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2005年9月12日

世界の3信号処理方式に対応した、車載可能な画像用LSIを開発、量産出荷開始


左:ML86V7668、右:ML86V7655

沖電気工業株式会社(社長 篠塚勝正)は、このたび、世界の主要な3種類のビデオ信号方式に対応し、車載対応(−40℃〜+85℃で動作可能)も可能にした画像用LSIである、ビデオデコーダ「ML86V7668」とビデオエンコーダ「ML86V7655」の量産出荷を開始しました。

画像機器に用いられる世界の主なビデオ信号方式として、NTSC(注1)、PAL(注2)およびSECAM(注3)の3種類があります。従来、画像機器は地域により専用のアプリケーションが多かったため、大市場をカバーするNTSCとPALに対応していれば使用できるケースが大半でした。しかし、最近では全世界対応の画像機器が増えており、NTSC/PAL信号に加えSECAM信号への対応が求められ、3方式に共通に対応できるビデオデコーダの開発となりました。

また、最近は車載モニターで後方監視カメラの映像を表示し、運転者の安全支援を行う機能が一般的になったため、車載用途にもビデオデコーダ、エンコーダの需要が高まっています。

弊社ではこれらのニーズに対応した、車載向けにも適用できる世界標準の画像用LSIとしてビデオデコーダ「ML86V7668」/ビデオエンコーダ「ML86V7655」を開発し、量産出荷を開始しました。これらの動作温度条件として、一般に適用される0℃〜+70℃ではなく、-40℃〜+85℃という厳しい条件を適用しましたので、車載のAV機器、ナビゲーションシステムなどにも使用可能なものとなっています。

また弊社オリジナルである3次元ノイズリダクションFIFOやJPEG内蔵LCDコントローラなど、弊社では他社にない画像用ソリューションを提案できるLSIを持っていますので、今回出荷を開始した「ML86V7668」/「ML86V7655」との組み合わせにより、全世界対応のアプリケーションに対して画像用ソリューションをトータルに提供することが可能となりました。

【主な特長】

ML86V7668ビデオデコーダは、従来のNTSC/PAL信号のみでなくSECAM信号にも対応し、更に車載向けアプリケーションにも使用可能な適応型2次元Y/C分離方式(注4)を特徴とするデジタルビデオデコーダです。

ML86V7655ビデオエンコーダは、現在標準のビデオ信号として使用されるコンポジット信号(注5)、S-Video信号(注6)、コンポーネント信号(注7)が同時出力可能で、車載向けアプリケーションにも対応可能なI/P変換(注8)、P/I変換(注9)機能を特徴とするデジタルビデオエンコーダです。この機能により、NTSC(525i)の画像データを入力してアナログコンポーネント出力からインターレースD1(525i)/プログレッシブD2(525p)(注10)信号を出力することが可能です。

下図はコンポーネント(D1/D2)をモニターに表示した際の映像で、高画質用D2信号(プログレッシブ)が全ライン表示されているのに対し、一般的なD1信号(インターレース)では全ラインが表示されておらず、一本毎に表示されていることが分かります。

左:インターレース写真、右:プログレッシブ写真

【主なアプリケーション例】

【販売計画】

売上目標:
年間20億円(2機種)
シェア目標:
世界市場の25%
サンプル価格:
ML86V7668ビデオデコーダ(税別価格 1,500円)
ML86V7655ビデオエンコーダ(税別価格 1,200円)
量産:
量産対応中
評価ボード:
出荷対応中(お問合せ下さい)

評価ボード写真

左:DECODER ML86V7668、右:ENCODER ML86V7655

【仕様】

  1. ML86V7668
    • ビデオ入力信号:NTSC/PAL/SECAM
    • ビデオ入力端子:S-Video x3/Composite x4
    • 動作周波数:27MHz/24.545454MHz
    • データ出力:Y/CbCr16bit、Y/CbCr8bit/RGB18bit
    • 動作周囲温度:-40℃〜+85℃
    • 電源電圧:I/O 3.3V、Core 2.5V
    • パッケージ:100pinTQFP
  2. ML86V7655
    • ビデオ出力信号:NTSC/PAL
    • データ入力:Y/CbCr10bit/20bit/30bit、RGB30bit
    • 入力走査方式:インターレース、プログレッシブどちらにも対応
    • フォーマット変換機能:I/P、P/I変換可能
    • 出力フォーマット:コンポーネント(D1/D2)or RGB、コンポジット、S-Video同時出力
    • コピーガード出力機能:ML86V7656が対応。(ML86V7655とピンコンパチブル)
    • 動作周囲温度:-40℃〜+85℃
    • 電源電圧:I/O 3.3V、Core 2.5V
    • パッケージ:100pinTQFP

【用語解説】

(注1) NTSC
アメリカ、カナダ、韓国、日本などで使用されるビデオ信号方式。フィールド周期60Hz、ライン数525本、サブキャリア周波数3.58MHz。
(注2) PAL
欧州、中国などで使用されるビデオ信号方式。フィールド周期50Hz、ライン数625本、サブキャリア周波数4.43MHz。
(注3) SECAM
フランス、ロシアなどで使用されるビデオ信号方式。フィールド周期50Hz、ライン数625本、サブキャリア周波数4.40/4.25MHz。
(注4) 適応型2次元Y/C分離
上下のラインや左右のピクセルデータなど同一画面内の画像データを利用して、垂直方向に適したY/C分離、水平方向に適したY/C分離を適応的に使い分けるY/C分離方式。
(注5) コンポジット信号
輝度信号と色差信号(色信号)がひとつの信号に重畳された、一般的なビデオ信号。
(注6) S-Video信号
輝度信号と色差信号(色信号)が分離されたビデオ信号。輝度信号と色差信号(色信号)が分離されているので、Y/C分離の必要がなく、コンポジット信号よりも高画質なビデオ信号。
(注7) コンポーネント信号
輝度信号と色差信号(Cb)、色差信号(Cr)の3つの信号に分離されており、S-Videoよりも高画質なビデオ信号で高画質な画像機器に使用される。
(注8) I/P変換(Interlace to Progressive変換)
インターレース信号をプログレッシブ信号に変換する機能。インターレースは一般的なTV/ビデオ信号の出力方式で、偶数ライン/奇数ラインに分けて画像を表示する方式。プログレッシブは偶数/奇数ライン同時に表示するライン。NTSCの場合、インターレースでは偶数/奇数ラインが交互に252.5ラインずつ60枚/秒表示され、プログレッシブは525ラインがそのまま60枚/秒表示可能。
(注9) P/I変換(Progressive to Interlace変換)
プログレッシブ信号をインターレース信号に変換する機能。
(注10) インターレースD1(525i)/プログレッシブD2(525p)
D1/D2はNTSCの高品位画像用D端子に使用されるコンポーネント信号の名称で、規格的にはD1〜D4まで用意。
 D1:525i、D2:525p、D3:1080i、D4:720p(数字はライン数を表示)
ML86V7655/7656はD1/D2まで対応。525iはNTSCインターレース信号、525pはNTSCプログレッシブ信号を表示。ちなみにPAL信号(インターレース)は625i。


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