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2004年7月28日

独立行政法人情報通信研究機構
沖電気工業株式会社

世界で初めて光ファイバ回線による都市間光CDM伝送実験に成功

独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT。理事長:長尾 真)と沖電気工業株式会社(以下、沖電気。社長:篠塚 勝正)とは共同で、世界で初めて、OCDM(Optical Code Division Multiplexing:光符号分割多重)伝送方式を用い、実際の運用形態を想定した実験ネットワーク(JGNII)上で都市間通信に相当する200km光ファイバ回線での多重伝送実験を実施し、実用的な回線速度でOCDM伝送が可能なことを確認しました。今後、NICTと沖電気はさらなる多重化に挑戦し、より高速な伝送を可能にしたOCDM装置の開発に取り組み、商用化を目指します。

<背景>

OCDM伝送方式は、柔軟なネットワークの構築及び、安全なネットワークの構築のための次世代伝送方式として注目されています。OCDM伝送方式を用いると従来の伝送方式では困難であった可変伝送速度が可能となり、より高度で便利なネットワークサービスを提供できます。また、OCDM伝送方式を用いるとアドレス数が多くとれるため、柔軟性の高いルーティングの実現が可能となり、ネットワーク構成の簡素化、ネットワーク機器導入のコスト削減が図れます。さらに、OCDM伝送方式により符号化された伝送データはランダム信号のようになり、OCDM伝送方式に対応した復号器を用いないと伝送データが再現されないため、不正アクセスなどに対処した秘匿性の高い伝送技術を提供できる特徴が注目されています。OCDM伝送方式の実用化のためには、実際の運用形態に準じたネットワーク環境における伝送実験が必要です。しかし従来は、自前のファイバ回線を持たないメーカー、大学等の研究機関ではこの種の実験を行うことができず、小規模なネットワーク環境における実験に止まっていました。NICTは多くの研究者がこの種の実験を容易に行えるように、次世代光ネットワーク研究開発環境であるJGNIIネットワークを共同利用施設として提供しています。

<今回の成果>

NICTと沖電気は共同研究に基づき、沖電気が開発したFBG型符復号器を用いた時間拡散波長ホッピング型OCDM伝送装置を使って典型的な都市間伝送距離に相当する大手町局−つくば局間の折り返し光ファイバ回線(200km)での伝送実験をJGNIIネットワーク上で実施しました。本実験では、10Gb/sの伝送速度で2チャンネルを同じ周波数帯域で同時に多重伝送し、各チャンネルで高品質伝送に成功しました。この実験成功により、典型的な都市間伝送距離に相当する数百キロメートルの伝送が十分実用可能であると考えられます。

<今後>

今後は得られたデータを元に、同時に伝送できるユーザ数を多くする等、実用化を目指した研究を推進します。

 
実験に使用した沖電気製10gbps 2chのOCDM送受信装置

 
実験に使用した沖電気製OCDM符号・復号器


<次世代伝送方式実験のための実際の運用形態を想定した実験ネットワークJGNIIについて>
JGNIIは、実際の運用形態を想定した実験ネットワーク環境として、全国規模のIPネットワーク、光波長ネットワーク、光伝送実験のための研究開発環境を提供しています。全国規模のIPネットワークでは、最大の20Gbpsの回線速度を整備するとともに、各都道府県にアクセスポイントを設置し、全国の大学、研究機関、民間企業、地方自治体などに開放することにより、ネットワーク関連技術やアプリケーション技術の研究開発に利用できる環境を提供しています。また、大陸間伝送実験に備えて日米間回線についても整備し、国内外の研究機関とも連携して研究開発を推進する予定です(日米回線については、平成16年8月から運用開始予定)。

JGNIIネットワーク構成
イメージ図
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<用語解説>

OCDM:
光符号分割多重(Optical Code Division Multiplexing)。送信側でチャンネル毎に異なる光符号で信号を符号化し、受信側では同一の光符号を元に復号することによって、同じ波長で同時に複数のチャンネルに割り当てる多重方式。
波長ホッピング:
複数の波長を高速に切り替える方式。OCDMと組み合わせた場合には、時間だけでなく、波長も考慮した符号化が行われる。
FBG:
Fiber-Bragg-Grating。特定の波長帯の光波を反射し、その他の波長帯の光波を通過させるフィルタ特性を持つ光ファイバ。
JGNII:
独立行政法人情報通信研究機構が提供するギガビット伝送の研究開発用実験施設。高速ディジタル伝送施設の他に、光通信用のテストベッドがある。詳細は、Webアドレスhttp://www.jgn.nict.go.jp/01-info/1-5.htmlを参照。



本件に関する報道機関からのお問合せ先

情報通信研究機構 総務部 広報室 大崎祐次、大野由樹子
電話:042-327-6923 / Email:publicity@nict.go.jp

沖電気工業(株) 広報部 電話:03-3580-8950

研究内容に関するお問合せ先

情報通信研究機構 情報通信部門
超高速フォトニックネットワークグループ 神尾享秀
電話:042-327-7556 / Email:kamio@nict.go.jp

沖電気工業(株) 研究開発本部 先端デバイスラボラトリ
電話:0426-62-6748

各リリースの記載内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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