沖電気工業株式会社(社長:篠塚勝正)は、このたびハードディスクドライブ(以下HDD)搭載オーディオプレーヤの主要構成機能をシングルチップで実現する、ARM946E-S(TM)コアのシステムLSI「ML696500シリーズ」2機種の開発に成功しました。本商品は、急拡大するHDD搭載携帯オーディオプレーヤ市場に向けて、本年11月よりサンプル出荷、2005年1月より量産出荷を開始し、05年度に月50万個の出荷を目指します。
インターネット音楽配信が急激に普及し、事業者から配信された曲や、CDからパソコン(以下PC)に転送した曲をデジタルオーディオプレーヤにダウンロードして、音楽を楽しむユーザが増えています。特に、1,000曲以上のデータを持ち歩けるHDD搭載型プレーヤが注目を集めています。しかしながら、PCからプレーヤへの転送速度が遅く、バッテリ寿命が短いなどの課題があり、高速・高性能・小型・低消費電力を実現するシステムLSIの登場が望まれていました。
今回発売するML696500シリーズには、512KBのFlash ROMを内蔵しているML69Q6500と、ROMを内蔵しないML696500の2機種があります。2機種ともMP3、WMAなどの音楽ファイルの再生、PC-HDD間の高速データ転送を可能とする、HDDオーディオプレーヤ向けのLSIです。USB2.0のハイスピードデバイスコントローラと、UltraDMA66に対応したATA/IDEコントローラを内蔵することにより、従来のUSB1.1フルスピードコントローラを用いた場合の実効データ転送速度8Mbpsに比べて128Mbpsと飛躍的にPC-HDD間の転送速度を向上させました。(当社比)
また、ヘッドフォンアンプ内蔵のDAコンバータ、マイクアンプ内蔵のADコンバータなど、従来複数チップに分かれていたオーディオプレーヤ主要構成機能を1チップに内蔵させることにより、複雑なアナログ回路設計をシンプルにしました。このほか本LSI用に、音楽ファイルの録音再生、HDDデータのファイル管理などのソフトウェアをSDK(ソフトウェア・デベロップメント・キット)として販売いたします。本LSIと弊社が提供するソフトウェアのトータルソリューションを利用することにより、短期間で小型・高性能なHDDオーディオプレーヤの開発が可能になります。
今後も弊社は、小型・高性能・低消費電力のシステムLSI開発とともにソフトウェアを充実化させていき、2006年度にはHDD搭載オーディオプレーヤ市場で100億円の売り上げを目指します。
【販売計画】
- サンプル出荷開始時期:2004年11月
- サンプル価格/個:ML69Q6500:3,500円 / ML696500:3,000円
- 量産出荷開始時期:2005年1月
- 販売目標:月50万個(2005年度)
- SDK出荷開始時期:2004年10月
【商品の仕様概略】ML69Q6500/ML69500
| CPU | ARM946E-S(TM) 最大120MHz (132MIPS) |
| 内蔵Flash ROM | ML69Q6500:512KB Flash ML696500:ROM-less |
| 内蔵RAM | 128KByte |
| 外部バスコントローラ | ROM / Flash, SRAM, SDRAM, I/O 2バンク |
| DMAコントローラ | 4ch |
| 割込みコントローラ | 内部要因23, 外部要因5 |
| タイマ(システム) | 16ビットインターバル×1 |
| タイマ(アプリケーション) | 16ビットインターバル/ワンショット×3 |
| RTC | 32.768KHz入力、電源分離 |
| PWM(注1) | 16ビット×1 |
| ウォッチドッグタイマ | 16ビット×1(インターバルタイマとして使用可能) |
| シリアル通信(USB除く) | 4本(UART(注2)×1, 同期SIO×3, I2C(注3)×1) |
| USB | USB2.0 ハイスピード(最大480Mbps)デバイスポート×1 |
| ATA/IDE | UltraDMA 66 |
| NAND Flash | SmartMedia Standard 2000準拠 |
| Audio DA/AD | ステレオ 2チャンネル、ヘッドホン/マイクアンプ内蔵 |
| GPIO(注4) | 88ビット |
| ADC | 10ビット精度×4 |
| 電源電圧 | Core:1.5V, I/Os:3.3V |
| 動作温度 | 0〜+70℃ |
| パッケージ | LFBGA272-1515-0.65 |
【用語説明】
- (注1) PWM:
- Pulse Width Modulationの略。パルス幅変調方式。
- (注2) UART:
- Universal Asynchronous Receiver Transmitterの略。シリアルポートなどに使われる通信回路。CPUから送られてくるパラレル信号をシリアル信号に変換したり、周辺機器から送られてきたシリアル信号をパラレル信号に変換したりする。
- (注3) I2C:
- Inter Integrated Circuitの略。2本の信号線によって、比較的近い場所にあるデバイス間の情報伝達を行うためのシリアルインターフェース。
- (注4) GPIO:
- General Purpose I/O Portの略。汎用ポート。
- ARMは、ARM社のEUおよび米国における登録商標です。ARM9およびARM946E-SはARM社の商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。「ARM」とは、ARM Holdings plc(LSE:ARM、NASDAQ:ARMHY)、その事業会社であるARM Limited、各地域の子会社であるARM INC.、ARM KK、ARM Korea Ltd.、ARM Taiwan、ARM France SAS、ARM ChinaおよびARM Belgium N.V.の全部または一部を意味します。
- その他、記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
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