導入事例 学校法人カリタス学園 様
![]()
概要

学校法人カリタス学園では、カリタス女子中学高等学校の新校舎建設に伴い、モバイルセントレックスシステムを活用した新ネットワークを導入した。新ネットワークでは、音声系とデータ系をIPで一元化。沖電気工業のIPテレフォニーサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」と無線LANアクセスポイント「MWINS BR2102」を組み合わせて活用している。これにより、新しいコミュニケーション手段を図れるようになるとともに、将来の拡張性にも富んだ内線電話/データ通信の仕組みができ上がった。
目的・課題
居場所が散らばって必要になったモバイルのコミュニケーション手段

これまで異なる分野として発展してきたが、現在では情報通信という大きな1つのエリアを形成するようになった情報(IT)と通信(IP)。沖電気はこうした変化を背景に「AP@PLAT」というコンセプトを掲げ、新しい価値創造とビジネスの創出をサポートしている。
ここで紹介する学校法人カリタス学園もそのユーザーの1つである。
同学園は、カナダのケベック・カリタス修道女会から日本に派遣されたシスターの尽力により、1960年に設立された学校法人。カトリックの教えをベースにした豊かな人間教育が大きな特長で、幼稚園から短期大学にいたるまで、一貫した教育に取り組んでいる。この中で、中等教育の役割を担うのがカリタス女子中学高等学校である。同校では、2006年に新校舎を建設したことを機に、モバイルセントレックスシステムを導入している。
同校で校長を務める村井幹子氏は、この経緯について次のように説明する。
「従来は、音楽や理科など特別な施設を要する授業だけを専用教室で行い、他の授業はホームルーム教室を使っていましたが、この4月から、すべての授業を教科ごとに設けたゾーンで行う“教科教室型運営方式”に変更しました。“一人一人を大切にした心の教育の充実”と“自律した学びの姿勢を養う教育の実現”がその目的です。ただし、問題となることが予想されたのは、事務局と教員、あるいは教員間でのコミュニケーションでした」
以前は、インターホンで呼び出していたが、今後教員が各ゾーンに散らばっている時間が増えると、今のままでは限界がある。そこで、新しく効率の良いコミュニケーションの方法が必要だったのだ。
システム・効果
費用、将来性、セキュリティなどを総合的に判断し沖電気製品に決定
こうした課題を解決するにあたって検討されたのは、携帯端末の活用である。しかし、LANとは別に音声系の無線ネットワークを敷設すれば投資額は増加する。そこで、同校ではデータと音声を1つのネットワークに統合する、モバイルセントレックスシステムの導入を決めた。
その際に大きな要件となったのは、1.工事費用や保守・運用費用が削減できること、2.音声の品質がクリアでありセキュリティが万全であること、3.将来的な拡張性に優れること、の3つだった。
「費用や将来性はもちろんですが、セキュリティに関しても万全な管理が行えるようにお願いしました」と村井氏は振り返る。費用面に関しては、無線ネットワーク内であれば携帯端末間の内線通話料がかからないことも大きなポイントとなった。
これらを総合的に判断した結果、最終的に選ばれたのが、沖電気のIPテレフォニーサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」(以下、SS9100)と無線LANアクセスポイント「MWINS BR2102」の組み合わせだった。
音声系の通信をSS9100が制御
運用費用の削減や将来的な統合にも期待
新ネットワークは、新校舎の建設と歩調を合わせながら、2005年10月に構築を開始。2006 年3月には稼動している(図)。インテグレーションは、沖電気グループの沖ウィンテックが担当した。
携帯端末(内線電話端末)には、「FOMA/無線LANデュアル端末」70台が常勤の教職員全員に配布された。その一部は外線にも接続可能だが、大半は「白ロム」と呼ばれる無線LAN環境での内線専用端末。使い勝手は変わらないが、外部で使用できないためセキュリティを確保できる。
そして、デュアル端末と無線LANの接点となるアクセスポイントがMWINS BR2102だ。校内に188台設置され、データ通信用PCともやり取りしている。同製品は、データよりも音声を優先して制御する機能を搭載。さらに高速「ハンドオーバ」機能により、校内を移動しながらでもクリアで途切れのない会話が可能となる。携帯端末を通じて重要な連絡を行う場合もあるため、快適なコミュニケーションを行う上で大きな役割を果たしている。
全体のシステムとしては、SS9100が音声系の通信を制御し、IPによる内線電話機能を実現。今後の設定変更や新規配線がほとんど不要になるため、運用費用の削減も期待できる上、将来的な統合もSS9100で行うことができる。
導入後さほど時間は経っていないが、モバイルセントレックスシステムの滑り出しは順調だという。「非常に音声がクリアな上、コミュニケーションもスムーズです」と村井氏は評価する。

カリタス女子中学高等学校のネットワーク構成
今後の展開
今回のモバイルセントレックスシステムによって、教職員の活動もよりアクティブになりつつある。「緊急の場合にもすぐに連絡できるので、教職員の行動の自由度も高まりました」と村井氏。今後は、メールや掲示板の活用も視野に入れており、電話・メール・対面をおりまぜ、さらなるコミュニケーションの向上を図っていく考えだ。
その他にも、同校では様々なアプリケーションとIP電話を融合させた仕組みも検討していく予定だ。例えばWeb会議。すでに、フランスとの共同授業やカナダ研修時のホームステイ先とのコミュニケーションのために一部利用されているが、音声や映像、データをリアルタイムに共有するなど、その活用をさらに広げていくことも可能だ。こうした新しい仕組みが今以上の力を発揮していくことになるだろう。
企業情報
学校法人カリタス学園
- 設立
- 1960年
- 理事長
- クローデット・ベルニエ氏
- 生徒総数
- 2,264人(平成17年5月1日現在)
- 教職員数
- 281人(平成17年5月1日現在)
- 概要
- カリタス学園は男女共学の幼稚園と小学校、そして女子中学高等学校、女子短期大学で構成される。「カリタス」はラテン語で「愛」を意味する。「信・開花・交わり・奉仕」という4つの理念を掲げ、カトリックの教えに基づいた教育を実践している。
日経BP社
日経コミュニケーション 2006年6月15日発行(第464号)より転載
- ※製品写真や見出し部分は、沖電気工業にてHTML用に追加・修正しています。
- ※このページに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。