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2005年1月24日

太陽電池によるZigBeeセンサネットワークを神戸市で実証実験開始

国土交通省自律的移動支援プロジェクトのプレ実証実験に参加

沖電気工業株式会社(社長:篠塚勝正)は、このたび神戸市において、次世代の近距離無線ネットワーク技術であるZigBee(TM)(注1)と太陽電池を使ったユビキタスセンサネットワーク(注2)を構築し、自律的移動支援サービス実現にむけた実証実験を開始します。今回の実験は、国土交通省が主催する自律的移動支援プロジェクト(注3)のプレ実証実験の一環として行われるもので、神戸市三宮の市街地において、本日より今月28日までの5日間にわたり実施します。

ZigBeeは、ユビキタスセンサネットワークを実現する無線方式として注目を集めており、2004年12月に標準規格が制定されました。無線LANやBluetooth(R)と比較して、省電力であり、かつセッション確立時間が短いという優位性があります。省電力の特徴により、街角で情報を発信するビーコンや人の位置を測定する座標基準となる固定ノードを、太陽電池で動作させることができるため無配線でどこにでも自由に設置することが可能となり、自律的移動支援サービスを普及させる重要な技術になると期待されています。

弊社は、実証実験用ZigBee無線ノード(注4)を開発し、昨年8月に開発パートナへ提供を開始しています。今回の実験では、この無線ノードを固定ノードと移動ノードに利用して、ZigBeeの電波伝搬特性だけでなく、太陽電池による省電力の検証や、移動ノードの位置推定なども行ないます。また、移動ノードとして、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所(所長:坂村健)で開発を進めているユビキタスコミュニケータ(注5)やノートパソコンと接続してデータ測定を行ないます。

今回の実験場所は、屋外の交差点(京町筋日銀前)や閉域である地下街(さんちか)など、通常の実験環境と異なる空間でデータ測定を行なうことが出来るほか、人が多く移動する場合や、車が往来する際の影響も検証することができるため、多くの情報を得ることが可能で、実証実験に適した環境といえます。屋外(京町筋)では、5本の街灯に太陽電池とビーコン用の固定ノードを設置し、歩道や交差点上の移動ノードでデータ測定を行ないます。位置推定時には、補助用固定ノードを歩道上に設置して、位置推定精度を高めます。また、地下街(さんちか)では、天井に15台の固定ノードを設置して、移動ノードによるデータ測定を行ないます。

ZigBeeなどの無線システムは、周囲の環境によってその特性が大きく変動するという特徴を持っており、実用化へ向けてさまざまな条件下での実証実験を繰り返すことが不可欠です。今後弊社では、今回の実験結果を元にZigBeeの特性を検証すると共に、ZigBeeを利用した自律的移動支援サービスを実現するユビキタスセンサネットワーク構築の検討を進めていきます。

【今回の実証実験のイメージ】

【用語解説】

(注1)ZigBee:
短距離無線通信規格の一つであり、2004年12月に規格が完成した。低速で伝送距離も短いが、省電力で低コスト。家庭の場合、照明からホームセキュリティシステムまで、すべてを無線でコントロール可能なネットワークを構築できるようになる。物理層にはIEEE 802.15.4が使われ、無線LAN規格のIEEE 802.11bと同じ2.4GHz帯の周波数帯域を16のチャンネルに分割して利用する。データ転送速度は最大250kbps、伝送距離は屋内で約30m程度であり、一つのネットワークに最大64,000個の機器を接続できる。
(注2)ユビキタスセンサネットワーク:
ビルの中や物流、街中の道路や橋、山や川などさまざまな場所に、温度、湿度、振動など周囲の環境を検知するセンサに小型の無線機を組み合わせたものを設置してネットワークで接続するもの。これにより「いつでも」「どこでも」知りたい情報を入手できるなど、さまざまなサービスが提供できるようになる。
(注3)自律的移動支援プロジェクト:
国土交通省が主催するプロジェクト(推進委員会 委員長:東京大学 坂村健教授)であり、すべての人が持てる力を発揮し、支え合って構築する「ユニバーサル社会」の実現に向けた取り組みの一環として、社会参画や就労などにあたって必要となる「移動経路」「交通手段」「目的地」などの情報について、「いつでも、どこでも、だれでも」がアクセスできる環境を作っていくための検討を行うことを目的としている。弊社は、サポーター企業として参加している。
(ホームページ http://www.jiritsu-project.jp)
(注4)実証実験用ZigBee無線ノード:
弊社で開発した、センサネットワークの評価をするための小型省電力の無線装置のこと。本無線ノードは、無線通信を行なう通信部と、ネットワーク経路制御や認証などの処理、および、アプリケーションの処理を行なうCPU部、センサやコントローラなどを搭載する入出力部から構成されており、C言語で評価用プログラムを開発するだけで、簡単に実験が可能。また、TELECによる電波の技術適合認証を取得しているため、電波暗室を利用することなく、どこでも無線を利用した実験を行なうことが可能。弊社は、本無線ノードを利用して実証実験を積極的に実施し、そこで明らかになった課題を弊社と共同で解決に取り組んでいただける大学や企業を、開発パートナとして募集し、本無線ノードを提供している。
(注5)ユビキタスコミュニケータ:
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所が開発中の携帯型小型通信装置で、IEEE802.11bやBluetoothなどの無線インタフェースの他に、RFIDリーダ.ライタなどの機能を備える。ユビキタス・ネットワーキング化した環境と人間の橋渡しをする、個人が持つ統合携帯端末の未来形。

【YRPユビキタス・ネットワーキング研究所の概要】

所長:
坂村 健(東京大学教授、工学博士)
名称:
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所
設立:
平成14年1月
住所:
〒141-0031 東京都品川区西五反田2-20-1 第28興和ビル

【実験に使用したZigBee無線ノードの概要】

【主な特徴】

  1. ZigBee仕様に基づく無線ネットワーク
  2. TELECによる電波技術適合認証を受けており、どこでも実験可能
  3. POSIXライクのAPIを用意。C言語知識があれば、誰でも簡単にネットワークプロトコルやアプリケーションを実装可能
  4. センサやアクチュエータを搭載したオプションボードを自由に搭載可能
  5. 無線ネットワーク経由でソフトウェア変更可能
  6. さまざまな方式を評価可能とするために、32ビットMPUを搭載
  7. 送信出力制御機能、受信信号強度表示機能を搭載
  8. 本体に内蔵する電池以外に、外部AC電源も利用可能
  9. RS232C経由でPCと接続可能

【主な応用例】

ビル関連:
ビルオートメーション、照明制御、空調制御、セキュリティ管理、建造物診断
製造関連:
双方向リモコン、FA、自動化、製品品質モニタ、盗難モニタ
医療機器:
人間の体調モニタ、フィットネス機器との連携
物流関連:
サプライチェーン環境モニタ、位置管理
環境関連:
気象モニタ、工場や化学プラントなどの環境モニタ
玩具関連:
コントローラ、新しい入力・出力装置
交通関連:
交通量監視
防災関連:
地震モニタ、災害救助

【仕様】

無線部
無線方式:
DS-SS方式、2.4GHz帯、16ch
無線強度:
1mW/MHz以下(ARIB STD-T66準拠)
伝送速度:
250kb/s
伝送距離:
30m(参考値:設置環境に左右されます)
制御部
MPU:
ARM7(32ビット)
ROM/RAM:
512K/32KB
入出力
アナログ入力(AI):
4ポート
アナログ出力(AO):
2ポート
デジタル入力(DI):
4ポート
デジタル出力(DO):
6ポート
外形寸法
本体:
86×62×30mm(突起部分・アンテナを除く、電池ボックス含む)
オプションボード:
54×50mm

センサネットワークイメージとZigBee無線ノード外観写真



本件に関する報道機関からのお問合せ先

沖電気工業株式会社 広報部
電話:03-3580-8950

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

研究開発本部 ユビキタスシステムラボラトリ
電話:06-6260-0700 / Email:rdc-info@oki.com

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