チェアタイムのスピーチ(発表者:渡邉)
1999年9月14日〜16日、国際コンピュータ通信会議1999(International Conference on Computer
Communication 1999)が、東京国際フォーラムで開催されました。デジタル革命の最前線の技術開発状況についてグローバルな視野から総合的に展望できるプログラム構成の国際会議で、沖電気も発表に参加しました。
同会議の参加論文の募集は、1998年の9月に行われ、沖は、聴覚に障害を持つ社員が中心となり、ハンディキャップ者に易しい、マルティメディア社会へ向けてのユニバーサル技術、「メディアコンバージョン(MC)技術」についての論文を提出しました。そして、1999年5月、この論文は、最高得点を取得し採択されました。その結果、国際コンピュータ通信会議1999で、この「MC技術」の概念を発表することとなり(写真上)多くの反響を得ることができました。来訪者は約30名で、主にNTT、SONY、ゼロックス、電力中央研、フランス放送機構の皆様より興味深い質問を頂きました。「MC技術」は、音声、テキスト、画像、映像それぞれのメディアをユーザーのニーズに合わせて任意に変換するものであり、様々な障害を持つ人にも健常者にも便利な、ユニバーサル情報通信サービスへの応用ができます。
沖は、共用品・共用サービスに関して前向きに取り組んでおり、今回の発表もその一環としてのものです。
論文:"Networked Mutimedia Communication for the Hearing Impaired"
International Conference on Computer Communication 1999
Digital Convergence for Creative Divergence Vol.2
(ISBN 1-891365-05-3)、pp.234-241
発表者:竹本光雄、○海老根進、松井葉子、畠山順子、○松村研、○渡邉尚洋
(○は、聴覚に障害を持つ社員)
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質疑応答(右端:海老根、中央:松井)
来訪者の質問を熱心に聞く海老根と松井。松井は手話通訳もできる |
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チェアマン(右端)と談合する竹本(中央)、渡邉
MC技術に関してコメントする仏放送機構のE.Bourguignat氏 |
主なQ&A: |
Q: |
現在のTV会議、電話(ISDN)による映像で手話のやりとりや唇の読み取りは大丈夫か?(チェアマン=NTT) |
A: |
現在の映像では時間的解像度が低いため認識が難しい。 |
Q: |
実際に沖はMCの研究をやっているのか?(チェアマン=E.Bourguignat,仏放送機) |
A: |
検討中だ。 |
Q: |
MCを製品化するのか?(NTT) |
A: |
その方向で調査/研究中だ。 |
Q: |
ユーザインターフェイスでMCを実現する考えはないのか?(NEC) |
A: |
考えようによっては、インターフェイスにもなり得る。 |
Q: |
画像に出てくるものは何か?(電力中央研究所) |
A: |
人物の顔、表情、リップ、手話などビジュアル情報だ。 |
その他: |
Q: |
音声認識と同じようなものか? |
Q: |
ATMを利用する時、声(キータッチなし)で金が下ろせるような機械と似ているのか? |
Q: |
高齢化による障害にも有効だ。このテーマはSONYがやるべきだ。(SONY) |
論文作成:
共著者:竹本光雄部長(統合デザインセンタ・システムLSI開発第三部)
海老根進(統合デザインセンタ・システムLSI開発第三部)
松井葉子(システムソリューショングループ・メカトロファーム技術部)
畠山順子(本社・情報企画部)
松村研 (沖データ・アフターマーケット事業推進部)
査読者:細野直恒氏(総合企画室技術戦略T)
論文作成の経緯:
1998年09月:論文応募
1998年09月:論文著者を募集
1998年09月:論文著者用メーリングリストを開設
1998年10月:発表内容の骨子を決定
1998年10月:情報収集&執筆を開始
1999年04月:Full Paper Submission (ICCC事務局)
1999年05月:応募論 文採否結果速報(ICCC事務局)で最高得点を取得し採択される
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