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2004年8月17日

世界最薄のデジタル通信機能搭載小型3軸加速度センサモジュールを開発

ML8950 外観写真 沖電気工業株式会社(社長:篠塚勝正)は、このたび、「加速度センサチップ」と「デジタル通信機能を搭載したセンサコントロールICチップ」の2種類のチップをワンパッケージ化した、厚さわずか1.4mmの世界最薄小型3軸加速度センサ(注1)モジュール「ML8950」を開発しました。本新製品は、3軸(X,Y,Z)方向の加速度・傾き・衝撃等を検出し、加速度の他に傾斜角度・振動の測定を可能にするもので、独自のマイクロマシニング(注2)技術により小型薄型化を実現しました。各種モバイル機器、アミューズメント、セキュリティなど幅広い分野へ向けて、2004年10月サンプル出荷、2005年4月量産出荷を開始します。

携帯電話では、GPS(グローバルポジショニングシステム)を使った位置情報サービスなど、動きを検出してユーザをサポートする高機能アプリケーションの搭載が進んでいます。しかし、位置情報に方位情報を付加するために現在使用されている地磁気センサでは、携帯電話機を持つ角度によって誤差が生じるため、精度が不十分でした。また、ポータブル音楽プレーヤなどハードディスクドライブ(以下HDD)内蔵の携帯機器では、落下によるハードディスク損傷が問題となっています。そのため、傾きを感知して方位情報の誤差を修正することができ、かつ、機器がどのような姿勢で落下しても落下を加速度により感知して、HDDが衝撃を受ける前に磁気ヘッドをディスク外の安全な領域へと退避させ、HDDの損傷を回避することができる、小型3軸加速度センサが求められていました。

今回開発した「ML8950」はピエゾ抵抗効果(注3)を利用して3軸方向の加速度、傾き、衝撃等を検出し、この信号をデジタル出力する小型・薄型の3軸加速度センサモジュールです。小型携帯機器へ搭載するための高い衝撃耐性とセンサチップの小型・薄膜化との両立をSOI(シリコン・オン・インシュレータ)ウェハを用いたマイクロマシニング技術により実現しました。このセンサチップとコントロールICチップをMCP技術(注4)により一体化することで、世界最薄パッケージを実現しました。これにより、従来サイズ制限や耐衝撃性の点から搭載できなかった、携帯電話など小型携帯機器への3軸加速度センサモジュール搭載を可能にしました。

また、独自開発したコントロールICチップは、信号増幅回路、制御回路、アナログデジタル変換回路、温度補正回路等に加え、ピエゾ抵抗型3軸加速度センサモジュールとしては初めてデジタルインターフェイス回路を内蔵しました。これらにより、機器側でのアナログデジタル信号変換を不要にし、CPUへのダイレクト接続を可能にすることにより、3軸加速度センサモジュールのデジタル機器へのスムーズな組込みを可能にしました。

弊社は、1999年よりシリコンの微細加工を活かしたMEMS(Microelectromechanical System)製造受託ビジネスを展開してきましたが、今回初めて自社製品をMEMS市場へ投入します。今後は、シリコンの微細加工を活かしたMEMS技術と、LSI設計製造技術とを組合せた集積化MEMSにより、さらに高機能のMEMSセンサを開発し、2006年度売上100億円を目指します。

【販売計画】

サンプル出荷:2004年10月
サンプル価格:5000円
量産出荷時期:2005年4月

【主な特徴】

  1. ピエゾ抵抗方式3軸加速度センサ
  2. 定格加速度 ±3G
  3. コントロールICとセンサをワンパッケージ化
  4. 小型パッケージ(5.0×5.0×1.4mm)
  5. 10bit ADコンバータ内蔵
  6. 低電圧駆動(2.5〜3.3V)
  7. シリアル通信出力(SPI)
  8. 耐衝撃性 4000G以上

【用語解説】

(注1)3軸加速度センサ
3次元空間における加速度、傾き、振動をX,Y,Z軸の3軸成分に分けて検出するセンサです。弊社の3軸加速度センサは、高感度のため重力(加速度9.8m/s2)を静止状態で測定できます。そのため、傾きの検出から瞬間(f≦200Hz)加速度の検出が可能です。
(注2)マイクロマシニング技術
半導体集積回路のリソグラフィやエッチングによる微細加工技術や、ガラスとシリコンの接合技術等により、シリコンウエハ上にミクロンサイズの小さな機構部を形成する技術です。
(注3)ピエゾ抵抗効果
半導体シリコンなどにひずみが加えられることにより、抵抗率が変化する効果です。
(注4)MCP技術
Multi Chip Packageの略称。 一つのパッケージ内に複数のチップを搭載する技術です。

【ピエゾ抵抗型3軸加速度センサの構造】

ピエゾ抵抗型3軸加速度センサは、薄いシリコンの梁(ビーム)によって錘(おもり)を支え、加速度によって錘が動くことで梁が歪み、この歪を梁上に形成したピエゾ抵抗素子の抵抗変化で加速度を検出します。
ピエゾ抵抗型3軸加速度センサの鳥瞰/断面模式図

【新製品の主な仕様】

主要パラメーター仕様単位
駆動電圧2.5〜3.3(アナログ)
1.8〜3.3(デジタル)
V
定格加速度±3G
検出分解能(加速度)10mG/bit
検出分解能(角度)平均0.5°/bit
直線性±1%FS
他軸感度±5%FS
応答周波数DC〜200Hz
耐衝撃性4000以上G
動作温度範囲−20〜70
消費電流(Typ)1.5 (Max)2.0mA @RT
待機電流(Max)5.0µA @70℃
パッケージ寸法(W)5.0×(D)5.0×(H)1.4mm
通信方式シリアル通信 (SPI)


  • 記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。


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