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2004年7月21日

プリント基板工場で重金属スラッジ(汚泥)の再資源化に成功
酸性廃液の社内処理化により、埋め立て量を130トン削減

沖電気工業株式会社(社長:篠塚 勝正)のプリント基板製造拠点である沖プリンテッドサーキット株式会社(社長:高草木 秀夫、以下OPC)は、製造工程から排出される酸性廃液から銅およびパラジウムを回収再資源化することに成功し、廃棄物の埋め立て処分量を130トン削減しました。本再資源化の設備導入費用は3000万円で、年間5000万円の廃棄物処理委託費の削減が2004年度から可能となります。

プリント基板の製造では、銅箔を張った積層板の表面に回路パターン等を印刷し、パターン部以外の不要な銅を酸で溶かし除去します。表面処理などの際に発生する酸性の廃液には1リットルあたり6.5gの銅が含まれており、廃棄するためには重金属の除去と中和処理が必要となります。OPCでは、これまで本処理を社外の処理施設に委託し、発生したスラッジ(汚泥)を埋め立て処分していました。しかしながら、最終処分場の不足や廃液運搬中の事故による漏洩リスク、処理委託費用などの問題があり、廃液の社内処理化とスラッジの再資源化に取り組みました。

今回、OPCでは、塩化第二鉄と活性炭を活用する独自の方法で酸性廃液の社内処理化を行いました。放流水中の重金属対策として実績のある塩化第二鉄を凝集助剤に選び、最小限の使用量でスラッジ中の銅含有量を原料化が可能なレベルまで引き上げることに成功しました。また、処理水のBOD値(注1)や重金属量の良化には活性炭処理が有効であることに着目し、これらを組み合わせて最適化を図り、実用化しました。その結果、新たに構築した酸性廃液処理施設では、汚泥中の銅の含有率を45.8%(乾燥時)まで高め、かつ貴金属であるパラジウム含有率も66.5PPM(乾燥時)となり、重金属の原料としての再利用(注2)が可能となりました。

社内処理化を実現したことにより、OPCでは2000年度に処理委託していた2000トンの酸性廃液を2003年度にほぼゼロにし、本年7月には委託量ゼロ化を達成しました。また、2000トンの酸性廃液を脱水処理することにより発生する汚泥の130トン(2003年度)全量を、銅やパラジウム原料として売却しました。

OPCは、今後、プリント基板製造工程から排出され、処理委託しているアルカリ廃液の自社内処理に注力していきます。本アルカリ廃液は中和凝集沈殿してもBOD値が大きく、そのまま放流できないので微生物による分解処理(注3)を行う予定です。

【酸性廃液処理の概要】

一般に酸性廃液処理工程は、水酸化ナトリウムなどで中和後、無機系や有機系凝集沈殿剤を用い重金属や有機物を含む固形物を沈殿させ、上澄み液を放流します。沈殿させた固形物は、脱水後スラッジとして埋め立て処分します。OPCでは凝集助剤に塩化第二鉄を用い、工程のなかで活性炭を利用することで埋め立て処理のゼロ化を達成しています。

一般的な酸性廃液の処理フロー
 

【沖プリンテッドサーキット株式会社の概要】

会社名:沖プリンテッドサーキット株式会社
所在地:新潟県上越市福田町1番地
代表者:取締役社長 高草木 秀夫
設立:1985年2月1日
従業員数:245名
生産品目:高密度多層プリント基板の設計、製造

【用語解説】
注1 BOD値:
生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand)水質指標の一つで水中に存在する有機物のうち、微生物が分解できる量を示す。

注2 原材料としての再利用:
原料化の目安は銅20%以上(乾燥時)、パラジウム30PPM以上(乾燥時)

注3 微生物による分解処理:
微生物により有機物を炭酸ガスと水に分解する処理法


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