなく、我々の手足となって現場で利用者のニーズのとりまとめに奔走していただいたコベルコシステムさんの活躍にも感謝しています」と語る。

神戸製鋼所のネットワーク構成
今後の展開
鉄鋼業界初の試みとなるフルIP電話化により、東京本社だけで年間約1億円のコスト削減を見込む。また、今後は全国の拠点に拡張を進め、2008年までに全国15ヵ所、1万台規模のIP電話化を図る予定で、実現すれば国内最大級のIP電話システムが完成する。
企業情報
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- 社名
- 株式会社神戸製鋼所
- 創立
- 1911年(明治44年)6月
- 資本金
- 2,181億円
- 売上高
- 8,011億円(平成15年度)
- 従業員数
- 8,586名
- 事業内容
- 鉄鋼・溶接、アルミ・銅、都市環境・エジニアリング、機械、建設機械などの製造
- ※売上高を除き平成16年3月31日現在
日経BP社
日経コミュニケーション 2005年5月15日発行号(No.438)より転載
- ※製品写真や見出し部分は、沖電気工業にてHTML用に追加・修正しています。