導入事例 ちば興銀コンピュータソフト株式会社 様
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概要
ちば興銀コンピュータソフトは2006年3月、沖電気工業の「SS9100」を導入し、端末の半数近くをソフトフォンとする先進的なIPテレフォニーシステムを構築した。同社では、実務における導入効果を追求するとともに、将来的な千葉興業銀行グループ全体でのIP統合システム活用に向けて、機能面の検証や運用ノウハウの蓄積に力を入れている。
目的・課題

千葉興業銀行のグループ会社として1991年に設立された、ちば興銀コンピュータソフト(本社・千葉県千葉市、石田康明社長)は、同銀行の企業顧客を対象にITシステムの構築支援やアウトソーシングサービス、アプリケーション販売などのSI事業を展開してきた。そして2005年4月からは、親会社のEB(エレクトロニックバンキング)サービスのサポートを含むシステム企画・構築・運用業務全般も手がけることとなった。
この時、千葉市幕張にあったオフィスを、千葉興業銀行本店に隣接するビル(同銀行事務センター)へ移転。併せて、新オフィスの電話環境として、沖電気工業のIPテレフォニーサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100 Type M」(以下、SS9100)による音声・データ統合を実現することにした。
同システムの導入に取り組んだのには、千葉興業銀行での本格的な音声・データ統合ネットワーク構築に先駆けて、システムの評価・検証を実務の中で行っていくという目的もあった。ちば興銀コンピュータソフトの長岡良三取締役副社長は、「IP統合は以前からの検討テーマだったのですが、信頼性を第一とする事業を展開していることもあり、ネットワークに関しても運用面のリスクは極力抑えたいという意向でした」と、当時を振り返る。
そこで、ちょうどPBXのリプレース時期を迎えていた同銀行本店では、ひとまずIP対応へのマイグレーションが可能なシステム(沖電気工業の「DISCOVERY01」)を導入することとし、ちば興銀コンピュータソフト側でのIPテレフォニーシステム運用に関するノウハウを生かしてステップアップを図っていくというシナリオが描かれたのだ。
システム・効果
ベンダー選定は“信頼関係”を重視

「SS9100」でIP統合を実現した
ちば興銀コンピュータソフトのオフィス
システム導入に際してのベンダー選定は、どのような手順で進めたのだろうか。実は、当初から沖電気工業の製品を採用するのがベストと考え、具体的な商談では他ベンダーへの提案依頼などは行わなかった。
もちろん、SS9100そのものの事前評価も行わなかったわけではない。ちば興銀コンピュータソフト・IT企画室の伊藤和行マネージャは、「社内での検討を始める前に、展示会などでベンダー各社の製品をいろいろチェックしました。特に、ソフトフォンの採用を考えていたので、その音質が気になっていたのですが、SS9100が各製品の中で最も優れていると感じました」という。これは、沖電気工業のセールスポイントの1つである「eおと」技術が評価されたわけだ。
ただ、それ以上に同社が重視したのは、システム導入後の運用サポート面に関する信頼関係だった。もともと千葉興業銀行では、本・支店計71店舗で利用しているPBXのうち、9割程度が沖電気工業製だった。また、拠点間のデータ通信網においても同社のシステムを採用していた。「そうした長年の付き合いで築いてきた関係、すなわち私どもの要望や意見に柔軟に対応してくれる体制が、先進的なシステムをきちんと検証していくうえで非常に大事なポイントだと考えました」と、伊藤マネージャは説明する。
銀行側との連絡にIP電話も活用

ソフトフォン「com@WILL」の操作画面
ちば興銀コンピュータソフトの音声・データ統合システムは、2006年3月から運用が開始された。
内線端末としては、ソフトフォン「Com@WILL」を40台、IP多機能電話機を50台導入し、社内LANに接続。また、銀行本店のPBXと専用線で接続し、相互に内線通話が行えるようにした。
局線側は、一般電話回線に加え、銀行側各店舗とともにIP電話サービスを採用。拠点間での無料通話や安価な外線通話をランニングコスト削減に役立てている。
ソフトフォンは、銀行本店との通話の頻度が高いシステム開発部門と、各店舗からのシステム問い合わせに対応するヘルプデスクおよび顧客からの問い合わせ窓口であるEBサポートセンターのスタッフが利用している。内線通話、IP電話サービス経由での着信、一般電話回線経由での着信と、電話の主用途がそれぞれ異なる部門に配備したことからも、ソフトフォンの使い勝手を多面的に検証しようという意図がうかがえる。
他方、外線発信時のダイヤル操作についても、ちょっとした工夫を凝らしている。沖電気工業からの当初の提案は、以前から使っていた一般的な“0発信”で一般電話回線を利用するというものだった。しかしこれでは、通話料の安いIP電話サービスがあまり利用されなくなると考え、0発信で自動的にIP電話サービスを利用し、一般電話回線は別のダイヤルを押さなければ利用できない形に設定変更した。

ちば興銀コンピュータソフトが導入した「SS9100」のシステム構成
評価
遠隔会議用の各種機能も検証
新システムに対する評価はどうだろうか。
まず、通話音声の品質に関しては、導入前に伊藤マネージャが確認した時と同様の高い評価が、実際の利用現場からも返ってきている。
ソフトフォンについては、運用開始当初に違和感を唱える声も多くあったが、慣れるにしたがって、簡便な電話帳登録など操作性のよさが認識されるようになってきた。
ただ、銀行本店側とのやり取りが多いシステム開発部門では、IPテレフォニーの特徴の1つであるプレゼンス情報を本店側のスタッフと共有できないため、内線呼び出し・応答の面で多少の不満があがっているという。こうした課題を解消していくうえでも、千葉興業銀行側での音声・データ統合が早期に展開されることが期待されるところだ。
伊藤マネージャは、「当社の実務ベースではあまり活用できるものではないのですが、ソフトフォンのビデオ会議・ホワイトボード共有・アプリケーション共有機能なども試験運用し、グループ会社全体でのIPテレフォニーシステムの導入効果を検証していきたいと考えています」という。
株式会社リックテレコム
テレコミュニケーション 2006年9月号 No.266(第23巻 第9号)より転載
- ※製品写真や見出し部分は、沖電気工業にてHTML用に追加・修正しています。
- ※このページに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。